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2017/11/03

映画_シンクロナイズドモンスター / Colossal 感想(評価/★:3)~煮ても、焼いても、叩いても、アン・ハサウェイは可愛いのです!キリッ~【映画レビュー】

シンクロナイズドモンスター予告

Uploaded by Albatrosmovie on 2017-08-09.


映画 シンクロナイズドモンスター アン・ハサウェイ



◆シンクロナイズドモンスター 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(35/50点)

この作品ジャンルは?:コメディタッチのファンタジー

オススメしたい人は?:カップルや女性の方も楽しめるかも。

印象を一言で?:超B級映画と思いきや、実は深い。
アン・ハサウェイがふつーのお姉さんを演じているのは必見。
つーか、ツンとしていないので、すごーーーーく可愛い。

グロテスクですか?:グロシーンはありません。


◆synopsis◆



巨大な怪獣を操るダメウーマンが、負け犬人生と世界の危機に立ち向かう!!

職ナシ、家ナシ、彼氏ナシ。
酒に溺れて失敗ばかりのグロリアは、ニューヨークから故郷の田舎町へと逃げ帰る。
時を同じくして、韓国ソウルに突如巨大な怪獣が襲来!
その怪獣の動作は、なぜか遥か遠く離れたグロリアとシンクロしていた―。
世界の運命は、酔っ払いのダメウーマンに託された?!
憧れのニューヨークで働いていたグロリア(アン・ハサウェイ)だったが、失業してからというもの毎晩酒に酔って暴走し、ついには同棲中の彼氏ティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出されてしまう。 家も仕事も彼氏も失ったグロリアが向かったのは、生まれ故郷の小さな田舎町。 そこでばったり再会した幼馴染のオスカー(ジェイソン・サダイキス)に誘われ、グロリアはオスカーが営むバーで働くことになる。

グロリアが新生活への一歩を踏み出す中、衝撃のニュースが世界を駆け巡る。 韓国のソウルで突如巨大な怪獣が現れたというのだ。 テレビに映し出された衝撃映像に皆が騒然とする中、ただひとりグロリアはある異変に気付く。 「この怪獣、私と全く同じ動きをする…?!」舞い上がったグロリアは、怪獣を操り世界をさらなる混乱へと陥れるが、そこに「新たなる存在」が立ちはだかる―!

※公式HPより


◆comment◆



2017/11/3 本日から劇場公開です。


・・・曰く、

「ゴミ映画」

「主人公の女が嫌い」

「なんだこれ?」

「ストーリーが浅い」

「説明不足」

「設定が中途半端」

「アン・ハサウェイがミスキャスト」

エトセトラ、エトセトラ。

・・・・手強い。これは手強い戦いだ。

わたしは劇場を後にしながら、ネット上に散見されるこれらの言葉に正直な所あたまを抱えていました。


本作は製作段階で権利問題で報道されたのをご記憶の方も多いでしょう。

ゴジラ似の「珍」怪獣映画、東宝に訴えられる - ライブドアニュース

『ゴジラ』シリーズで有名な東宝が、制作中の映画『Colossal』を著作権侵害で提訴した。監督自身が「史上最低予算のゴジラ映画」と述べた映画で、アン・ハサウェイ演じる女性が怪獣と心を通わせるという奇妙な設定だ。 「ゴジラ似の「珍」怪獣映画、東宝に訴えられる」の写真・リンク付きの記事はこちら ...

ゴジラがアン・ハサウェイ主演の巨大トカゲ映画に"待った" : 映画ニュース - 映画.com

巨大トカゲ映画主演が報じられたアン・ハサウェイ Photo by Andrew H. Walker/Getty Images for Variety [拡大画像] [映画.com ニュース] 米女優 アン・ハサウェイが、「GODZILLA」+「 マルコヴィッチの穴」のような作風をうたった巨大トカゲ映画「Colossal(原題)」に主演することが報じられたばかりだが、このほど本家「 ゴジラ ...

ただ、これは製作者側の迂闊さもさることながら、東宝が過剰に反応したのではとも思うのはわたしだけでしょうか?


おかげで舞台設定が日本から韓国に変更になっただとか、怪獣が将軍様がゴジラスタッフさんと製作したやつに似ているだとか、いろいろと物議をかもしたのもご存知の方が多いでしょうね。


これは是非とも、日本を舞台のひとつにして欲しかった・・・・

麗しのアン嬢が日本に大手を振って来られるじゃないですか・・・・


それにしてもここまでキツイ言葉で語られる本作ですが、わたしは単純にアン・ハサウェイがふつーーーーのおねえさんを演じているだけで、激レア物件だと(小声)

これを擁護しつつ、オススメとして紹介するにはどうすればいいかなぁ。

わたしは好きなんですよねぇ。

そして恐らく配給会社さんも、親しみやすさを最大限に訴求したくて、ピンクを基調にしたビジュアルと邦題を考えたのでしょうけど、、、、惜しい
この邦題では原題:Colossalに隠された対比というかユーモアが伝わらない。

それこそ怪獣メインの話にしか捉えてくれなくなっちゃうでしょーが。

確かに怪獣のビジュアルや事前のニュース何かを見ると、パニック映画やそれこそパシフィック・リム寄りのゴリゴリ系なアクションを期待してしまうと裏切られたと感じるのも無理も無いこと。

ましてや主演があのアン・ハサウェイならなおのこと大作であることも期待されるのも同感。

だけど、日本語版もオリジナル版の予告編にも、それこそ公式サイトにもシリアスな要素はほとんど見られません。

そうです。

たしかに純粋な怪獣映画とも言えず、大作であると定義するほど壮大もない。

本作はもっと身近で、
ごくごく小さなコミュニティの、
そしてパーソナルな問題を取り扱った物語。

これは怪獣をモチーフにした『ちょっと不思議な』自己再生の物語なのです。
(けっこうぶっ飛んでますけどね)

歯切れが悪くなるのには訳があって、面白いのですけど、なかなか上手く表現できないんですよねぇ。

例えが悪くて申し訳ないのですが、星新一的なとてもシュールなお話で。

あの「おーいでてこーい」がまっさきに想起されたのです。

ま、ストーリーの最大の謎としては、

『あの怪獣の正体はなんであるのか?』

に尽きるのです。


と、書いていたら、公開に伴う監督のインタビューを発見して妙に納得。

【インタビュー】『シンクロナイズドモンスター』監督は松本人志マニア!「『大日本人』の影響受けたよ」 | THE RIVER

「今日の僕はSF男だよ!」 ──スペインの鬼才は、ノートPCのスクリーンの中で、アップル・シナモン・フレーバーのVAPE(電子タバコ)の煙をモクモクと吐きながら笑っていた。「日本の皆とTV電話で話して、巨大なピルを持って(Beats Pill ワイヤレススピーカー)、VAPEを吸っているんだからね。」 なぜか巨大怪獣と動きが"シンクロ"してしまうという"ダメウーマン"の奮闘を描く異作 ...

これらを踏まえて、この映画を整理すると、彼らがこの作品を通してどんなメッセージを伝えたかったのかが朧気ながら見えてきます。

故郷というもっともパーソナルな場所に埋まった

忘れているようで姿を見せないだけの『思い出』

子供時代だからこそ覚えることができる『ピュアで強大な怒り、傷心』

決着をつけないで、そのままにしてしまった多くの人が持つ『何か』

大人になること≒誰もが横並びであることはあり得ないという『現実』

自身が苦しいゆえに、感じる『羨望』『嫉妬』

故に他者を支配したいと思う『エゴ』

個々人の心のうちにしまい込まれた強烈な思いというのは、時とともに純化するものもあるけど、その逆に腐臭を放つものもある。

わたしたちは人と関わるが故に悩み傷つくのですが、人と関わらず生きていくことは不可能。

ミクロの集合体がマクロ。

そしてテクノロジーがもたらした距離の喪失、言葉の壁の消失が、世界との境界線をものすごく曖昧にしてしまった。

ネット上では鍵でも掛けておかない限り「パーソナル」な言葉などない。

何気なくポロッと書いた一語でも、とてつもなく大きな問題に発展する事もある。

気が付かないうちに世界の何処かで何かを無情にも破壊してしまう恐ろしい力を、現代の言葉は持ってしまっていて、その危うさをほとんどの人が(わたしも含めて)自覚せずにデジタルに載せてしまっている。

例え個人の問題でも、世界中がそれを自由に閲覧し、共有し、返信することができる。

今月公開のトム・ハンクス/エマ・ワトソン出演の『サークル』

映画 ザ・サークル エマ・ワトソン


この作品と根底では共通しているであろうテーマを本作はあくまでもコメディタッチに描いているのです。

なので、よーーーく目を凝らして観てみると、本作品には意外な魅力があるのです。

というわけで、高嶺の花が舞い降りた。

わたしたちふつーの人達と同じ視線に立ってくれたアン・ハサウェイを観られる貴重な作品。
お楽しみください。

そうそう。本作のキャストは豪華ですよ♫

2017年映画鑑賞 190本目

◆overview◆


・原題:Colossal  2016年公開
・上映時間:110分

・監督:ナチョ・ビガロンド
代表作:『ブラック・ハッカー』『TIME CRIMES タイム クライムス』
・脚本:ナチョ・ビガロンド
     

・メイン・キャスト
アン・ハサウェイ
ジェイソン・サダイキス
ダン・スティーブンス
オースティン・ストウェル
ティム・ブレイク・ネルソン

2017/10/07

映画_アウトレイジ最終章 感想(評価/★:4)~群れを離れた狼の悲哀~【映画レビュー】

映画『アウトレイジ 最終章』本予告【HD】2017年10月7日公開

全員悪人 全員暴走 《関東【山王会】 vs関西【花菱会】》の巨大抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下にいた。そんな折、取引のため韓国滞在中の【花菱会】幹部・花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、《国際的フィクサー【張グループ】 vs巨大暴力団組織【花菱会】》一触即発の状態に。激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。時を同じくして、その【花菱会】では卑劣な内紛が勃発していた......。 『アウトレイジ 最終章』2017年10月7日(土)全国ロードショー 公式サイト:http://outrage-movie.jp/ ビートたけし 西田敏行 大森南朋 ピエール瀧 松重 豊 大杉 漣 塩見三省 白竜 名高達男 光石 研 原田泰造 池内博之 津田寛治 金田時男 中村育二 岸部一徳 監督・脚本・編集:北野 武 音楽:鈴木慶一 配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野 ©2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会

映画 アウトレイジ最終章 北野武

◆アウトレイジ最終章 鑑賞◆

評価/オススメ:★★★★

文月的採点(41/50点) 
この作品ジャンルは?:クライムサスペンス

オススメしたい人は?:全ての働くサラリーマン

印象を一言で?:今作は『ドラマ』・・・だとっ。


グロテスクですか?:今回は北野バイオレンスが極めて控えめです(注意:過去2作比)
それでもやることはやっています(笑)


過去の作品は観るべき?:
「アウトレイジ」、「アウトレイジ・ビヨンド」あっての、アウトレイジ最終章です。是非まだご覧になっていない方は地上波などで描写がカットされていない完全版を鑑賞してから足を運ばれると良いでしょう。


◆synopsis◆


山王会と花菱会の巨大抗争後、大友は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長の下にいた。

そんな折、取引のために韓国に来た花菱会幹部の花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。

これを発端として国際的フィクサー・張グループと巨大暴力団組織・花菱会が一触即発の状態となってしまう。

発端となった事件に激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。

時を同じくして、その花菱会では内紛が勃発していた・・・

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆



本日、2017/10/7より公開です。

文月はアウトレイジ、アウトレイジ・ビヨンドともに年に数回は観直すほどにこのシリーズが好きなのですが・・・・

・・・・うむむ!?

本作は『怒号の応酬』も『北野バイオレンス』もとても控えめ。

複雑に交錯したドロドロの人間関係の中で誰がいつ殺害されてしまうのか?
そういう方面でとてもハラハラしてしまう、シリアスな『ドラマ』になっていました。

また、伝説的な台詞と極端なまでの暴力描写で世間を騒がせたアウトレイジ。



「頭なら若いもんの責任とっててめえが指詰めろ」


「やぁってやっから、道具持って来いコノヤロ!」


「すぃらねえよん……だああああああああ!!!!!!!!」


「ウチの若いのよくも『取って』くれたなコノヤロー」


「わわわわ若い衆が勝手にやったことだからよ!?」


「指出せオラーーーーー!バズン!!!」


「舌出せ!出せって言ってんだろ!」


「おい『道具』出せ!」


「テメェらが会いたいから言うて、すぐ会えるほどウチの会長安ないで?」


「オイ、舟木。テメェも同じようにしてやるからよ、見とけコノヤロ!ぎゅいーーん!」


「見た!見た!思い出した!見たんだ待ってくれよ!見た!」


「おい、元の親分の所行こうぜ・・・。あ?『大友さん』だろコノヤロー!」ドゴッ!


「良かったなじゃねぇよ、おぉ!?てめぇどこ座ってんだよ!」


「You know you're dealing with the YAKUZA, right?」


「野球しよっか?」

これらの台詞で、シーンが連動されたア・ナ・タ。
フリークですねぇ。

アウトレイジ、アウトレイジ・ビヨンドは言ってみれば『バイオレンス』を娯楽にしてしまった北野監督独特のブラック・ユーモアたっぷりの作品でした。

わたしがこの作品をものすごく好きなのは、

「組織、社会、コミュニティ」

という、利害や力関係が発生する場所で生きなければいけない人の悲哀が凝縮されているからです。

つまり、アウトレイジという作品は『ヤクザ』というアイコンに収められた『社会風刺』なのです。

どこか自分とは関係ない場所の話ではないのですぞ。

キャッチコピーの「全員悪人」というのは実はすごく深くて、
「観ているあなたは果たして善人ですか?」と問いかけられているのです。

黙々と上からの、そして組織から受けている義理を通す人。

自分の出世や責任逃れのために、誰かを利用する人。

笑顔で接しておきながら、実は裏で別のやつと繋がっている人。

上の指示という言葉を大義名分にしてなんでもやる人。

虎視眈々と相手を蹴落とすことを狙っている人、狙われている人。

そして犬ころの様に誰かを慕い、信じてついてくる人。

このアウトレイジ3部作に登場する人物はもの凄くコミカルにデフォルメされた悪人達です。

そして、自分を、自分のまわりをよーーーーく、目を凝らして、冷静に見つめてください。

多かれ少なかれ、登場人物のキャラクターや、立ち振舞い、考え方、価値観が重なって見えませんか?

いやいや、そんなやつはいないよ。

そう言える人が果たして何人いることやら。

これは皮肉でもなんでもなく『生きていくって、そういうもの』なのだとわたしたちにノックしている北野武監督からのメッセージなのです。

彼らの放つ怒号、応酬、暴力が観ている側をどこかスッキリさせるのは、取りも直さず

普段自分が抑えてできないことを代わりにやってくれているからですわ。きっと。


――そんな訳で、最終章と銘を打たれた本作ではどれだけ「スッキリ」できるのか(オイオイ(汗))を期待してスクリーンに向かったのですが・・・・


本作は暴力ではなく
「群れを離れた一匹の狼(=大友)の悲哀」
がメインのお話になっていました。

あんまり痛くないので、門戸が広まったかも(笑)

北野監督が「バラバラに見えているけど、3つでひとつの作品」と公開前のインタビューで答えていました。

本作のメインテーマは「ケジメ」なのです。

起承転結の「結」

そして見えてきた「大友」という男は、過去の北野作品で描かれた「不器用だけど懸命に生きる男」達と共通している、かっこいい男だったのです。


まず、本作を楽しむためには登場人物達が置かれた状況と主要な人間模様を知ったほうが良いでしょう。


◆大友が属する「張グループ」

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図


◆そして今作で敵対するご存知「花菱会」

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図 2


※ちなみに、ピエール瀧さん。
本作でのコメディ部分というか笑える要素はほぼ彼に集約されています。
大島渚監督の『御法度』のトミーズ雅さん並にいい味出してます。


◆過去作からの因縁の関係はこちら

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図 3


◆大友という男が背負った『ケジメ』

そして、本作では過去の作品への配慮も忘れていません。
「ケジメ」とはアウトレイジ・サーガ全体へのケジメなのです・・・

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図 ケジメ


◆大友を慕う若い衆

大友という男には不思議な魅力があって、作品全てに彼を強烈に慕う若い衆が登場します。
しかしながら、その若い衆達の末路も作品の熱度を上げる強いエッセンスになっていました。

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 大友 水野 木村 市川


これが作品のフレームになります。

・アウトレイジ最終章を楽しむポイント①


ますは「舎弟愛」というが本作品の見どころです。

大森南朋さん演じる本作の若い衆である「市川」。

文月としては、この市川は過去椎名桔平さん演じた「水野」、中野英雄さん演じた「木村」、ふたりの良いエッセンスを見事に受け継いだとても好感が持てる新キャラクターだったとえらく感激しましたわぁ。

激しすぎず、前に出すぎず、ひたすらに大友に従う姿がもう・・・・

それだけではありません。
悪人ながらも縦の主従関係がしっかりとしているのは、大友と市川だけではないので、
各シーンでどのラインが絡み合って動いているのかが解るととても楽しいです。

それでも、親子でも兄弟でもないのに、大友という男に惚れ込んだ市川の真っ直ぐさは萌え要素の重要な一つです。

大友と市川に共通するのは「息が詰まりそうな組織の枠より、自分の信念を通す」生き様でした。

自分がここまでできるのか?と自問自答してしまうほどの・・・


まぁ、語弊があるでしょうが、コジマプロダクションの小島秀夫監督が独立した時に集った人たちを観ているような気持ちになりました(小声)下記、リンクを貼ります。

わたしだって、ゴミ掃除係でもいいので馳せ参じたいのですが、無理だなぁ。

・アウトレイジ最終章を楽しむポイント②


『裏切り』の連鎖

冒頭でアウトレイジ最終章にハラハラさせられたと書きましたが、それは『一体誰を信じたら良いのか、大友の思惑すら解らない』ところにあります。

単純に「張グループ vs 花菱会」という構図ではないのです。

花菱会も一枚岩ではない、そして花菱会に後見されている山王会も、大友が属する張グループでさえも、しょーーーもないエゴが渦巻くドロドロの人間模様を展開します。

このあたりは北野監督お得意のコントを観ているようで、実際の鑑賞中もみなさん所々で笑い声が上がっていました。

解っちゃいるけど笑ってしまう、古典落語の境地ですな(笑)

しかし、ラストシーンを迎えるまで、誰がどの瞬間に「生命(タマ」取られてしまうのか全く油断できませんでした。

誰もが同じことを考えていて、状況をどれだけ自分の有利に持っていくか。

人間関係も、仕事も、極端な話ですとこれの繰り返しです。

その意味で、裏切りの連鎖とはフィクションの中でだけ展開するものではありませんぜ。


・アウトレイジ最終章を楽しむポイント③


それぞれの「ケジメ」

大友、張グループ、花菱会、山王会、警察と今回の事件を決着しなくてはならないのです。

互いに納得できる着地点、いわばそれぞれが落とし所をどこにするか、その腹の探り合いは内紛をコントロールしている誰もが考えて行動しています。

北野監督が描く美学とはあるひとつのベクトルに一貫して向けられていて、それが作品に漂う悲哀を一層深めているのですが、
本作品ではさらに、
それぞれが落ち着く所に落ち着いて
「一番悪い奴が天下を獲ったように見える」
収め方は、いずれまた悲劇は繰り返すのだろうとちょっぴり続編を期待してしまうような気分にさせますな。

でもアウトレイジ、アウトレイジ・ビヨンド、アウトレイジ最終章と3作品全てを観ている人はもちろんのこと、北野作品を愛している方ならば後半でピンと来る方も多いかもしれません。

アウトレイジというひとつの物語に「ケジメ」をつけるのであれば、
どうしようもなく決定的な終わりを迎える必要があるのでした。

群れを離れた狼の最後の咆哮を、是非ご自分の目でお楽しみください。

わたしはラストカットでどうしようもなく切なくなりました。


2017年映画鑑賞 165本目

◆overview◆


・原題:アウトレイジ最終章 2017年公開
・上映時間:104分
・監督:北野武
代表作:『brother』『ソナチネ』
・脚本:北野武
     

・メイン・キャスト
ビートたけし
西田敏行
大森南朋
ピエール瀧
松重豊
大杉漣
塩見三省
白竜
名高達男
光石研
原田泰造

 
  [映画感想]

2017/09/30

映画_ドリーム 感想(評価/★:4)~ゴージャス、デリシャス、デカルチャー~【映画レビュー】

映画『ドリーム』予告A

映画『ドリーム』公式アカウント。 2017年 第89回アカデミー賞3部門(作品賞、助演女優賞、脚色賞)ノミネート 宇宙開発史上の偉業を支え、新しい時代を切り開いた知られざる3人の女性がいた―― 【2017年9月29日(金)全国ロードショー】 ▼公式Facebookページ https://www.facebook.com/20thFOXjp/ ▼公式Twitter ...

映画 ドリーム Hidden Figures

◆ドリーム / Hidden Figures 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★

文月的採点(44/50点)
この作品ジャンルは?:ヒューマンドラマです。

オススメしたい人は?:すべての働く人達。目標に向かって進んでいる人。

印象を一言で?:本年度屈指の勇気の出る映画!

重い話ですか?:実は宇宙開発というのは作品のエッセンスのひとつで、見どころはいろいろな偏見と戦う女性たち、人間たちの物語。テーマは重いですが、天真爛漫なキャストたち明るさがそれを見事に中和しています。

◆synopsis◆


東西冷戦下、アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げている1961年。
ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所では、優秀な頭脳を持つ黒人女性たちが“西計算グループ”に集い、計算手として働いていた。

リーダー格のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)は管理職への昇進を希望しているが、上司ミッチェル(キルスティン・ダンスト)に「黒人グループには管理職を置かない」とすげなく却下されてしまう。

技術部への転属が決まったメアリー(ジャネール・モネイ)はエンジニアを志しているが、黒人である自分には叶わぬ夢だと半ば諦めている。

幼い頃から数学の天才少女と見なされてきたキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は、黒人女性として初めてハリソン(ケビン・コスナー)率いる宇宙特別研究本部に配属されるが、白人男性だらけである職場の雰囲気はとげとげしく、そのビルには有色人種用のトイレすらない。

それでも、それぞれ家庭を持つ3人は公私共に毎日をひたむきに生き、国家の威信をかけたNASAのマーキュリー計画に貢献しようと奮闘していた。

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月によりカット

◆comment◆


日本では2017/9/29より公開。文月は幸運にも公開初日に鑑賞できました。
監督はわたしのおすすめ作品のひとつである
『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ。

→文月の過去の紹介記事(この頃はまだ短いポスト)
『ヴィンセント~』で不覚にもおいおいと泣いてしまって以来のファンです。

よって、今回の作品は不安もなにもなく安心して劇場に足を運べました。

不安、といえば、この作品は邦題を巡って一悶着あったことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
わたしも以前の投稿で言及しました。

→文月の過去の紹介記事

本作はマーキュリー計画を題材とした作品。

つまり、『ライトスタッフ』達を支えた多くの人達、とりわけ理不尽なしがらみを乗り越えて業績を残した女性達の物語です。

光と陰。

言ってみれば、ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリーの様に、これまであまり語られなかった外伝として捉えることもできますが、実話であることが本作のミソです。

よって、わたしは本作を鑑賞した後に改めて『ライト・スタッフ』を観てみるつもりです。


映画 ライト・スタッフ


『ライト・スタッフ』予告編

The Right Stuff (1983) Official Trailer - Ed Harris, Dennis Quaid Movie HD

The Right Stuff (1983) Official Trailer - Ed Harris, Dennis Quaid Movie HD Subscribe to CLASSIC TRAILERS: http://bit.ly/1u43jDe Subscribe to TRAILERS: http://bit.ly/sxaw6h Subscribe to COMING SOON: http://bit.ly/H2vZUn Like us on FACEBOOK: http://bit.ly/1QyRMsE Follow us on TWITTER: http://bit.ly/1ghOWmt The story of the original Mercury 7 astronauts and their macho, seat-of-the-pants approach to the space program.


●ドリームとは?

さて、本作が描いているのは、マーキュリー計画の最大の難所であったアメリカ初の有人地球周回飛行が成功するまでの過程です。

しかしながら、意外と扱っているテーマは重いのです。

オープニングからいきなりそのものずばりの人種差別女性蔑視から始まり、
職場でのしがらみ嫌がらせ困難な課題への挑戦。

仕事を通して、そして私生活を通して、浮き上がっては頭を悩ませる現実という壁。

生きること≒働くこと というのは多くの人が共通して抱えているものですが、

この作品も『誰もおそらくが毎日感じていること』を映し出しています。

何かすごいことをした遠い国の本当にいた人のお話、という目だけで観られる人は少ないし、逆にもったいないですよ。

こう書かなくても、自分の生活とダブってしまう方は多いのではないのでしょうか(笑)


●主軸となる3人のレイディはこちら↓

(画像クリックで拡大されます)
映画 ドリーム Hidden Figures 主人公

3人とも、優れた才能を持ちながら『何かを耐えている』姿は印象的です。

彼女たちが身内だけに見せる素の姿と外での『ツン』とした態度。
どうしてそんな態度を取るのかはまさしく、
彼女たちが『耐えている』ものに起因しています。

●そんな彼女たちと関わることになる人達はこちら↓

(画像クリックで拡大されます)
映画 ドリーム Hidden Figures 相関図


面白いことに、彼らの姿勢、見識が『2対2』で別れているのも見どころです。


誰もが抱えているものと同じ、と書いたのには理由があって、

有色人種である3人の主人公だけでなく、彼女たちと関わる彼らも悩み、苦しみ、耐えているからなのです。

性別や人種など関係なく、自分の才能を活かせるところを掴み取れるということは、理屈なようで理屈でない、とんでもない事なのです。
多くの人が、何かを諦め、何かに苦しんで過ごしている。

わたしだって同じです。

ただ、今よりもはるかに不自由で理不尽なしがらみの中で、決して諦めなかった人たちがいた。

簡単に一括りにはできないし、映画として造られた以上、作中彼女たちが直面する差別という名の現実は、本当はもっと凄まじいものであったはず。

キング牧師のあの時代なのです。

それでもこの作品を明るくしているのは最高に明るくて、そして強く、デカルチャーでタフなレイディ達の姿に他なりませんな。

自分の居場所は、自分で勝ち取るもの。

そして居場所は自分でつくるもの。

つらい状況は誰にでも起こり得て、そしてその中で再起不能に陥ってしまうこともあるのだけど、

そんな時でも劇中のキャサリンのように背筋を伸ばし、

ドロシーのように図太く学び、

メアリーの様に不敵に挑む。

『ドリーム』という邦題を考えたライターさんなり、配給会社さんとしては、

彼女たちが魅せた不屈の姿に『古き良き健全なアメリカン・ドリーム』(頑張って金持ちになりましたというのではない)を見たのだろうなと考えました。

ま、『新感染』とかいう、座布団全部持っていかれそうなのボロクソタイトルと比べれば、まあアリですな。
(誤解のないように。『TRAIN TO BUSAN』はマ・ドンソクのタフガイぶりに最高に燃えた口です。はい。わたしがケチを付けているのはこの邦題。何が「新しい感染」なのか、
詳細なレポートを提出してもらいたいくらい個人的には憤ってます)


人類初の有人飛行を成し遂げた人。

アメリカ人初の地球周回軌道飛行を成し遂げた人

その陰に、アメリカの黒人女性初の偉業を成し遂げた女性がいた。

エンドロールが「良かったね!めでたし、めでたし」だけでなく
しっかりと彼女たちにフォーカスして終わります。

観る側としては、それをしっかりと心に刻むことで真のエンディングを迎えられることでしょう。


●ちなみに

IBMの特設サイトには、主人公の彼女達にフォーカスした動画もあって、改めてすごいことをした人達なんだなと脱帽しちゃいます。興味のある方は御覧ください。


しかし本作は『走る、走る』

観客席から立ち上がって応援したくなるくらい、走る。

象徴的なシーンなので必要な描写なのですが、

あたし、仕事中にあんなに走ったら、すぐに早退します。


2017年映画鑑賞 160本目


次回予告、『コノヤロー!バカヤロー!』なあの映画です(笑)

◆overview◆


・原題:Hidden Figures 2016年アメリカ公開
・上映時間:127分

・監督:セオドア・メルフィ
代表作:『ジーサンズ はじめての強盗』『ヴィンセントが教えてくれたこと』

・脚本:セオドア・メルフィ アリソン・シュローダー
     
・メイン・キャスト
タラジ・P・ヘンソン
オクタビア・スペンサー
ジャネール・モネイ
ケビン・コスナー

2017/07/30

映画_V/H/S 三部作 感想 (評価/★:4)~あぅ、ごめん ごめんよぅ、ごめんよぅ、ごめん~【映画レビュー】



はじめに。


ご機嫌いかがですか?デスキャンサー文月です。

またやって来てしまいました。
(注意:まだ本編ではありません)


というのも、2017/7/28公開 トム・クルーズ主演最新作
『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』を鑑賞したからです。

・予告編

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』本予告

2017年夏。ユニバーサル・スタジオの礎を築く神々とモンスターの世界、その新たなる幕開け。 スリル満点の世界観へ見る者を誘うアクション・アドベンチャー超大作『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』7月28日(金)公開! ...


◆ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 感想◆


評価/オススメ:★


いつもならば、あらすじや作品情報をご紹介するのですが・・・・・・・

銀魂 デスキャンサー


個人的には、鑑賞後にこんな感じになってしまいました。

こんなワタクシのブログですが、感想を書いて欲しいと本当にありがたいお声を頂いて
冗談ではなく感涙にむせんでしまったのですが・・・・・・

がっかりだよ!!!

もっと言うと、

「絶望した!!!」

さよなら絶望先生 糸色望



何がダークユニバースですか・・・・・
ジャック・リーチャーシリーズといい、最近のトム・クルーズ作品は
トムの知名度だけでシリーズ化して儲けようという魂胆なのですかね・・・・

決してトム・クルーズのせいではないのです。
(なんせ、トップガンは文月の永遠のバイブルですから)

これって、日本でもイケメンタレントでドラマ作れば内容はともあれ視聴率稼げるんじゃねー的なノリと全く同じかと。
(だからワタクシは日本のドラマはほとんど観ないのですけど)

おっ、と食指が動きそうになる面白い設定やキャラクター。
それが本作ではほとんど活かされることなく、呪われた王女様とトムの個人的な対決みたいな流れに・・・

他所でやってくれ、

もしくは「だったら仲間とか登場させなくていいじゃん」と。

じゃあ、なんですか、スタンドアロンでも何でもござれジェイソン・ボーンと対決させとけばいいじゃん。

むしろ、『ジェイソン・ボーン/呪われた砂漠の王女』とでもすればいいじゃんと・・・・

リメイク元の「ミイラ再生」(1932年)は当時としては傑作だったでしょうし、ボリス・カーロフの圧倒的な存在感は言わずもがな。

でも今作、そんな人のかけらも出ていません。

ストーリーも、仕掛けも、どこかのゲームや映画で観たことがあるものと目の肥えた方ならピンとくるはずです。

つまり、面白そうなネタをかき集めたキメラみたいな映画です。

いや、使えるアイデアはどんどん用いても構わないんですよ。
それはわたしたちの普段の仕事でも同じです。
でもなぁ、なんだろうな、この中途半端感。。。。

ということで、

販促品や公式サイト、ポスターなんかに「トム・クルーズ史上最高作品」とか書いたコピーライターか、もしくは配給会社の担当者の方へ告げます↓↓↓


ぶべら



トム・クルーズに失礼です。


そんな希望を打ち砕かれたワタクシ文月は、最近未鑑賞の旧作のPOV、モキュメンタリー映画をたくさん観ています。ザ・マミーの帰りにレンタルショップで借りた作品を今回ご紹介しようと思います。

これからご紹介するものは
あ、ホラー映画です。そして新作でもありません。ご注意ください。
旧作で、結構叩かれているもの(≒賛否両論)ですが、個人的にはツボでした。

だって、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』より何倍も面白かったんだもん!!!!
(あ、でも吹替では森川智之さん、中村悠一さん、沢城みゆきさん、山路和弘さんと豪華で素敵な方々が当ててらっしゃるみたいです!!それは観たい!!ワタクシ、字幕でしたから。逆に言えば、それだけですが(汗))

立て続けに全部観てしまいました・・・・


という訳で、本編。


配給会社の方、

あぅ、ごめん ごめんよぅ、ごめんよぅ、ごめん

映画 ムカデ人間

※出典:カルト的名作「ムカデ人間」より。
こういうのを史上最高とか言うんだよ・・・


◆V/H/S  三部作 鑑賞◆


・V/H/S シンドローム
評価/オススメ:★★★☆☆

・V/H/S ネクストレベル
評価/オススメ:★★★★★

・V/H/S ファイナル・インパクト
評価/オススメ:★★☆☆☆

総合評価/オススメ:★★★★☆
V/H/S ネクストレベルが牽引


◆synopsis◆


・V/H/S シンドローム


・V/H/S ネクストレベル

・V/H/S ファイナル・インパクト


◆comment◆


粗いけど、面白い。マジです。
この映画を3本一緒にご紹介できる理由は、
大枠の物語、設定は完全に無視して構わないからです。

いわゆるファウンド・フッテージ形式の映画で、
もっと解りやすく言いますと、

ジャンルもモチーフもバラバラのオムニバス形式の短編が詰まった作品なのです。

1話完結型。
そして、観る側にほとんど解説や説明なんてなしに、ぶっ込んできます!!!!

素敵です。

作品全体の解説としては、日本でもおなじみ呪いのビデオ系であり、
大枠の物語の主人公たちはひょんなことから、山のようなVHSビデオを発見。

主人公たちは訳の分からない恐怖映像の数々に戦慄していく、
あるいは観ているワタクシたちは衝撃≒笑撃の展開にワラワラしていく。

手ブレはヒドイし、よく目を凝らさないと見えないし、意味が解らない、なんて
声がレビューでも上がっています。

でも、これって、製作陣がある狙いのもとに演出しているだけです。

それは取りも直さず「素人が偶然(あるいは意図的に)撮った」というものです。

この映画って、各話(という言い方をしますが(笑))
それぞれ別の監督が撮影しています。
それもその筋では気鋭の方だったり。
彼らも低予算の中で、実験的に創りたい作品をテストしているようなものでして。

それだから、当たりハズレ、好き嫌い、そんなものは気にしないで、自由過ぎるくらい自由に作っています

本シリーズはそんなテイストが違う遊びたっぷりなオムニバスを楽しむ作品です。

ただし、全部を解説すると日が暮れてしまう・・・・
そんなこともあり、今回は各話を極力余計な言葉を排してご紹介、
個人評価を列挙したいと思います。

※補足
作中では流れで各話が流れていきます。
よって、これから記事にする各話のタイトルは公式サイトに準拠ていますが、
劇中明確に紹介されることはありません。
原則テープが切り替わる時、それが次話への切り替りを意味しています。

<V/H/S シンドローム>

映画 V/H/S シンドローム

記念すべき1作目。
R指定されています。グロいからではなく、エッチィからです(笑)

総評:荒削りだけど、面白い話はありました。
ただし、最終話でミエミエの特殊効果使っちゃったのはだめ。
あれなきゃ、良かったのになぁ。


●各話紹介

『TAPE56』
導入です。今回の主役たちのご紹介と、あの館への道のり。
ちょっと長いかなぁ。


『AMATEUR NIGHT』
・評価/オススメ:★★★★★
・下心丸出しの若者たちが夜の酒場でお持ち帰りしたのは・・・・・・
ちょっと展開がダルいのですが、悪魔の純愛(笑)心に撃ち抜かれることでしょう


『SECOND HONEYMOON』
・評価/オススメ:★★★☆☆
・録画されたビデオは新婚旅行に出かけたふたりのラブラブ旅行記となるはずでした。
でもちょっと治安の悪い街に泊まった夜に、ドアをノックする音がして・・・・
つーか、お前らなんで結婚したの!?
まさに外道!!!


『TUESDAY THE 17TH』
・評価/オススメ:★★★☆☆
・4人の若者たちが遊びに行ったとある湖畔。
その湖畔に面した森では過去に凄惨な事件があったそうな・・・・
こ、光学迷彩!?!?!?!?
つーか、このゲームどこで売ってるの?


『THE SICK THING THAT HAPPENED TO EMILY WHEN SHE WAS YOUNGER』
・評価/オススメ:★★★☆☆
・遠距離恋愛中のカップル。ビデオチャットの会話をよく聞くと、彼女は最近変な物音に悩まされているらしい。そして腕には謎のコブが・・・・
つーか、どうやったらそういうものを気づかれずに身体に入れられんの????


『10/31/98』
・評価/オススメ:★★☆☆☆
・ハロウィンパーティーに行った先で繰り広げられていたのは、別のパーティだった。
変な正義感が仇となったパーリーピーポーフィーバー。
だから、おまえらは何度も引き返すなって!!!!


<V/H/S ネクストレベル>

映画 V/H/S ネクストレベル


前作の反省(笑)踏まえた続編。

総評:この三部作の中でネクストレベルが
一番洗練されており、面白く、エグい。
これからこの作品を観られる方は、ネクストレベルを最初に観たほうがいいですな。


●各話紹介

『TAPE 49』
おなじみの導入です。
今回の主役は探偵の二人組。
助手のお姉さんが異常に可愛いのです。


『PHASE 1 CLINICAL TRIALS』
・評価/オススメ:★★☆☆☆
・最近、ネットの記事で義眼にカメラを埋め込んだ人の話題を見ました。

ネタとしてはそれです。カメラを目に埋め込んだことで、「わたしにも敵が見える!」となった男のお話。
何このあり得ない言い寄られ方(汗)


『A RIDE IN THE PARK』
・評価/オススメ:★★★★★
・山道をマウンテンバイクで楽しく走っていると、フラフラ歩く人が。
助けようとするが、様子がおかしい・・・・
そうですゾンビです。
キャンプ場に向かうけど、お前らあとは察せよ!!!!
という作品。
ヘッドショットを喰らうまでがゾンビです。

『SAFE HAVEN』
・評価/オススメ:★★★★★★★★★★!!!!
・個人的には本作の中で一番イカれている作品。
あるカルト教団の施設に取材に出かけたクルーたちは、狂気に満ちた状況に陥ることになる。
ホラー版の「サクラメント 死の楽園」と言えば察しがつく方もいらっしゃる。
ま、クルーたちもゲス(笑)だったしな!
リアル北斗の拳が一瞬観られるのも魅力。
あ、あべし!!

映画 V/H/S ネクストレベル

ぱぱぁ。

もう一度言う、

ぱぱぁ。

『SLUMBER PARTY ALIEN ABDUCTION』
・評価/オススメ:★☆☆☆☆
・笑撃の問題作。ぱぱぁにやられた後のお口直し程度の作品。
ドッキリクルーみたいな動きじゃなくて、「彼ら」ももっと普通に動くと思うよ。
だから何度でも言う!さっさと逃げろって!!


<V/H/S ファイナル・インパクト>

映画 V/H/S ファイナルイベント


調子に乗って製作したとしか思えない作品。

総評:ネットで大部分の方がレビューされているように、
別に観なくても良い作品。
(この作品だけ、ネットの配信もないようだし(汗))

ただここまで観てしまったワタクシとしては、最後まで付き合うという
劇中の主人公たちと同じ気持ちになっているのでした・・・・


●各話紹介

『Vicious Circles』
おなじみの導入。今回の主人公にはまったく同情の余地はありません。
ただし、彼女どうやって誘拐されたの?!?!!?


『Dante The Great』
・評価/オススメ:★☆☆☆☆
・いきなりこれかい・・・・とちょっと萎える方もいるかもしれない。
ある売れっ子マジシャンの秘密。
このドクター・ストレンジもどきがっ(笑)


『Parallel Monsters』
・評価/オススメ:★★★★☆
これだけは面白い(笑)平行世界への扉を開けてしまったある男の発明。
そこにはなんと「あちら側」の自分が立っていた・・・・
驚きのまま、好奇心からお互いの世界を見て回ることにしたのだが・・・・

おっきしちゃったぞ!が洒落にならない展開に笑撃の最後。
うーん、美味しかった。

どこの世界でも、奥様を怒らせてはいけません。


『Bonestorm』
・評価/オススメ:★★★☆☆
・スケボーでクールなビデオを撮影したかっただけの若者たち。
メキシコのとある場所で撮影を試みたのだが、妙な格好をした女に声をかけられて・・・・
後半はただのアクションゲームです。
ある意味クールな撮影できたじゃん(笑)
でも、あの女やあの連中の出で立ちに少し期待したワタクシが馬鹿だった!!


いかがだったでしょうか?もしも最近の大作に少々食傷気味だというそこのアナタ。
旧作探訪の度に出かけられるのも一興かと思います。

あぁ、まだ観ていない映画たくさんあるなぁ。


銀魂 ホーリーキャンサー


またお会いしましょう。

2017年映画鑑賞 136~138本目

◆overview◆


・原題:V/H/S
2013年公開
・上映時間:116分

・監督:   
アダム・ウィンガード
デヴィッド・ブルックナー
タイ・ウェスト
グレン・マクエイド
ジョー・スワンバーグ
レイディオ・サイレンス


・原題:V/H/S 2
2013年公開
・上映時間:96分

・監督:   
サイモン・バレット,
アダム・ウィンガード,
エドゥアルド・サンチェス
グレッグ・ヘイル,
ギャレス・エヴァンス,
ジェイソン・アイズナー


・原題:V/H/S: VIRAL
2014年公開
・上映時間:82分

・監督:   
マルセル・サーミエント
グレッグ・ビショップ
ナチョ・ビガロンド
ジャスティン・ベンソン
アーロン・ムーアヘッド

2017/07/15

映画_パワーレンジャー 感想(評価/★:3) ~ワンチャンス、ありますよね?~【映画レビュー】

『パワーレンジャー』予告編1

日本生まれ・アメリカ育ち。 ヒーロー映画全盛期に新たに名乗りを上げた5人の戦士が、 ついにその姿を現す――。

映画 パワーレンジャー  Power Rangers 


◆パワーレンジャー 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★
(いい話ではあるんです!!!!)

◆synopsis◆


遡ること時は紀元前。
古代の地球で世界の運命を決する、大きな闘いが終焉を迎えていた。
ある5人の戦士たちによって守られた地球。
そこにはやがて新しい命が芽生え、物語は現代に帰ってくる。

小さな町・エンジェル・グローブに、普通に暮らす若者たちがいた。
ジェイソン、キンバリー、ビリー、トリニー、ザック。ありふれた日々を過ごす彼ら5人は、
偶然にも同じ時間・同じ場所で不思議なコインを手にし、超人的なパワーを与えられる。

自分たちの力に困惑する彼らの前に現れたのは、
かつて世界を守っていた5人の戦士=“パワーレンジャー”の一人・ゾードンと、機械生命体・アルファ5。
古代の地球で封印された悪の戦士=リタ・レパルサが蘇り、
再び世界を滅ぼそうとしていること、そして彼ら5人はその脅威に立ち向かうべくコインに選ばれた、
新たな“パワーレンジャー”であることが明かされる。

しかし、自らの運命を受け入れられない彼らは、まだその秘めたる力を解放できずにいた。
地球に残された時間はあとわずか。果たして彼ら普通の高校生に、
この世界を救うことができるのか?
世界が、そして仲間たちが危機にさらされた時、ついに“その力”が目覚める。

※公式HPより

◆comment◆


ずいぶんと気前の良い第一話・・・・
またもや『始まりの物語』・・・・

吹き替えに杉田さんが参加している、ただそれだけの理由で字幕版の後で吹き替え版を観てしまった。(水樹さん、三上さん、沢城さんももちろん)

ご存じの方が大半だと思いますが、日本発のヒーロー戦隊をアメリカで
リメイクしているのが本作の下地となるMighty Morphin Power Rangersです。

ゴジラにしろ本作にしろ、ハリウッドリメイクというのはある種のギャンブル。
(ドラ○ンボールの事言うなよ!!ゼッタイだ!聖闘○星矢のことまだ触れるなよ!!)
俳優さんも、吹替え陣も豪華、宣伝も派手・・・・嫌な予感だ。
と個人的にはハラハラしていたのですが・・・・

もの凄くコテコテの爽やか青春ドラマでした。

とは言え、本作は個人的には非常に困りものです・・・
何が困るかというと、特に真新しい発想のストーリーでも、設定でもないのです。。。
あ、これLIFEの回でも書きましたね・・・

こういう一見派手だけど、実はスタンダードな作品を人にオススメするのって難しいかもと
何も難しく考えず、ストーリー単体とした場合には間違いなく「いい話ねぇ」と思われることは多いでしょうけど、好みが激しく別れそうな気がしないでもない。

本作にド派手なアクションを求めた方には、本当に終盤までオアズケをされるでしょうし、若者の爽やかなラブストーリーとも言えない。それっぽぉい、甘酸っぱさは感じますけど(笑)

まったくもって偶然に、ある日突然超人的な能力を手に入れてしまい、それに戸惑いながらもそういう運命と向き合う・・・ヒーローものそのまんまのお話です。
けっこう無理矢理使命を押し付けられた感を受けましたけどね(汗)

等身大の自分と向き合うという一番多感な時期を迎えている彼らが主人公だからこそ、爽やかさが絵面から失われない仕上がりになっています。

そういう意味で「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」とものの見事にトーンが対照的ですよ!!!

MARVELやDCヒーローとは一線を画しているところは取りも直さず「日本のヒーロー」が元になっているからで、そこが過度にアメリカナイズされていないところは、ワタシ達も安心して観ていられますし、それなりに熱い想いを抱いてしまうのです。

本作では「普通の少年少女たちがヒーローになるまで」のドラマが重厚すぎるくらい重厚に展開していきます。

ドラマパート8:戦闘2ぐらいの配分です。

不思議なことに飽きませんでした。
むしろ、ドラマパートだけ連続ドラマとして放送して欲しい。

あぁ、いいなぁ、、、なんて思ってしまったり(笑)

パワーレンジャーとして平和を守るための戦いは、本当にクライマックスでしか描かれない。
プロセスを大切にした丁寧な物語。

あぁ、なんとかお伝えできる表現を書けたのかも知れないです♫

それでも「あのテーマ曲」が流れた瞬間には興奮しましたよ!!!
オアズケをされていた事も相まっていたんでしょうけど。

オレたちの戦いは今始まったばかりだ!
君も後楽園遊園地で僕と握手(激しく古っ!!)

そんなぶん回し方でお話は纏められています。

これはゼッタイ、もうワンチャンス、ありますよね?
と言いたくなる。

というより、狙っているのでしょう。

王道は結局受け入れられやすいのですね。

結果、なんやかんやでワタクシも不思議な充実感を覚えたままで劇場を後にできました。

そういう訳で吹き替え版も完全に狙ってます!
細かいことを書くと良くないので控えますが、吹替版になった途端に「完全に日本のヒーロー戦隊」になっちゃう。いいですな。

個人的にはワタクシはイエローのベッキー・G嬢(CV:水樹さん)の爽やかなお色気にメッタメタにされてしまいました。
彼女の本業の方の曲買っちゃうんだから!!!!

そういう訳で、謎の高揚感を味わいたい方には是非ご覧いただきたいです。

そうそう。大人も子供も十分楽しめます♫

2017年映画鑑賞 122本目

◆overview◆


・原題:Power Rangers
・2017年公開
・上映時間:124分

・監督:ディーン・イズラライト
・脚本:ジョン・ゲイティンズ

・メイン・キャスト
デイカー・モンゴメリー
ナオミ・スコット
RJ・サイラー
ベッキー・G
ルディ・リン
エリザベス・バンクス
ブライアン・クランストン
ビル・ヘイダー
デビッド・デンマン



2017/07/07

映画_ジョン・ウィック: チャプター2 感想(評価/★:5!!!) ~全てに背きし者~【映画レビュー】

映画『ジョン・ウィック:チャプター2』日本版予告編2

本編は2017年2月10日に全米公開予定です。 Movie Express Twitter公式アカウント https://twitter.com/realMovieExp

映画 ジョン・ウィック: チャプター2 キアヌ・リーブス

◆ジョン・ウィック: チャプター2 感想◆


評価/オススメ:★★★★★★★★★★!!!!!
(もっとあげたい)

◆synopsis◆


伝説の殺し屋ジョン・ウィックによる壮絶な復讐劇から5日後
彼のもとにイタリアン・マフィアのサンティーノが姉殺しの依頼にやって来る。
しかし、平穏な隠居生活を望むジョンは彼の依頼を一蹴した。
サンティーノはジョンの思い出の詰まった家を無残にも破壊。
一命をとりとめたジョンはサンティーノへの復讐を決意。
生命の危険を感じたサンティーノはジョンに膨大な懸賞金をかける。
世界中の殺し屋の標的となったジョンのたったひとりの戦いが始まる。

※公式HPより
※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正

◆comment◆


皆様、2017年7月のエンタテイメント作品はジョン・ウィックで決まりです。
特にアクション好きの皆様は叫びながら海にでもダイブしたくなるぐらい、興奮すること間違いなしです!!!!



2017年7月7日本日から公開です。


予告編はドラマチックすぎる繋ぎ方が本編への導入としてはちょっと。
展開は激しくももっと静謐な感じです。
この予告編は予告編として好きなんだけど。。。。


あぁ、しかし劇場から出ても興奮で指の震えがとまらない。。。。
キーボードがうまく打てない。
誤字脱字は興奮状態で書いている人間だということで、ご勘弁を(涙)
あとで見直しますので(汗)
アドレナリン全開です。。。。


さて、これ嬉しい意味で困ったぞ。
説明しなくても、お好きな方には不要ですな。
監督、脚本、製作総指揮にお名前を連ねている方の経歴はこの方面の映画を作るのに何の違和感も感じません。公式サイトにも書かれていましたが、キアヌとは既にマトリックスリローデットやレボリューションズでも絡んでいて気心が知れた仲です。
デビット・リーチは『デッドプール』の続編の監督も務めます。

主演は(本シリーズで復活とか書かれて良かったね)キアヌ・リーブス。
宿敵を演じるのは「野良犬たちの掟」や近年だと「二つ星の料理人」でも好演のリッカルド・スカマルチョ(舌噛みますね)
殺しの世界の掟の王、コンチネンタルホテルの支配人にはイアン・マクシェーン。
コンチネンタルホテルの忠実なる案内人にランス・レディック
(個人的にはランス・レディックのお上品さに撃沈)
ジョンを付け狙うことになるキャラが見事に対照的なライバルにコモンとルビー・ローズ。
コモンは『スーサイド・スクワッド』でもいい味出ていましたが、本作ではジョンと互角に渡り合う名シーンを演じます。特に地下鉄のシーンは必見。
本作のクワイエット(笑)ルビー・ローズ。その辺の殺し屋顔負けの華麗な技でジョンを追跡します。言葉を発しない彼女のハンドガンもサイレント。
どうでもいいですが、ルビー・ローズさんの出で立ちは、どう見てもSNKの名作格闘ゲームであるKOFのキングです(余談)

そして忘れてはいけないモーフィアス、ローレンス・フィッシュバーン。
ジョンとはなにやら因縁がある仲。
殺し屋の世界も複雑だと教えてくれます。
本作でもバリバリ預言者です(笑)

さて、本題に・・・
この物語に関しては、複雑な伏線もトリックもどんでん返しもございません。
そういう余計なものはオッカムがカミソリできれーいに剃り上げてしまっています。
だから身構えずにスクリーンを見つめてください。

物語は前作の終了直後から始まります。
というか、オープニングのこの導入までが前作「ジョン・ウィック」だったんですね。
そういう訳で予備知識として入れておくのは「前作」だけで良いのです。
そのあたりは親切過ぎる。

映画好きの方には鑑識のような目をお持ちの方も多数いらっしゃいますので、ワンカットワンカットの意味や配置された家具、調度品、BGMに至るまで丸裸にするみたいにすることで無常の喜びを得る(もちろんわたしもそうですが)という楽しみ方もございますが、本作に関してはそうしたものは物語の装飾品でしかございません。

なぜか???
というのも、ストーリーはジョン・ウィックにとってそれほど重要ではないのです。
ジョンという伝説の殺し屋がいかに戦うのか?
いかに魅せるのか?
そうした状況をわたしたちは追うのです。
つまり『ジョン・ウィックという世界』それ自体が物言わぬ物語そのものなのです。
この感覚は戦闘がシステマティック過ぎているが故に、あたかも物語ではなくミュージックビデオでも観ているような錯覚すら呼び起こします。
1作目も本作もその太い柱だけは背骨としてしっかりと建っていて、一切ブレていません。

だから
本作は考えるのでも、感じるのでもなく、
ひたすら『観る≒魅る』映画なのです。

研ぎ澄まされた現代の演舞、所作。

一切の躊躇いなどない急所への攻撃。
撃つ、捌く、仕上げる、次の標的へ。
アクション映画にありがちな目まぐるしくアングルを変えるようなことはありません。
カメラワークはあくまでも静か。派手な戦闘BGMもございません。
本当のプロフェッショナルにとっては戦闘とは飾るものではなく、ルーティンワークなのです。(このあたりはゴルゴ13にも通じますね)
だから製作側がカメラをぶん回してしまうと、途端に安っぽくなる。
なるほどなぁと。
この作品の「生々しさ」ってこの演出によって昇華しているんだよなぁ。
この感覚を味わうとマトリックスとかもう見れないなぁ。
飾らないことが、かえってジョンの壮絶さを際立たせ、超人的な戦闘能力を私たちに示してくれます。

小気味良すぎる攻防の連続。気がつけば死屍累々。
連続しているくせに、ひとり捌く度に「おったどー」と聞こえんばかりの高揚感。
そして銃撃はあくまでセミオート、そしてメインアームはハンドガン
これで萌えないのは男の子ではありません。
これ、、、、TPSやFPSが個人的に好きだからだけど、ヒットマークとか獲得経験値と連続キルメダルがチラついてしまうのですよねΣ(´∀`;)
どこのプロゲーマーが操作してんだと。
あのぉ、手元カメラ見せてください。
エイムbot使ってませんか?
戦闘終了後のラウンドクリア感が満載なのもいけないですよ。。。

だから1作目についてもストーリーが単純だとか、入り込めないとかいうレビューもございましたが、それは製作側がどこに力点を置いてこの映画を作ったのかが違っていただけなのです。
本作では調度品は装飾でしかないと先程は書きましたが、この作品の叙情性を最大限に高めるために、用いられる全てのアイテム、全ての場所、全ての脇役の方は配置されています。

これほど明確な意図のもとで一貫して構築された世界観。
現代を描いているはずであるのに感じる強烈な異世界感。
(もしかしたら、ジョン・ウィックの世界ってマトリックスのひとつなんじゃないの?とかいう幻想を抱くわたしはどうかしている!!!!)

そういう意味で作品を追っていくと、体内の水分が全て口から出ちゃうくらい垂涎ものの
シーンしかありません。製作側のこだわりは執念と表現しても過言ではないぐらい恐ろしいものがあります。

ひとつひとつの乗り物も、衣服も、文房具も、調度品も、舞台も、もちろん武器も言葉ですら・・・・何度も見直して視覚的に「愛でる」あるいは質感や手触りすら感じたくなる。
そんな作品です。

ストーリーではなく、彼らの住む世界(ニューヨークなんだけど、私たちがイメージするニューヨークは一切出てこないしなぁ。見慣れたものですらファンタジーに感じるもんなぁ。出演者が持っているイメージが強すぎるのかも)に入り込むことができれば、
ジョン・ウィックという作品は観ている側にとって無常のものとなるでしょう。

この感覚は「キングスマン」では感じなかったなぁ。
あれも大好きなんだけど、あっちの方が『マトリクス』寄りに感じたものなぁ。
キングスマンは世界を作っているというより、アクションにドレスを被せたようなものだもんなぁ。

ワタクシは即テーラードスーツを作りたくなりました。。。
もちろん黒の。

Q「裏地はどうなさいますか?」
A「戦闘用で」
※世界でジョン・ウィックだけが似合う台詞ですな。。。。

ところで、ジョンの勝負服が黒であることは暴力の象徴で、もっぱら戦いは夜間であることもその後ろ暗さを表現していると考えたのはワタクシだけでしょうか。

また、これは小説でも言えることですが見せ場や美味しいところを観客、読み手に媚びるように説明していないところは本当に個人的に好きな構成です。
用語集なんかも公式サイトにないし。それも良し。
ディテールって創り手が『表現する』ものであって「実はこの話のこれって、こういうことなんですけど解りますか?」なんて過剰に教えてあげようとする姿勢は物語をメタボにしてしまう危険性があるものです。
そういう方のお話は、映画でも小説でも、ワタクシはパスかなぁ。

ルール、秩序、掟、というワード
社会を構成するためには必須ではあるけど、反面人を縛り付ける鎖としてこのワードは散りばめられていて、強烈なメッセージとしてあげられます。

現代のこの世の中で『自由であること』とはどういうことなのか?
どれほど有能であっても『システム』に組み込まれることでした人は生きていけないのか?

『システム』に組み込まれることで得られる安心感。みんな感じてますよね?
その恐ろしさ。。。。。

ジョン・ウィックも、そして新しい相棒として存在感があるワンちゃんも、自由に生きることの答えをこれから出さないといけません。
ここまで来ると、あのワンちゃんがジョンの元に来た経緯にもこの作品のメッセージが感じられる。。。なるほど。

ただ、終盤のシーンで「すべての目がお前を見ている」という重要な演出があるのですが、アメリカのそして今の世の中のあり方、個人の自由の危うさ≒国家による『自由の保障』と代償としての『管理』の有様が、痛烈な皮肉として表現されているのには脱帽です。

あぁ、そうか、結局ジョン・ウィックの世界とは今のアメリカ(まわりまわって日本も)なんだ、と。
そうした皮肉たっぷりに異世界として世界を作り上げたこの作品は、実はとんでもなく深いのだなぁ。

ラストシーン。
彼らの背中からは哀しさ(悲しさではない)とともに、本当の戦いを始めるという闘志を垣間見れます。
(でもこれアメリカとか、国家、社会のあり方を皮肉ってるんだろうなぁ。下手なディストピア映画よりズシンと来るなぁ)

この映画は四の五の言わずにご覧になることが最も楽しめます。
まずはご覧になった上で、この叙情的で官能的な世界に浸ってみてください。
きっとそこは新しい『マトリックス』の世界(笑)です。

2017年映画鑑賞 114本目

◆◇番外編◇◆


明日からできるサラリーマンがジョン・ウィックになるための5つの方法

①仕事は必死に習得すること。芸術になるまで自分の仕事を高め続けよう。
②そうして仕事はできても、無駄口は叩かず、自慢もするな。仕事は背中でするもの。
③言い訳ではなく、YESとNOは誰に対してもハッキリ言うこと。
④この3つができれば自然と「自分の流儀」を確立できるはず。確立させよう。
⑤「自分に相応しい格好」をしよう。キーワードは統一感。

Lifehackerあたりが書きそうなので(笑)今回は先手を打ってみました。

◆overview◆

・原題:John Wick: Chapter 2
・2017年公開
・上映時間:122分
・監督:チャド・スタエルスキ
代表作:『ジョン・ウィック』
・脚本:デレク・コルスタッド
・製作総指揮:デビット・リーチ

<メイン・キャスト>
キアヌ・リーブス
イアン・マクシェーン
ローレンス・フィッシュバーン
リッカルド・スカマルチョ  
ジョン・レグイザモ
フランコ・ネロ
ルビー・ローズ
コモン
ランス・レディック

2017/06/01

映画_LOGAN / ローガン 感想 (評価/★:5)~ああ、気になさらないでください。多少時間が たったパンでも湯気をあてると、けっこうおいしく食べれるものです。~【映画レビュー】

映画「LOGAN/ローガン」インターナショナル版予告(字幕版)

映画『LOGAN/ローガン』公式アカウント。 見届けよ、ヒュー・ジャックマンが全身全霊で演じる"最後"のウルヴァリン 孤高のヒーローの集大成として体現される誰も見たことのない"生身の人間"ローガンの魂の叫び! 【2017年6月1日(木)全国ロードショー】 ▼公式Facebookページ https://www.facebook.com/WolverineJP/ ▼公式Twitter ...

映画 ローガン LOGAN ヒュー・ジャックマン


◆LOGAN/ローガン 感想◆


評価/オススメ:★★★★★

文月的採点:(45/50点)

◆synopsis◆


ミュータントの大半が死滅した2029年。
長年の激闘で疲弊してしまい、生きる目的も失ったローガンはアメリカとメキシコの国境付近で雇われリムジン運転手としてひっそりと働いていた。
X-menであったことを隠し、自分とも向き合うことを拒むローガン。

しかし期せずして起こしてしまった事件により、ある組織に存在を知られてしまう。

そしてローガンの前にガブリエラと名乗る女性が現れる。
彼女はローラという謎めいた少女をノースダコタまで連れて行ってほしいと頼んできた。
組織に追われているローラを図らずも保護することになったローガンは、チャールズを伴い3人で逃避行を繰り広げることになるのだった・・・

◆summary◆

本日2017/6/1公開です。
さすがに注目されていただけあって、公開前だというのに
結構な情報量で作品についての言及があった本作。
(お幸せな試写会組の方などもいらっしゃいますから)

ワタクシとしては未鑑賞の映画については可能な限り公式サイトや特集記事やスタッフなどのインタビュー記事だけを見て作品に臨むのが好きなので、毎度いろいろな方のレビューを見たい衝動を必死に抑えています。

本作については劇場に運ぶ直前に見た出演者のインタビュー記事が『LOGAN/ローガン』を理解するのにドンピシャにハマったのと、ワタクシが個人的に刷り込まれている
ある宿命的な(笑)ものの見方(偏見、偏愛)が鑑賞直後から頭を巡っております。

これからようやくいろいろな方のレビューを見させてもらいます。
おそらく読ませていただくほどに、ワタクシの宿命的(笑)な理解の偏りを感じることだと思います(後述)

本作を理解するのにワタクシはこの作品を参考に致しました。

クリント・イーストウッド監督主演『許されざる者』(1992年)です。
映画 許されざる者 クリント・イーストウッド

ヒュー・ジャックマンの本作のビジュアルが恐ろしいくらい『許されざる者』のクリント・イーストウッドとダブりました。

解説にネタバレに繋がるものがありますが、もうウィキペディアにすらストーリーの核心が書かれている状況で・・・・(2017/6/1現在)

ですのでワタクシとしては、詳細には触れない形で作品を通して見えてきたものを書かせてもらおうと思います。

◆comment◆


え?X-MENがロードムービー?
と、簡単に思ったワタクシは
このお話をキチンと解っていなかったのです。

すごくいいんですよ!!
繰り返します!!
すごくいいんですよ!!!
素敵な映画なんです!!!!
でも・・・・
さぁて困ったぞ・・・・というのが、劇場から外へ出たときの印象でした。
うんうん悩んでしまったんですよ、実は。
ストーリの奥に一体何があるのか??と。

前述しましたが『許されざる者』からヒントを得て、ワタクシなりにこのお話を消化できたのではないかと考えます。

『許されざる者』については、こちらの記事に掲載されていたヒュー・ジャックマンのコメントのお陰でたどり着くことができました。


(↑↑ORIVERcinemaより:記事を書かれたTakatoshi Inagaki様、本当にありがとうございました。)
※映画に出てきたのは違う話やんけと既に本編をご覧になってからこちらに来て頂いた方、すみません。
そちらについてはあとで書きますから。

長いので珍しく区切ります。

本作のあらすじなどは公式サイトや他の方のレビューに譲ります。

①はじめに

まずひとつ、映画をまだご覧になっていない方にご案内です。
これまでの「X-MEN」のノリで観てしまうとガッカリされますよ、きっと。
それにスーパーヒーロー万歳の「アベンジャーズ」とも、個人的には最高の「デッドプール」なんかとも同じ感覚ではこの作品は観られません。
DC作品になりますが「ダークナイト」とも「バットマンVSスーパーマン」ですら、この際違うと言ってしまいます。

ダークという形容詞では本作は捉えられません。

LOGAN/ローガン』は『かつてヒーローだった』ひとりの男による血生臭く、無骨で、不器用な生き様を描いた作品です。
そしてヒーローですら所詮は虚構に過ぎないと『本作』のウルヴァリンの姿を通して痛烈に表現しています。
それでも、それでも、紡がれるもの、受け継がれていくものを護ろうとする
『ひとつの時代の生き残りたち』の葛藤と決別がテーマです。

②『LOGAN/ローガン』を堪能するために

ヒュー・ジャックマンがインタビューで答えた『許されざる者』への言及。
お陰でなるほどと腑に落ちました。

『許されざる者』MovieWalker様の記事。
ちなみに予告編(英語版です)


LOGAN/ローガン』の根源的な部分は、確かに『許されざる者』を通して紐解いていけそうです。

<『許されざる者』ストーリー>
 
 主人公のビルはかつて冷酷な無法者でした。しかし最後に人殺しをしたのは11年前であり、現在は幼い子どもと貧しい生活をしています。

 体力もないし、勘も衰えている、今では馬にも満足に乗れない(この辺は劇中何度も転ぶシーンが象徴しています)、そして全盛期には何の苦もなく扱えたであろう射撃の腕もかなり鈍くなっている(庭での射撃シーンはある意味胸が苦しくなります)

 「名を馳せた無法者」の力を借りようと、賞金首を追うためビルを誘いに来た若い甥っ子であるキッドから、過去について言及された際に感じる苦い思い。
 この辺、劇中にローガンが『ウルヴァリン』の過去について触れられたりコミックにされている自分の虚構を苦々しく感じているところと共通しています。

 それでもビルは「子供の将来のためお金が必要なため」モーガン・フリーマン演じるかつての相棒ネッド・ローガン(奇しくもローガン!!)とともに、娼婦をナイフで傷つけたふたりの賞金首を追うことにします。
 ビルとしてみれば、今の自分を知っているかつての相棒と組むことで、自分の弱点をカバーしたかったのでしょう。
 ただし相棒のネッド・ローガンも、今でも腕には自信があると言っていたものの、いざ賞金首を奇襲した際には抵抗を止めた人間にトドメをさすことを躊躇い、震えてしまいました。

 ビルもネッドも殺した相手に魘されるなど自分の無法者としての血、つまり過去によって深く傷ついているのでした。ただし後悔をしているというより、どうしようもないものだと受け入れて戦っているのです。
 その苦しむ様はものすごく哀しくし、愁しい。

 最初の賞金首を仕留めたのは粋がって殺しを自慢していた(5人殺したと言っていた)甥っ子ではなく、ビルでした。
 居た堪れなくなったネッドは途中でパーティを抜けることにします。
 しかし運悪く捕らわれてしまうネッド。
 彼はジーン・ハックマン演じる(ものすごく好演)保安官らによって激しい拷問を受けてしまいます。

 その間にビルと甥っ子は二人目の賞金首を殺害し、逃走することに成功します。
 じつは甥っ子にとってそれは『初めての殺人』でした。

 期せずしてネッドは同じ日に保安官達に撲殺され、遺体は無残にも酒場の入り口に晒されてしまいます。

 ビルが今の苦しみを内包したまま過去の血を取り戻し、単身保安官達と対峙するきっかけは「許されざる時」を共有した相棒の無残な死だったのです。
 
  保安官が手下とともに残りのふたりを追い詰めると息巻きながら酒を飲んでいるバーにたったひとりで現れたビル。
  静かだが屈強な男どもが凍りつく程の怒り。
 
 そこには時に抗うことを諦めてしまった老人の姿はありませんでした。
 恐れられた冷酷な無法者。容赦など持ち合わせていない「殺し合い」が当たり前に行われていた時代の自分。
 
 そのビルが臨む最後の、そして圧倒的な戦い。
 
 全てが終わった時、ビルの後ろ姿には『己は結局無法者であること』へのどうしようもない哀しみが溢れていたのです。

 保安官のいわば傍若無人な姿は「自分の過去」にも通じていたのでしょう。
 ビルが初めて彼らと出会った際一方的に殴られるのですが、それはビルが「自分の過去」によって傷を抉られていることを意味していることに他なりません。

『許されざる者』とは、かつての冷酷な自分たち(ビルとネッド)であり、粋がって「殺し」を背負ってしまった甥っ子であり、秩序を守ると言いながら街を支配する保安官であり、彼に従ってネッドを殺したり、無法をしていた手下、仲間であり、逆説的に賞金稼ぎに殺しを依頼した娼婦たちであり、黙って見ているしかない民衆であったり、つまりはその時代のモラルでした。(=制作当時のアメリカも暗喩しているのでしょう)


・・・さて、

③オールドマンローガンと『許されざる者』のビル

・ビルはかつては名を馳せた無法者だったが、妻のお陰で改心し今では子供のために生きようとしている(病気で亡くした妻の面影を追う)

・ローガンはミュータント最強の名で知られていたが、現在は老いの影響があり往時の能力が失われつつある。期せずして、自分の遺伝情報を持った”少女”と邂逅してしまう。

 ビルは必要に迫られて賞金首を追うことになりますが、ローガンは状況が飲み込めないままで、なし崩し的に脅威からの逃亡を図ります。
 ローガンが望んでいたのは戦いではなく「世間から離れて静かに安全に暮らせる場所」でしょう。
 ミュータントとしてではなく、X-MENとしてでもなく、ましてや『ウルヴァリン』でもなく、ひとりの「ローガン」として。
静かに普通の市民として暮らしたかったのは『許されざる者』のビルも同じでした。

 しかし、特異な存在であるからこそ世界はそうした者を放っておくことはしないものです。ローガンは『ウルヴァリン』としての自分と否が応でも向き合うことになります。
 それが”少女”である(ここではまだ”娘”ではない)ローズとの出会いであり、自身の過去の象徴として現れた『X-24』でした。(X-24が何であるかはここでは書きません)

 ある意味で親であり、敵であり、友人であったプロフェッサーXはローガンからしてみれば「自身によって」害されてしまったようなものです。

※このあたり、ローズを守ること、プロフェッサーXを守ること、『X-24』を含めて『ウルヴァリン』に追いすがる敵を倒すことはどこまでも「自分の宿命」とローガンを対峙させる構図になっていて、『許されざる者』のビルが過去の亡霊に苦しむ様と重なります。


④『許されざる者』が象徴するもの

『許されざる者』の舞台は1881年です。あの有名なOK牧場の決闘があった年。
ワイルドウェストと呼ばれた西部開拓時代の終焉にあたる年代です。

というのも1890年に入るとアメリカはフロンティアの消滅が唱えられ、またインディアン戦争は集結し、進歩主義時代の幕開けであり、ここから先は帝国主義~世界大戦の時代へと加速していきます。

アウトロー、カウボーイがもはや『記録上のもの』や『伝説』となってしまう寸前です。

本当に冷酷な無法者だったビルの重さと、ファッションとして無法者を演じていた甥のキッド。
『許されざる者』が描くもうひとつの重要な描写はこのふたりの対照的なスタンスです。

 甥っ子のキッドは、賞金を受け取った後で人殺しはもうたくさんだとカウボーイのアイデンティティであるリボルバー(武器)をためらいなくビルに向かって放るんです。
(ビルはこの後で保安官たちと対決するので、銃をよこせと迫ったんですが)
 
 武器を捨てるとは、取りも直さず無法者ではなくいわゆる「一般市民」になるということであり、次の時代にすんなり溶け込んでいくということです。
 誰かの生命を奪うという『殺し』の意味をある種中途半端に捉えていたが故に、実際に人を殺めておきながら目を背け、新たな時代に逃げ込んでしまう。
 彼らにとって武器は簡単に捨てられるものだったという悲しい事実
 というのも、彼ら若者が時を刻んでいく新時代はアメリカという国家がきちんと市民を護ってくれるように機能するからだ。

 自分で自分を護らなくても良くなるから、わざわざ腰からホルスターを下げる必要もないということ。

 皮肉なことに武器を手放した彼らの子供の世代が世界大戦を経験するのだけど。。。。

 一方で『許されざる者』の世代であるビルは、己の筋を通す手段として武器を捨てることはできなかったわけです。
 老いてもなお銃を手に戦うビルの姿が『西部開拓時代』に生きた漢そのものを象徴していたということですね。

 甥のキッドはビルの最後の戦いには同行しません。
 彼は賞金を受取ると、特に惜しむことなくビルと別れるのです。
 旧世代と新世代の呆気ないほどの決別。。。。
 これは監督であるクリント・イーストウッドからの痛烈なメッセージではないでしょうか?


⑤結局のところ『LOGAN/ローガン』とは?
 
ただ、『許されざる者』よりも壮絶なのは『LOGAN/ローガン』なのです。

 「ローガン」ではなく『ウルヴァリン』の遺伝子を受け継いでしまったのがローズ。
残念なことに彼女は『ウルヴァリン』のアイデンティティであるアダマンチウムの爪を捨てることはできないのです。
 それは取りも直さずミュータント最強である『ウルヴァリン』の遺伝子と強力な武器とともに『ミュータントとしての宿命』を背負ったまま新しい時代を生きていくことに他なりません。
 ここが『許されざる者』との最大の相違点ではないでしょうか? 
 
 ワタクシは本作の根源的な部分にはそういうものが流れていると考えました。

 ローガンもプロフェッサーXも『許されざる者』の最後の生き残りとして、辛い宿命を背負うことは目に見えている次世代の子供たちを敢えて護ろうとしたということになるのです。

 銃撃戦に最期までアダマンチウムの爪で立ち向かった『ウルヴァリン』
 どれほど不利だと解っていても、どれほど傷だらけになっても、どれほど無様であっても子供たちに迫る追跡者達の前に立ちはだかるローガンは、老いた『許されざる者』が全生命を賭して挑んだ過去と未来、双方への決別の姿です。
(まったく世界が違うのですが、長坂の戦いの張飛ですなΣ(´∀`;))
    悲しいことに、この時になりようやく「ローガン」は『ウルヴァリン』である自分を取り戻し、そして『父親』であることを受け入れたのです。

 次世代の子供たち、繰り返しますがとりわけローズについては生涯『ウルヴァリンの遺伝子情報を持つ生命体』としての呪縛は解けないことは確実なのに父は子を護ったのです。

 ミュータントの遺伝子、X-MENというイコン達のMEME、SENSEは受け継がれる。

どのようなものでも抗えないもの、老いと死
どのようなものでも抗えない関係、親と子(遺伝子)
どのような形であれ残っていくもの、GENE、MEME、SENSE

ここまで書いてしまうとバレますね。
冒頭で述べた宿命的な理解の偏りとはご存知『メタルギアソリッド』でしたΣ(´∀`;)

小島監督が打ち出した普遍的なテーマと、時代が移り変わるという寂しさと希望。
LOGAN/ローガン』にはそれがある。

『メタルギアソリッド』については小島秀夫監督好きのワタクシにはもはや刷り込まれているようなものですから(汗)これはこれで問題(笑)なんだけど。
『許されざる者』というヒントがなければ、メタルギアメインの記事になっていました。
メタルギアソリッド オールド・スネーク 小島秀夫
この場合にはMGS4を引き合いに出しましたね。

だって、黙っていたけどオールドマンローガンって名前がどうしたってオールドスネークに聞こえるんだもの!!!(もちろんこちらのビジュアルもね)


●番外:劇中で用いられた『シェーン』
 もう数多く方が紹介されていますが、劇中に『シェーン』(1953年)が印象的に用いられています。台詞も引用されています。
映画 シェーン

 有名過ぎるこの映画も、一度銃を手に取るともう逃れられないというメッセージが背景にあって、それは言わずもがな『血の宿命』を暗喩しているのでしょう。

 また『シェーン』が製作された時代を象徴しているのはアメリカの光と影(戦後景気による経済の活性化、ハリウッドの黄金時代と冷戦初期の重大局面である朝鮮戦争というアンバランスさ)だと見ました。
 あえて本作に『シェーン』を用いているのであれば、そういう背景もあるのでは?
 つまり現代のアメリカへの暗喩です。と、まぁ穿った見方をしちゃいました。


で、結局オススメするの?
もちろんYESです。


2017年映画鑑賞 93本目

◆overview◆


・原題:Logan 2017年公開
・上映時間:137分
・監督:ジェームズ・マンゴールド
代表作:「コップランド」(1998年)、近年だと『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)
・脚本:マイケル・グリーン『エイリアン・コヴェナント』『ブレードランナー2049』
    スコット・フランク『マイノリティ・リポート』(2002年)

<メイン・キャスト>
ヒュー・ジャックマン
パトリック・スチュワート
ダフネ・キーン
スティーブン・マーチャント
ボイド・ホルブルック
リチャード・E・グラント



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第7並行世界のユートピア

物語の海に溺れる中で、フレーズ、イメージを繋ぎ合わせて生まれた短いストーリー達を文月陽介が書き留めます。 特定のジャンル、モチーフにこだわらずに、ひとつひとつの物語を紡いでいます。 ※筆者の気まぐれにより不定期更新です。

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