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2018/02/10

映画_クローバーフィールド パラドックス(評価/★:3)ネタバレあり感想~6杯だけじゃ足りない!~【映画レビュー】

THE CLOVERFIELD PARADOX | WATCH NOW | NETFLIX
映画 クローバーフィールドパラドックス 感想 評価 レビュー


◆ クローバーフィールド パラドックス 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(30/50点) 
映画 クローバーフィールドパラドックス 感想 評価 レビュー Netflix

この作品ジャンルは?:SF・スリラー

オススメしたい人は?:シリーズファン…と言いたいけど、ちょっと注意!

印象を一言で?:本作が言いたかったことは「ラストカット」だけです。

グロテスクですか?:いいえ。


◆synopsis◆


枯渇する資源…

地球の深刻なエネルギー危機を解決するため、世界中から集められた宇宙飛行士らによって、国際宇宙ステーションでは次世代エネルギーの実験が行われていた。

だが、肝心なエネルギーの出力が安定せず、ただ時間ばかりが過ぎていった。

試行錯誤の末についにエネルギー安定へのヒントが得られた彼らだったが、地上ではもう世界大戦の一歩手前の状況まで追い込まれていた。

世界中から期待と、同じ量の怒りを向けられている宇宙ステーション。

その中にはエネルギーを発生させる原理そのものが、宇宙の摂理に反しているというものまであった。

注目の中、実験が再開される。

実験は成功したかに見えたのだが…


◆comment◆


Netflix 初体験(無料体験中)の文月陽介です。

やはり利用料金だけで映画が見放題なのはありがたい。

愛用しているAmazonプライムも良いのだが、観られる作品に限りがあるのは難点。

映画業界もバジェットの関係で、配信ベースに切り替えたほうが収益がいいのでしょうね。

アメリカでも制作会社が軒並み映画よりもドラマにシフトしているのもバジェットのジレンマ。

そして回収もしやすいということですな。

動画配信サービスでは、オリジナル作品を観られるのも魅力。
わたしがNetflixに手を付けたのも、これと何本か観たいオリジナル作品があったからです。

Amazonは普段買い物でかなりお世話になっているから良いとして、配信サイトの場合、スタンダードプランを基準にすると新作レンタルがリアルサイトじゃ2泊で400円前後。

それを考えれば映画を4本以上観れれば元は取れる。(旧作ならもっと観ないとだけど)

本作は突如配信発表された作品です。

2018.02.05からNetflixにて限定配信開始の完全新作です。

うーん、これは記事レベルのレビューしなくてもいいかな?
という感じですが、Netflix限定ですからね。観られてよかった部類。

クローバーフィールドについては2作目以降で、モキュメンタリーを捨てたことがつくづく惜しまれます。

ちなみにわたしの『10 クローバーフィールド・レーン』の紹介記事
【映画 感想】10 クローバーフィールド・レーン  ―真実は自分の目で見ても、受け入れられるかは別問題―

JJもインタビューで言っていますが、作品それ自体に直接的なつながりはないとのこと。

ただし、タグアルト社の影やところどころに垣間見るジャポニズムはニヤリ。

ネット上でも公開直後からネタバレ満載で内容紹介が山積していますな。

なので細かい展開を含めた大枠の言及はそちらに譲ります。

わたしが感じたのはただ一言

『こいつ自分の物語もぶっ壊すんだ』

というボヤキでした。

しかしながらJ・J・エイブラムスという監督はつくづくスクラップ・アンド・ビルドが大好きなんですな。

スタートレック、ミッションインポッシブル、スター・ウォーズ。

彼がいわば前任者からバトンタッチをして展開している近年の大作シリーズ。

この人のやり口を見ているとハラハラしちゃうんですよね。

なんせ「これは過去はどうあれ、今はわたしの映画だ!」と言わんばかりの設定破壊と再構築を繰り返しているとわたしは感じています。

これについては、スター・ウォーズの回でもちょっと触れています。
映画_スターウォーズ 最後のジェダイ (評価★:5!!!!!!)ネタバレあり 感想~老兵は死なず、消え去るのみ~【映画レビュー】

たしかに、ガッチガチに固まってしまいひとつの「常識」となってしまっているモノに、
全く新しいエッセンスを持ち込むためには、組織も人も、そして物語においても、スクラップ・アンド・ビルドは必要なんですな。

だけど、お前の過去作も改変しとんのかい。

と、これは2作目から垣間見えていましたが、結局JJの真意はどこにあるのか、検討がつかなくなっていました。

J・J・エイブラムスにとってクローバーフィールドとは最初から『HAKAISYA』であった訳ですが…

オメェさんよぉ、いってぇ(一体)、何をぶっ壊しているんだい?

銀魂の高杉ですかアンタは…

本作品で描かれたのは、結局のところ『クローバーフィールド』というキーワードに基づいた一連の作品(おそらく今後の派生シリーズも)のOrigin、起源でした。

劇中である人がテレビ越しにそれをしっかり説明してくれているから、思わず目を丸くしてしまいました。

いろいろな方のレビューを拝見しましたが、本作が1作目にダイレクトに繋がるというのは、、、、断言しちゃうには無理がある。

設定が合わない。

だけど、それを全否定するのではなく、補足します。

つまり、クローバーフィールドという物語で展開するあらゆる設定、ストーリーは、すべて並行世界≒パラレルワールドの出来事であり、原因は本作の世界線で「成功」したエネルギー実験と事故によって、次元の繋がりが狂ってしまったため。

だから一作目でタグアルト社が海底掘削で見つけた『アレ』も、宇宙から飛来した『コレ』も10・クローバーフィールド・レーンで襲ってきた高度な文明をもつ連中も、もとはと言えば全て本作の実験と事故によって引き起こされた副産物でした。

…という、トンデモ説明。

『だから』このシリーズは『直接的なつながりはない』と言えるのです。

2作目で異星人だかよく分からん連中を見た時になんで1作目の怪獣じゃないんだと嘆いたもんですが、「あ、アレはアレなんです。別の次元で起こっていますから」と、何たるラノベ感!!!!

本作では「もうひとつの可能性」である非常に近い世界線と繋がってしまったクルーたちが元の世界に戻るために奔走するのですが、SFなのか、オカルトなのか分からん出来事が頻発。
そして「あくまでも別の次元で自分をよく知る人間」との出会いと、語られる「別の次元での自分(一部他人)」という、興味深いお話です。

オカルトじみた出来事も世界線が曖昧になっているから、と言えば何でも通用する中二感は置いておいて(おそらく他サイトはその描写を強調するでしょうが)、わたしが本作品で言いたいのは、ゲーム世代には使い古された設定を持ち出してまで『JJ的に作品の軌道修正』を図った点ですな。

しっかし、悔しいかな、国際宇宙ステーションの選抜メンバーに「日本人がいない」ことに悲しみを覚えました。(これはインデペンデンス・デイの続編でも同じ感慨を抱くこともあるでしょうが)

そして久しぶりにチャン・ツィイーがスクリーンで観られた驚きと、中国語が英語と同様にリングワ・フランカとして扱われていることにさらに驚愕してしまいました。

全く本作品の物語とは関係ないのですが、日本、頑張れ!

技術大国だったんでしょーが!!!

ゴジラですら凍結させた技術力で、次世代エネルギー開発に貢献していて欲しかった。

本作品では小道具レベルの扱いと、こけしちゃんが数カット出るだけの扱いになってるぞ!!

いろいろ取り戻して欲しいと感じた作品でした。

ま、劇場公開でなくても良かったかも。

バジェット膨らんで劇場公開を断念したとしても、映画としてはきちんと成立していました。

2018年映画鑑賞 37本目

post from #pixelbook


◆overview◆


・原題:cloverfieldparadox 2017年公開
・上映時間:102分

・監督:ジュリアス・オナー

・脚本:
オーレン・ウジエル
ダグ・ユング

・メイン・キャスト
ググ・ンバータ=ロー
デビット・オイェロー
ダニエル・ブリュール
チャン・ツィイー
ジョン・オーティス
ロジャー・デイビス
クロヴァー・ニー

2018/02/02

映画_RAW 少女のめざめ(評価/★:4)ネタバレあり 感想~肉好きってレベルじゃねーぞ!~【映画レビュー】

映画『RAW〜少女のめざめ〜』予告編

映画 RAW 少女のめざめ 感想 評価 レビュー


◆RAW 少女のめざめ  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★

文月的採点(44/50点) 
映画 RAW 少女のめざめ 映画 感想 レビュー
この作品ジャンルは?:ホラー/スリラー

オススメしたい人は?:ホラー好き。ただし、幽霊/モンスターの類は出てきません。
警告する!絶対にデートなどで彼女や奥さん、家族を連れて行ってはいけない!
独りで鑑賞せよ!繰り返す、絶対に独りで鑑賞せよ!友達と行っても、帰りに会話なくなるぞ!その後食事になんかいけないぞ!

印象を一言で?:目を背けたくなるほど痛い、悪寒が走るほど怖い、吐き気がするほど気持ち悪いけど、アノ美しき狂気がどこまで行くのか見届けたくなる…

グロテスクですか?:その辺で量産されているB級ホラーのゴア表現よりも、本作のほうが余程グロテスクです。女性は特に注意してください。


◆synopsis◆


徹底した菜食主義をとっている一家があった。

その家族の16歳になったジュスティーヌは、両親と姉と同じ獣医科大学に入学することになる。

初めて親元を離れて、見知らぬ新しい環境である大学の寮で暮らし、生活する不安に駆られる彼女。

両親に車で寮まで送ってもらうが、寮にいるはずの姉アレックスに電話をかけるもつながらない。

途方に暮れつつも、仕方なく一人で寮に向かいルームメイトと対面するが、女性との相部屋を希望したはずなのに、そこにいたのはアドリアンという男性。

「俺はゲイだから」と言われてもなんの慰めにもならない。

さらに追い討ちをかけるように、『フルメタル・ジャケット』も真っ青の上級生による新入生歓迎のハードコアな儀式としごきが突然始まり、地獄の日々が幕開け。

ようやく姉と出会えて安堵するが、狂乱かつ過酷な日々が続く。

そんな中、彼女は上級生となんと姉から仲間に馴染むために「動物の肉」を食べることを強制されてしまい・・・・

※公式HPより

※一部文月加筆訂正


◆comment◆


さて、皆様、準備はいいですか??

おフランスからとんでもない作品がやってきました。
2018.2.2から公開の本年屈指のイカれた作品でした

公式サイトのコピーである

「究極の愛」の物語というコピー

これには完全にやられました。

秀逸です。

鑑賞されたみなさまはお解りだと思いますが「本作で1番すごいのは文句なしにお父さん」ですな。

衝撃のラスト、とはこの作品の様な映画でこそ用いられるべきものです。

最後の最後に本当にトラウマ必至のラストカットが飛び込んできます。

究極の愛のひとつの完成形が観られます。

おそらく2018年前半屈指の、もしかしたら本年ダントツの狂気の世界、ぜひご堪能ください。

わたしがものすごくオススメしている「キュア〜禁断の隔離病棟」を遥かに超えて恐ろしいです。

映画_キュア 禁断の隔離病棟 感想(評価/★:5)~つーか!おっさん!演技にかこつけて、どこ触ってんだ!羨ま・・・ぶ、ぶべら!!!~【映画レビュー】
怨霊、悪魔、モンスターといった「作られた」あるいは「想像上の」恐怖とは、それが非人間であるからこそ怖いと感じるのですが、ここに来て改めて「人間が本来持っている恐ろしさ、狂気」について思い知らされました。

鑑賞後に爽快な気分になることは、まずあり得ません。

本当にご注意ください。

下手すれば素敵な週末を暗く淀んだ気分で埋め尽くしてしまうかもしれません。

決して男性諸君は彼女や奥さん、家族を連れて鑑賞に行かないように。

PTAに禁止処分を喰らうこと10000%保証します(笑)


…とはいえ、本作の本質というか、何をもって恐怖とするのかという点については改めて考えさせられました。

単純な事象(出来事、事柄)単体を怖いと思うのか、その奥に広がりを見せる闇を怖いと感じるのか。

この作品はそのどちらも凄いのですが、わたしとしては断然後者を知ったときのおぞましさに鳥肌が立つ思いでした。

しかし、しかし、ですよ。

この映画を単純に「怖っ!グロ!キモ!」で片付けるのはあまりにも芸がない。

わたしたちの最も身近な行為である「食」

とりわけ誰もが口にする「食肉」

この作品で描かれていることというのは実は最も単純でありながら、人間的な良識からすると「ありえない」「怖気立つ行為」「イカれている」と感じさせるものになっています。

が、それって自然界では普通に行われていること。

なんですよね。

わたしたちの生活に目を向けてみてください。

スーパーで、コンビニで、レストランで、ファーストフード店で、そこかしこで「最初の原型など解らないように加工され」「おいしく味付けされ調理された」食肉を食べていることにこんな感情を抱くことは、まず無いでしょうな。

本作で主人公ら姉妹が見舞われる狂気と、わたしたちが普通に行っている食事のどこが違うというのでしょうか?

という強烈な問題提起がここにはあるのです。

本作を「狂気」と表現するのなら、わたしたちは食そのものを見直す必要がありますし、先述したようにそこら中で見かける肉食そのものを糾弾しなくてはならなくなります。

わたしたちが怖気立つとすれば、それはもっぱら「常識」「モラル」のフィルターを通して物事を観ているということに他なりません。

言ってみれば、自分の良識が世界の最小公倍数からブレていないか?

を確認するための作品という見方もできます。

同じ方面の作品である『グリーンインフェルノ』だとか、その他、いわゆるこっち方面の作品の根底にはある種自分たちの優位性を逆説的に表現しているという穿った感覚も内包されていて、それと同時に「人間も所詮は自然の一部」であるという本能的な面を単に表現しているだけに過ぎません。

怖いもの見たさ、というよりは、自分たちも恐ろしい行為をしていることを確認して、安心する過程こそが『きちんとした向き合い方』なんでしょうな。

主人公の姉妹が何で獣医学部なんかに…

え、そう言えばこの一家は獣医の家系なのか…

…ということは、まさか、うっ、ぶべら!!!!!

弱肉強食、食物連鎖、成長と性の目覚め、そして食べる≒生きるということを描くのに、かくも美しき姉妹をモチーフに描いたことが、本作品が描く人間の本質とは実に官能的であると表現しているのですな。

狂気と美は紙一重。

ストーリーラインとしては非常に単純です。

年頃の妹が獣医学部へ入学し、そこで家の規律を破っている姉と遭遇。
通過儀礼と称したある行為をきっかけに、自分の変化に気がついていく。

通過儀礼というのも、映画『キャリー』をモチーフにしたようなもので、
さらに動物の内蔵を食べさせるという、これが日本なら即拡散、即炎上、即まとめサイト立ち上げ、即首謀者特定、即大学が記者会見レベルのえげつないもの。

主人公の少女が見舞われる変化が普通の娘と違うのは、食わず嫌いだったという言葉では表現できないほどの食肉への渇望となって現れてしまうところにあるのです。

そして、それが異性への関心に結びつき、爆発してしまう。

気がつけばアレもこれも、食べる食べる…。

本当に美味しんでしょうね。

ゾンビ映画とは別のインパクトを感じる強烈なシーンが多いです。

本作で描かれるベッドシーンはラブシーンというよりも、ジャングルで獲物に組み付く肉食獣の恍惚さを想起させます。

肉が好きなのか?血が好きなのか?

いいえ、全部好きなのです。

たとえそれが、見ず知らずの人であっても…

肉親であっても…

好きになった相手であっても…


姉妹はもはや自分だけでは抑えきれないほどの衝動に苦しみ、それがぶっ飛んだ日常を送っているだけの馬鹿な若者ではないからである、とわたしたちが気がついた時に、それを受け入れるのか、拒絶するのかの2択に迫られます。

どちらがその選択をするのか、非常に見応え…というか、怖いけど早く結論を見せて
…とこちらも渇望。

そして語られる事実。

あぁ、そうなんだ、なんてこった…と落ち込んでいたところにあのラスト。

ここまで観客を突き放し、拒絶したまま走り抜けた制作陣の勇気に賛辞を送りたい。

最後にもう一言。

この映画を考えなしに狂っていると片付けるのは、本質的には間違いです。

彼女たちが間違っているというのであれば、わたしたちは明日から本当に菜食主義者になるしかありません。


あ、あと、ハサミを持ったまま無暗にじゃれあってはいけません。

単純なホラーではなく、実に深い、そんな一本。

2018年映画鑑賞 34本目
#トラウマ映画
post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:Grave 2016年公開(フランス)
・上映時間:98分
・監督:ジュリア・デュクルノー
『Junior』『Mange』
・脚本:ジュリア・デュクルノー
     

・メイン・キャスト
ガランス・マリリエール
エラ・ルンプフ
ラバ・ナイト・ウフェラ

2018/01/20

映画_ジオストーム(評価/★:3)感想~このぐらい話が明快だと気が楽だ~【映画レビュー】

映画『ジオストーム』本予告【HD】2018年1月19日(金)公開

映画 ジオストーム 感想 評価 レビュー


◆ジオストーム  鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(36/50点) 
映画 ジオストーム 感想 評価 レビュー 
この作品ジャンルは?:近未来SFスリラー

オススメしたい人は?:「デイ・アフター・トゥモロー」「2012」を始めとした気象ものが好きな方!

印象を一言で?:ストーリーや設定はよく考えれば壮大なのに超B級。
このノリはむしろノスタルジック!

グロテスクですか?:そういう描写はありません。

◆synopsis◆


度重なる異常気象、頻発する自然災害。
この深刻な事態に世界はひとつになり「気象コントロール衛星」を開発。

全世界の天気は精巧なシステムで完璧に管理され、人類は永遠の自然との調和を手に入れたかにみえた。

しかし、それはつかの間の出来事であった…

アフガニスタンで突如発生した都市の超寒冷化、ついで香港の高熱化と地割れ。
同時に発生した気象コントロール衛星『ダッチボーイ』での事故。

原因究明のために白羽の矢が立ったのは、このシステムの開発に携わりながら強引な言動が問題になり職を追われてしまったある科学者だった。

※公式HPより
※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正

◆comment◆


さてさてやってきました2018.1.19から劇場公開の作品です。

文月陽介、2018年の初の劇場ヒャッハーをようやく体験できました。

映画や物語にはいろいろな分類があって、それぞれ「◯◯モノ」と言ったタグ付けがされていくものですな。

本作はどうかといいますと非常にニッチだけど壮大な「気象モノ」「自然災害モノ」というジャンルの映画です。

こういう作品って裏側にはとても深刻な問題や背景をモチーフとしていて個人的には非常に好きなジャンルです。

映画鑑賞後に「ググる」回数が多くなりがちなもので、まさに物語をきっかけに見識を深める端緒になるPTAも納得の作品群でもあります。

ま、予告編や事前情報から言わずもがな、本作はそんな気象モノ・自然災害モノのなかでも

「アルマゲドン」(1998)
映画 アルマゲドン ブルース・ウィリス


「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)
映画 デイ・アフター・トゥモロー


「2012」(2009)
映画 2012


に代表されるような映画です。

どちらかと言えばモチーフが近いのは「デイ・アフター・トゥモロー」ですかな。

なぜニッチだと書いたのかといいますと、こういう作品ほど一部の知識高い系(笑)の玄人の方からやれ「設定が駄目」だの「科学的根拠が希薄」だの、エンタテインメントとしての物語にものすごい数の横やりが入るからですな。

それでも数年に1度のペースでこうした映画は製作されるのです。

ある物語のどこを描写するのか?というのは非常に大切で、ストーリーの力点を間違えてしまうと「なんだこれ?」と一般の我々ですら首を傾げるような作品に仕上がってしまうことも理由の一つです。

リアルに書けばいいというのもやり過ぎると淡々としすぎて味気なくなるし、
本当だとしても、単調なイベントの繰り返しだと、飽きが来るし、
本筋からずれたところばかり膨らませると何の話か解らなくなるし、
創り手が見る人に媚びすぎてもいけない。
物語の熱量をどのくらいで見る側も創る側も消化できるのか?ということも大切。
長編の小説も、ドラマも、映画も、長く時間を拘束されるならそれに見合った対価として双方ともに一定間隔でカタルシスが必要になるし、それが本当の意味でできるのはほんの一握りだ。

だから物を語るというのは面白いんですが。

さて、このジオストームはというと…

社会的教訓<エンタテインメント
が重視された作品でした。

もっと言えばこの作品のエンタテインメントというのは、

90年代〜00年代前半のノリ

となっています。

非常に解りやすいストーリーラインで描かれていて、ある意味予想外の事態が起こらないことに安心するような鑑賞感ですな。

決して展開が何かのパクリだというのではなく、どこか懐かしい。

あ!とスタッフの顔ぶれを見て納得しました。

制作陣の代表作が『インデペンデンス・デイ』、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』『グリーン・ランタン』『ユニバーサル・ソルジャー リジェネレーション』『パトリオット』『フライボーイズ』etc、etc

こういうノリを心得ている方々が控えているのであればわたしの感じた印象はおそらく正しくて「エンタテインメントとはかくあれかし」というテキストに則ったものなんですな。

災害の描写あり、「それなりの」人間ドラマがあり、いらんのにコテコテの陰謀あり、アクションあり…あろうことか別れの描写もあり…

つまり「物語としての冒険」はしていないということで、まぁ、最小公倍数が納得する(のかな?)ような構成。

キャストは相当豪華で、エド・永遠の”ハメル准将”・ハリスにアンディ・ガルシアという大ベテランから主役の”マケドニア王レオニダス”ジェラルド・バトラーもかなりいい味を出していて、ふとB級であることを忘れそうに(笑)なります。

あ、ジェラルド・バトラーが主役だからからとって、

ホワイトハウスは爆発しません。

しかし、このワードから何某かを連想されたア・ナ・タ。

おそらくその予想はハズレではありあせんヨ。

えぇ、そういうノリなんですよ!!

クライマックスでアンディ・ガルシアが「ある自動車の中で主人公の弟に対して漏らした一言」も超B級のノリで大好きです。

ということで、本作は本筋である「環境問題」というものをある意味でサラッと下地にしてしまって、ワクワクするような超テクノロジーも軽く脇においてしまい(オイオイ)、
世界的危機<陰謀解決という力点で描いてしまった結果、本来であれば涙を誘うようなシーンの重量がダイエットされてしまい、いささか残念。

モノローグを語るのは、実は主人公の娘さんなのですが、それに気が付いた瞬間に「え!?ってことは!?」という『期待』を込めて涙活準備をしたものの、
(だって劇中の”それらしい”シーンから連想されるのは『アルマゲドン』のノリでしょ?!『インデペンデンス・デイ』のノリでしょ!?と思うはずです(^_^;))

んなこたーない(笑)

のでご安心ください。

潔いまでの既定路線。

そういうことなら、こちらも強く言えない。

多分、この路線の映画にしては根本的な問題についての訴求は薄いです。
「デイ・アフター・トゥモロー」の方がよほど真面目に取り組んでいます。

家族、人との絆なら、気象モノには厳密になりませんがわたしも大好きで泣いた
「インターステラー」の方が深く描かれています。


だけどわたし個人としては舞台となる初代「ダッチボーイ」建設計画を映像化した方がものすごく熱いドラマになったのではないか、とひとりで悔しがっています。


わたしが本作で萌えたのは展開ではなく、NASAの壮大な打ち上げ施設だったり(だって連邦軍の発射施設みたいですぜ!大佐!)、めちゃくちゃ欲しくなるタブレット端末だったり、地球全土を覆う巨大気象衛星群であったり、ステーション内のガジェット群だったのです。

たぶん1番美しい描写は湖畔から空に打ち上がるシャトルを見つめるシーン。

あれ、ポスター欲しい。

(あ、アビー・コーニッシュにはアンディ・ガルシアに感嘆された「あのシーン」とオープニングのセクシーな姿でやられました(^_^;)途中まで”物語的に疑っていて”ごめんなさい)

多くの人は作品を観てこんな感想を持たないと思いますので、文月的マイノリティ・リポートとして最後に呟きました。

でもさ、お嬢さん役の子、もう少し見せ場を作ってあげても良かったんじゃないでしょうかね?

あ、もしかして続編でアレとか…

でも…父を信じて待つのってインタース…ぶべら!!!

だけど東京のシーンはもう少し日本をリサーチして欲しかった。

でもね、きちんとISSに日の丸がペイントされているのはちょっと安心しました

ザ・タワー、デトロイト、ロスト・シティ・Z、ようやくエンジンがかかるかしら?

2018年映画鑑賞 23本目

post from #pixelbook

◆overview◆

・原題:Geostorm 2017年公開(アメリカ)
・上映時間:109分

・監督:ディーン・デブリン
代表作:『スターゲイト』『インデペンデンス・デイ』など
・脚本:
ディーン・デブリン
ポール・ギヨー

・メイン・キャスト
ジェラルド・バトラー
ジム・スタージェス
アビー・コーニッシュ
アレクサンドラ・マリア・ララ
ダニエル・ウー
エウヘニオ・デルベス
エド・ハリス
アンディ・ガルシア

2018/01/16

映画_ラディウス/Radius(評価/★:2) ネタバレあり 感想~あぁ、時が…見えるハズもなく~【映画レビュー】

半径15m以内全員即死!/映画『(r)adius ラディウス』予告編(未体験ゾーンの映画たち2018)

映画 ラディウス 感想 評価 レビュー



◆ ラディウス(Radius) 鑑賞◆


評価/オススメ:★★

文月的採点(20/50点) 
この作品ジャンルは?:ホラー・スリラー

オススメしたい人は?:パシフィック・リムでディエゴ・クラテンホフのファンになった人。あ、あとヒロインは一応美人です。

印象を一言で?:なんだこの中途半端な話は!もう少し頑張れ!

グロテスクですか?:グロシーンはありません。
このクオリティで世に出した事のほうがグロテスク。

◆synopsis◆


交通事故を起こし記憶を失くしたまま目覚めたリアム。

助けを求め近くの町に入るが目にするのは住民の死体ばかり。

謎のウイルスか何かが大気中に広がっているのではと疑い不安になる。

ようやく生存者を見つけたものの近寄ろうとした途端、突如目の前で死んでしまう。

何が起きたかわからないまま、リアムに近寄ったことで続々と増える死者。

分かったことはリアムの半径15メートル以内に近寄った者は皆死んでしまうということ。

誰の助けも借りられず困惑するリアム。

しかし、半径15メートル以内でも死なずにいる女性ジェーンと出会い、同じく記憶喪失の彼女と共にこの謎を解き明かそうとするが・・・
※公式HPより

◆comment◆


ご機嫌いかがですか?

デスキャンサー文月です。

めちゃくちゃ期待したのに・・・・

10分持たなかったDEATH…

デスキャンサー 文月陽介 映画 ラディウス


この作品って、形を変えた映画「ハプニング」(2008)
というより、こちらの方が(世間的な悪評は考えないで)まだ丁寧で面白い。

映画 ハプニング マーク・ウォールバーグ



日本版であればスケール感は違いますが大友克洋監修「Memories」(1995)に収録されている迷作(個人的には傑作)「最臭兵器」と同じ系列に属する感じです。
(スケール感も面白さも、もちろん本作よりもこちらに軍配)

映画 Memories


この映画を一言で言うと、

「ものすごく雑で乱暴な映画」

です。

せっかく鑑賞したので、なんとか本作の面白さをひねり出そうと頭を抱えているのですが、予告編詐欺であり、ビジュアル詐欺であり、脚本詐欺だと叩かれても当然のクオリティ。
*ビジュアル詐欺とはいろいろなHPで散見されるこのビジュアル

映画 ラディウス 感想 評価 レビュー


こうした作品を心から楽しむためには「どうしてそうなった?という必然性」つまり左脳で考える領域の文脈への訴求と「だからこうなるんだ!」と右脳でイメージすることがスクリーンで視覚的に結びつくバランスだと思います。

本作が徹底的に甘いのは前者であって、それは使いようによっては良作になった「ギミック」の扱いと「登場人物の設定」の詰めの甘さでしょう。

というより、この映画って「なんで死ぬのか?」と「こいつら誰なのか?」だけを追うものなのです。

本作、ものすごく人の悪い考えに立って観ると、半径15メートル以内に入った生物が有無を言わさずお亡くなりになるって本作の最大のギミック…これって体臭だとかに起因する
ものすごく失礼な(とは言え、なかなか口に出して言えない&自分では気が付かない)問題をデフォルメしているのではないか?とまで追い詰められてしまうのですよ。
これはこれで身近な問題として、本当に怖いですけど…

あ、ネタバレでもなんでもないですな。近寄ったら死ぬって、予告編でもHPでも言ってます。

なるほどなぁと「思いかけた」点としては「気がついたら世界が終焉している」のではなく「自分のせいで終焉させている」という発想の転換。

それであれば予告や事前の告知などで「『自分に』一定距離近づいたものが亡くなる」という本作唯一のミステリー(と言っても良い)ネタをクライマックスまで明かすべきではなかったのです。

事前知識がない状態で本作を観ることが幸運にも叶うのなら、ある瞬間まで(といっても前半までですが)はドキドキできたでしょう。

そうすれば「終末モノと思いきや…」という観客の期待感を裏切る驚きの度合いを高められたでしょうに。

本当にマイナス!!!
もったいない!!!

配給会社などが事前にコレしかない本作のおもしろギミックを安易にばらしてしまったことで、本作のミステリー性が著しく失われてしまいました。

そしてもう一つ、登場人物2名の関係性です。

残念の極みなのは、「どうして死ぬのか?」「どうして死なない人間がいるのか?」ということと「こいつらは誰なのか?」という問題に直接的な関連はないのです。

言ってみれば偶然の産物。

パシフィック・リムのディエゴ・クラテンホフ演じるリアムの正体とヒロインとの関係性は、だったら「別の作品」を作れば良かったんじゃないかと感じるくらい、ほんの一瞬だけ、驚きます。

主人公のリアムって「シリアルキラー」だったんですな。
ヒロインは「行方不明になった双子の片割れ」を探している人妻。

もちろん、ヒロインの双子の片割れは行方不明ではなく、リアムの手にかかって亡くなっているのです。

互いに事件の発端となる「事象」(というか、ライデイン)に巻き込まれた時に記憶を無くしており、もうクライマックスの一歩手前までお互い惚れている状況。

だけど、それと「謎≒生物を殺してしまう事象」とは極論すると何も関係ないのです。

あらぬことか、途中から物語の路線が転換されてしまい、

「記憶を無くしている間にわたしが惚れた相手は姉を殺した殺人鬼だったのですけど、どうすればいいですか?」

などと某知恵袋に投稿されそうな案件になってしまっている始末。


糸色望 絶望した 映画 ラディウス 感想 レビュー 評価



物語の主観も大いなる謎ではなく「惚れてはいけない相手に惚れてしまった(お互い)」というメロドラマにダイナミックスイッチしてしまい、肝心な謎がただのオマケみたいになっていく、崩壊していく…

「あぁ、空が落ちる」


via GIFMAGAZINE


多少なりとも彼らを擁護するのならば、この物語の「騒動」は彼らに起因して発生したことではないのです。

彼らは何かに巻き込まれた。

その結果「ふたり一緒にいないと、誰かが死ぬ」力を得てしまったのです。
世間からしてみれば横切られただけで問答無用に生命を奪われるという局地的な災害か破壊兵器になってしまった事のほうがとんでもない問題であり、この映画が「あいつに近づいたら死ぬ」と設定を掲げている以上、そちらを解決しないことにはカタルシスもないでしょうに…

わたしたちが知りたいのは、そこじゃあ無いんだけど…

結果、最後にいい人なら、その人はいい人…

なんて、陳腐なオチで物語に強引に幕引きをしてしまい、観客は唖然。

それでいいのか!?

「運命に逆らえ!!!おい市川、お前先にいけ!」
by工藤D(コワすぎより)

2018年映画鑑賞 21本目

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#惜しい映画


◆overview◆


・原題:Radius 2017年公開(カナダ)
・上映時間:93分

・監督/脚本:
キャロライン・ラブレシュ
スティーブ・レナード
     
・メイン・キャスト
ディエゴ・クラテンホフ
シャーロット・サリバン


2017/12/02

映画_サラリーマン・バトル・ロワイヤル 感想(評価/★:1)ネタバレあり~あの...部尉殿...こいつら全員、死んでしまいました。ならばよし!~【映画レビュー】

サラリーマン・バトル・ロワイヤル

◆サラリーマン・バトル・ロワイヤル / The Belko Experiment 鑑賞◆


評価/オススメ:★

文月的採点(13/50点) 


映画_サラリーマン・バトル・ロワイヤル 評価
この作品ジャンルは?:スリラー

オススメしたい人は?:特にいません

印象を一言で?:何のための実験かなんて解らないとか、どういうこと?

グロテスクですか?:残虐描写あり

◆synopsis◆


生存率1/80
オフィスが戦場と化す衝撃のサバイバル・アクション!

コロンビアのボゴタにあるベルコ・インダストリーズに出社した80名の従業員。

いつも通りの業務が始まった矢先、突如会社のビル内にアナウンスが流れる。

「8時間後に皆ほぼ死ぬ。30分以内に同僚2人を殺せば生き残る確率があがる」と。

安全のために避難しようとした社員たちだったが、その直後ビルの全ての窓は頑丈なシャッターで閉められ、状況を把握しようとする彼らにタイムリミットの30分がまもなく迫っていた……。

※公式HPより


◆comment◆


2017.12.2よりレンタル開始の作品です。

みなさん、ご機嫌いかがですか?

デスキャンサー文月です。

久しぶりに地雷を踏んでしまいました。。。。。。。

デスキャンサー


これは、、、、ひどいDEATH。


監督がマーベル作品にも関わっている、プロダクションは『パラノーマル・アクティビティ』や『スプリット』も手がけている、出演陣にも気を配り、つまり、結構豪華なフレームのもとでこの映画は製作されているのです。

しかしながらなんでしょう。

この怒りと虚脱感は・・・・・

まるで、景品は豪華なのに、アームのネジがものすごくゆるいクレーンゲームDEATH。

ぶべら


先日、見逃していたザ・レイド(2011)を初鑑賞して結構個人的にはツボだったのですが、
コメントを頂戴する中で「ストーリー性に乏しい」というお声も散見しました。

ザ・レイド 映画


ザ・レイド(もっと言うと「ジョン・ウィック」なんかも)は壮大なストーリーを描く作品ではなくて、極端な話VFXなんか使わないで『リアルなアクションそのもの』を表現するという単純明快な設計思想のもとで製作されているので、繰り広げられる肉弾戦そのものが「ストーリー」なのです。

説明など最低限で、打つ、突く、蹴る、払う、掴む、締める、投げる過程そのもので語っている。

ものすごく味が良いのに恐ろしい無骨で無口な頑固親父が店主であるために、とっつきにくいと思われているラーメン屋みたいな作品なのです。

だって、どういう状況なのかって冒頭の導入部分の説明で十分だったはずです。
それだけの話なの?そうです。その潔さ。

だったら、わざわざ映画という体裁をとらないで、MVや教材か、はたまたゲームかなにかでやればいいじゃないかというツッコミが入りますが、それは映画化する決裁をされた方にしてくださいまし。

ただし、こういう作品ほど火が付けばカルト的人気を誇るんです。

ザ・レイドに関して言えば「ゲームでしかできないようなアクション」を「いやいや、現実にやれるからゲームに取り入れられるんだバカモノ」と相手に本当に入れちゃうような打撃をモロに描いている点、非常に好きですわ。

ストーリー性という意味では、似たようなシュチュエーションの『ジャッジ・ドレッド』(2012)の方が遥かに作り込まれています。
が、こちらはエンタテインメント作品として製作されているので当然です。

ジャッジ・ドレッド 映画


さて、サラリーマン・バトル・ロワイヤルの前段でなぜザ・レイドやジャッジ・ドレッドなどを話題にしたかといいますと、この作品も「閉鎖空間」が舞台だからです。

もう、この記事の冒頭でデスキャンサー文月が姿を見せていますので、ネタバレ云々という理性(笑)は吹き飛んでおります。

10分持たなかったDEATH。。。。。

ザ・レイドにストーリー性がないとお感じの方。

ストーリー性がない、意味がわからない、というのはこの作品のことを言うのですよ。


ツッコミ要素がいくつかありますが、、、、『ラスト/ナイト』以来の事態で、ダメージが大きすぎました。。。

ガッツがたりない!

→過去の紹介記事

@タイトル


サラリーマン・バトル・ロワイヤル→本家バトルロワイヤルに寄せたイメージを持たせたかったのでしょうが、センスのかけらもないネーミングと言っていいでしょう。

内容観てネーミングしたのか疑わしい。バトルロワイヤルなどほぼしていないのです。

海原雄山


これ、The Belko Experiment のままでいいでしょ。。。。

むしろこっちの方が邦題の1億倍は潔い。


@舞台設定・展開

ものすごく雑に何作かを組み合わせた内容です。

登場人物はいわゆるフツーの会社員たちです。

コロンビアというただでさえ結構物騒なお国の、さらに人里離れた場所に1棟だけドーンと建てられた近代的なビルに勤めています(人材紹介会社らしいですが、そんなもの結局どうでもよくなります)

それが、とある日のフツーの勤務時間中になんの前触れもなく閉鎖されます
(窓を含めた出入口が全面封鎖されるのですが、それが使徒が現れた『第3新東京市』的な表現をしたかったらしく、飲み物を吹き出しそうになりました。安すぎて。)

そして謎の全館放送が。


「8時間後に皆ほぼ死ぬ。30分以内に同僚2人を殺せば生き残る確率があがる」


は?

これって、


「今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます」


のパクリでしょ?

バトルロワイヤル 今日は皆さんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。


・・・当然のことながら唖然とする一同。

「そんなことあるわけないやん」

という死亡フラグの後に、これまたバトルロワイヤルの展開丸パクリの『運営側による見せしめ処刑』

バーン!!!バーン!!!バーン!!!

誘拐事件が多発するコロンビアというお国柄を理由に、社員が入社の際にもれなく体内に(後頭部の付け根)埋め込んだという位置情報発信用インプラントが実は爆弾でしたという何とも安いオチ。

本家バトルロワイヤルのギミックのほうが何倍もゾクゾクしますね。

すると人の良さそうで頼れるリーダーだった現場の最高役職者らが「こいつは誰か殺さなきゃやばい」ってんで態度を豹変。

そいつも、そいつに付き従う連中の多くは実は特殊部隊出身OBでしたとかいうご都合主義丸出しの裏設定。
(オリバー・ストーン『プラトーン』のオニール軍曹も演じていて、ここだけは個人的にwow!)

揉めるとも揉めないとも言えない、生ぬるい非難の応酬の後に彼らは決裂。

しかも最初の殺人は、揉めている彼らとは全く無縁の場所で始まるという件は激しくツッコミポイント。

そんなこんなであっけなく武器保管庫の鍵を入手した極悪特殊部隊OBと対立し、平和的に逃げようとする相思相愛なんだかどうなんだかどうでもいい主人公カップルが率いる「いわゆるフツーの人」グループの、まぁ、戦いなのかなんなのか。

こういう展開だと主人公のジョン・ギャラガー・Jr(『10 クローバーフィールド・レーン』のお兄ちゃん)も実は強かったりするかと思いきや、そんなでもない。
むしろ特殊部隊連中になびかずに彼と共闘することを選んだグット・ファット・ナイスガイの警備員の兄ちゃんの方が好きだったのに・・・・

特殊部隊の連中は過酷な特殊訓練を受けた猛者であるはずなのに、ビルから脱出する方法をマスター・キートン先生並の手腕で考えればいいのだけれど、そんなことより「運営側の意向」を満たすことだけ考える(結局良心の呵責から、主人公らに寝返る奴もいない)

と、いうことは、いよいよこれからレクイエムでも流しながら壮絶な戦いが始まるのかな?

いやいや、それもまだ始まらない。

武器なんてオフィスビルに転がっているものなぞたかが知れているので、保安庫を抑えた特殊部隊に抵抗なぞできるわけもなく、あっけなく虜囚になっていくフツーの人たち。

生き残るという事に特化して、理性の殻を破り去ったサイコも出てこない。

つまり、登場人物の方々が残念ながら立っていない。

異常度なら
「悪の教典」「バトルロワイヤル」>>>>本作

特殊部隊もハスミンにかすりもしないほどの中途半端なヒールぶり。

みんなで脱出するよりも運営側の意向を満たせば(つまり、なんの恨みもない同僚を手にかければ)帰れるということで、特殊部隊による一方的な選別と処分が始まります。

殺し合いに発展する意味、過程、焦燥感、葛藤、虚無感、何もない。

どこにも連れていかない。

そう、予告編も壮絶バトルを予感させる作りをしていましたが、それはラスト直前に申し訳程度にあった小競り合いを編集で誇張しているだけです。

バトル、アクションで言うとザ・レイドと比べることすら失礼に値するレベル。

キャラクターがお亡くなりになる悲しさよりも、「え?なんで?」という気持ちのほうが勝ること間違い無し。

なんやかんやで決着がついたものの、真相解明の説明に納得できるわけもなく。

メタフィクションだかなんだか良くわかりませんが、ここに来て「黒幕」とやらが
「この一連の出来事に特に意味なんて無いよ」的な絶対零度の発言をするのです。

ごめんよぉ

あぅ、ごめん ごめんよぅ、ごめんよぅ、ごめん


ま、そういう奴らはお約束の最後が待っているのですが・・・・・・

つーか、さぁ!!!

あのラスト直前の「ケジメ」の付け方ってもろ「イングロリアス・バスターズ」だよね!!!劇場の場面のやつ!!!

そしてラストカットも何かの映画にひじょーーーーによく似ていたんだけど、気のせい???
(あれよアレ!ホラー好きなら観たことあるかも!!タイトルはあえて言いませんが)


「あの...部尉殿...こいつら全員、死んでしまいました」

ならばよし


まぁ、こういうことがあるからいろいろな映画を観るのって楽しいのですがね。。。

2017.12月の怒涛の映画ラッシュの前にちょっとしたお口直しということで。
(お口直しに全くなっていない)


2017年映画鑑賞 214本目

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◆overview◆


・原題:The Belko Experiment
2016年公開
・上映時間:88分
・監督:グレッグ・マクリーン
代表作:『マンイーター』『ミック・テイラー 史上最強の追跡者』
・脚本:ジェームズ・ガン   

・メイン・キャスト
アドリア・アルホナ
ショーン・ガン
マイケル・ルーカー
トニー・ゴールドウィン
ジョン・C・マッギンレー
ジョン・ギャラガー・Jr

 

2017/11/11

映画_ザ・サークル 感想(評価/★:3)~いいね!のためには、生きてない。そこじゃないだろ!~【映画レビュー】

映画『ザ・サークル』本予告 11月10日(金)公開

\エマ・ワトソン×トムハンクス/ 11月10日全国ロードショー ...


ザ・サークル / The Circle ポスター



 ◆ザ・サークル / The Circle 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★

文月的採点(37/50点) 
この作品ジャンルは?:スリラー

オススメしたい人は?:SNSを利用するすべてのネットユーザー

印象を一言で?:当たり前のツールとなっているからこそ、違和感を感じない怖さ。

グロテスクですか?:そうした描写はありません。


◆synopsis◆


世界NO.1のシェアを誇る超巨大SNS企業<サークル>
創始者であり、カリスマ経営者のベイリーが掲げる理想は

全人類がすべてを隠す事なくオープンにする完全な社会、だ。

大きな輪を意味する<サークル>では、誰もがいつでもつながりあい、互いの体験をシェアしあい、最高に刺激的な毎日を送ることができる。

憧れの最先端企業<サークル>に採用され、日々奮闘する新人のメイはある事件をきっかけにベイリーの目に留まり、画期的な新サービスの実験モデルに抜擢される。

それは至る所に設置された小型カメラにより、「自らの24時間をすべて公開する」というもので、彼女は瞬く間に1,000万人以上のフォロワーを獲得し、一躍アイドル的な存在となる。

ベイリーの理想「全人類の透明化」を実現するために、更なる公開実験が始まる。

熱狂とともに始められたその実験は無数の「善意」という仮面を被った「監視・追跡」サービスだった・・・・

果たして、個人のプライバシーは電子の海に投影することはできるのだろうか?

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆


2017/11/10から公開です。

今回の予告編は結構素敵。
上手に編集されていて、本作の魅力を過不足なく表現しています。

でも本作を観て、恐怖や違和感を感じなかった方もいるのではないでしょうか?

それはまさしく「ニュータイプ」であって、

わたしのように「怖い」と思う方が

「時代が変わったというのか?エマちゃんみたいなのが24時間見られてケロッとしているとはな!?」

とランバ・ラル大尉とともに後退するしかなくなるのですな。

・・・

人は独りでは生きていけない、だから家族と繋がる。

その家族も彼らだけでは生きていくのは難しい、だから地域が生まれる。

その小さなコミュニティだけでは立ち行かない、だから村ができ、村が集まり街となり、国となる。

はるか昔、世界は平らだった。

水平線の向こうには崖があって、すべてのものが底に落ちてしまうと信じられていた。

しかし地球平面説が常識とされていた時代でも、世界の概念は丸いものだった。

世界を表すのにもっとも役に立ったのは、見上げた空に浮かんだ太陽と月だったのかも知れないのではないかと個人的には思います。

時は進んで現代においても、もちろん、世界は丸い。

あたかもそれはすべての事象の象徴であるかのように。

ザ・サークル。

それは人と、世界と、その双方を表しているシンボルなのです。

そしてわたしたちは物理的なサークルの上で暮らしているだけでなく、0と1から成り立つ電子のサークルの中でも暮らしているのが現実です。
そしてそれをもはや手放すことはできませんね。

この作品が取り扱っているのは、熱狂であり、世界と接続するという曖昧な動機による安心、孤独感、自己満足を「ただ描いている」のです。

この作品自体が何かわたしたちに教訓を垂れているのではないのです。

今の現実をただただ描いているだけ。

それがかえって、恐ろしい怨霊や怪物、怪奇現象とは別の意味での恐怖を掻き立てるのです。

題材自体が新しいという訳ではないですね。

群集心理やある種の熱狂の中で正常な判断を失うという展開がこの作品の基軸になるのですが、それ自体は近年の作品だとパッと思いつくものだと

「THE WAVE」
映画 THE WAVE ポスター


「クーデター」

映画 クーデター ポスター


「23分間の奇跡」

書籍 23分間の奇跡


「蝿の王」

映画 蝿の王



なんかで既に描かれているものです。

個人的には、世にも奇妙な物語版の23分間の奇跡は未だにトラウマものです。

ただし、これは「ある特殊な状況」の中で繰り広げられる狂気なのです。

本作が新しいという点は「もうすでにわたしたちが疑問も持たないで受け入れている状況」の狂気を描いている点ですな。

ザ・サークルはGoogle、アップル、フェイスブック、ツイッターをはじめとしたwebサービスをいってみればひとつに統合させたようなサービス。

ひとつの企業が、個人のすべての生活を掌握している状況であり、それを利便性の名のもとにすんなり受け入れている、ものすごく活用している、わたしたちを描いています。

作中描かれるのは、「よく見慣れた」ジョブズスタイルのプレゼンテーションだし、典型的なIT企業のオフィス、端末、洗練されたデザイン、サービスです。

それらを違和感なく見ていられること=すでにこの作品の描く狂気に自分も参加していることに他ならないのです。

それはたった一言、たった一枚の写真をポストしただけですべてを失うリスクのもう一つ先にあるもの。

全く知らない誰かによって、自分の意思とは関係なく=ネットのプライバシーポリシーや個人設定など嘘みたいに簡単に突き破られ、自分がシェアされ、世界中から見られる≒追われる、というリスクが見えてきます。

まぁ、ソーシャルネットワークとはそこに参加しているだけで既に、
「プライバシーが半分死んでいる」ことに他なりません。

シュレディンガーの猫にも似た状態ですね。


・・・ただし、残念ながら、オチはそれほどすごくないのです。

結局自分のことは秘密にしたいという、陳腐なものに。

しかし「自分のプライバシーなんだし当たり前だろう」と思ったあなた。
少しお待ちを。
あなたがメールやチャットも含めて、誰とも繋がっていないというのなら、それは正しいのです。

結局世界と繋がるとは、リツイートも、ファボも、ブクマも、見えない多数に自分の評価を丸投げしているという側面もあるのです。

丸投げしたくせに、その価値に依存して一喜一憂する。

わたしは例えば作家気取りの方が、SNSやいわゆる創作サイトなどで自分は◯◯万字の物語書いて、どのくらいの人にブックマークされただとか、解説してもらっただとか、自分が作り出した物語そのものにすら失礼なことを指標にしている書き込みを見かけますが、正直なところウンザリすることが多いです。

それでは10万字書いたら不朽の名作なのか?
10時間の映画が、永久に残る傑作なのか?
単純にそう感じるからです。

そういう台詞は、ヘンリー・ダーガーの『非現実の王国で』と同じことをしてから言うべきですな。

非現実の王国で - Wikipedia

『 非現実の王国で』(ひげんじつのおうこくで、 In The Realms of the Unreal)、正式には『 非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語』(ひげんじつのおうこくとしてしられるちにおける ヴィヴィアン・ガールズのものがたり こどもどれいのはんらんにきいんするグランデコ・アンジェリニアンせんそうのあらしのものがたり、 The Story of the Vivian Girls, in What is Known as the Realms of the Unreal, of the Glandeco-Angelinnian War Storm, Caused by the Child Slave Rebellion)は、 ヘンリー・ダーガーによる 物語である。 アウトサイダー・アートの代表例とされる作品で、「世界一長い 長編小説 」とされることもある。


わたしは物を書く端くれとして、戒めも込めてこの大型本を大切に書斎に飾っています。
これですら、全体の数百分の一しか解らないのですが・・・

脱線しました(汗)

しかしながらテクノロジーによって、自分の生活を切り売りしているのが現代のSNSのどうしようもない側面ですな。

いいね!のために生きている、というのは、映画そのものを象徴するコピーではなくて、
この映画が描いている現代のわたしたちの側面にこそ用いられるものですな。

あ、ジョン・ボヤーガは本作ではダークサイドには落ちません!
ご安心を(笑)!

エマ・ワトソンがどんどん世界に身を投げ出していくプロセスには、彼女の嬉々とした表情も含めて、本当にホラーを感じました。

2017年映画鑑賞 201本目

post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:The Circle 2017年公開
・上映時間:110分

・監督:ジェームズ・ポンソルト
代表作:『人生はローリングストーン』
・脚本:ジェームズ・ポンソルト   デイブ・エガーズ
     

・メイン・キャスト
エマ・ワトソン
トム・ハンクス
ジョン・ボヤーガ
カレン・ギラン
エラー・コルトレーン


2017/10/27

映画_ゲット・アウト / Get Out 感想(評価/★:4) ~あなた、もしかして『ブルギさん』じゃないですか?~【映画レビュー】

『ゲット・アウト』予告編

全米初登場NO.1大ヒット!米映画レビューサイト99%大絶賛! 映画『ゲット・アウト』10月27日(金)TOHOシネマズ シャンテ他、全国ロードショー! ...

映画 ゲット・アウト Get Out ジェイソン・ブラム




◆ゲット・アウト/Get Out 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★
(本年屈指のイカレ具合です!!!!)

文月的採点(46/50点) 

この作品ジャンルは?:スリラー

オススメしたい人は?:単純にクルッテル人達を観たい人

印象を一言で?:実はものすごく社会派の映画です。そして発想は武器人間(笑)

グロテスクですか?:やろうとしていることはとてもグロテスク。


◆synopsis◆


何かが、おかしい。

ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待された。

若干の不安とは裏腹に過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えたのだった。

その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。

翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。

そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、
フラッシュが焚かれた瞬間、彼の態度は豹変し「出ていけ!」と襲い掛かってくる。

“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。

※公式HPより


◆comment◆


さて、そんなこんなで観てきましたよ「ゲット・アウト」

本年のはじめに海外に住む文月の映画友達から
「文月サン、これホントに○ッキンクレイジーだよ」
と連絡をもらった作品。
文月は公開を心待ちにしていたのです!!!

人種差別主義者(レイシスト)に真っ向から中指をおっ立てる、トンデモなくファンキーな映画が公開されました。

これはもしかしたら、カルト的名作として長らく語り継がれるのではないかと。
後述する文月のある気付き(汗)もありますが、それをまったく知らない方であれば、
斬新な映画であると思われる方も多いのではないでしょうか。


誰かを嫌う、憎む。
そうした感情というのは人間誰しも持っているもの。

わたしには嫌いな人間はいない、なんて言う人をわたしは一切に信じないし、
それは嘘だ。

最小単位のコミュニティである家族ですら感情の行き違いを抱えていることはザラで、
人間同士はおろか、動物同士のコミュニティですら、派閥はある。

コミュニティの集合体である組織、社会同士だって「身内とその他」を明確に分けているし、
その規模が大きくなればそれだけ難しい言葉で「もっともらしい名分」が装飾される。

日本は単一民族国家だから差別などは無縁だとか、昔学校の先生が言っていたけど、それは間違いだ。

人種が違うからではなく、個々人の価値観、背景が違うから。

こういう問題って、民族だとか、人種だとかは本質的には関係なくて、人間同士の軋轢に寄るところが大きいと個人的には考えてます。

かく言うわたしも、海外赴任をしている際には「◯◯人はこれだからダメだ」と感じたことも、口に出したこともありますし、外国人からも「クソ日本人、日本に帰れ」と面と向かって罵倒されたことがあります。

いろいろ理不尽なことばかりが多いですが、決して手など出さず、
銀河英雄伝説のダスティ・アッテンボローのように

「それがどうした?」

と銀河最強の言葉で乗り切るのが一番です。

100%互いに不満がないなんてことはあり得ない。
社会で生きていくということは、国でも、組織でも関係なく、相手との距離感をどれだけ上手に制御できるかがポイントだ。

そんな訳で、いろんなことをひっくるめても、この人と一緒だとなんか楽しい。
そんな人になりたいものです。


たが、しかし・・・・

しかし、ですよ。

わたしは
「この展開、かなり前に、どこかで・・・」
と鑑賞後に首を捻っていました。

記憶を頼りに、グーグル先生にお力を借りましたら、出てきました!

物語の展開としては日本人にとってみればアレです。

知る人ぞ知る星新一原作『ブルギさん』
※映像作品としては、世にも奇妙な物語 268話/主演:田原俊彦

ドラマ 世にも奇妙な物語

でも、これで通じてしまった人もがっかりしないでください。

この作品は『ブルギさん』になる理由が星さんとは違いますし(笑)
もっとダイナミックに展開します。


ですので、敢えてわたしは
ハリウッド版『ブルギさん』
と命名しました。


憎い、とは転じて、嫉妬や羨望が隠れているケースもある。

この作品では「白人至上主義」かと思われるアメリカの、それも南部で
とある奇妙なコミュニティが、偏見を『偏愛』に転換している様が描かれます。

この『偏愛』度合いが、本作品を本年度最上級にイカれた映画に仕立てているのです。
(このセンス、脚本/監督の力量は素晴らしいです)

まさかの日本人登場(チョイ役ですがね)もあるのですが、それがよりこの映画の「人種」というテーマを際立たせています。

人種を乗り越えた融和ではなく、侵食されていくのではないか、という恐怖が。

そしてそこに絡んでくるのが不老不死の願望。
と、まぁ、このジャンル好きにはたまらないカルト要素ですなぁ。

異常な世界を極彩色に染め上げた感じはフィクションであることを強調すると同時に、
これを社会に出すには、ここまで作り上げないといけなかったのかと、唖然とさせられます。


「ゲット・アウト/Get out」

というこの映画のタイトル。

穿った見方をすると、これすら制作陣による一流のブラックユーモアであって、
イッちゃってるコミュニティからすれば主人公『ら』はWelcome全開の「Get in」なのです。
(大切なのは『ら』であること)

これから作品をご覧になられる方は

「誰が、どうして『出て行け』」と言ったのか?

に注目して観てください。

この作品のコピーである『何かがおかしい?』とは、
『ゲット・アウト=出て行け』の謎を解くことであり、
それが104分の旅を満喫するキーワードであると教えてくれています。

エンドロールを迎える頃には、このタイトルが意味深であることがお解りになると思います。


それから見逃せないのが、この映画では「めちゃくちゃカートゥーン」というか、ベタというか、ステレオタイプのマッド・サイエンティストが登場します。

イカれている度合いからすると、
『武器人間』(2013)のヴィクター・フランケンシュタイン博士

映画 武器人間 ヴィクター・フランケンシュタイン


『ムカデ人間』(2010)のヨーゼフ・ハイター博士

映画 ムカデ人間 ヨーゼフ・ハイター


には及びませんが、典型的な危ないヤツが登場しますぞ。

主人公が導かれるその「研究施設」の造形が50〜60年代を象徴したようなもので、個人的に胸を貫かれましたわ。

なんだろうなぁ、『007』の初期の頃、Qなんかが小言を言いながらひょっこりと姿を現しそうな。(こっちはイギリスですが)

アメリカの当時の造形とかも日本の「昭和」と同じように、すでに「異世界」感を醸し出すものになってしまったんですねぇ。

そして、イカレた連中の『解決策』とやらが武器人間に通じたのは笑えました。


ちなみに・・・・
人種差別とはものすごく根が深い問題です。
舞台となる南部では実際にこのような状況だったのです。
(舞台が南部ってなぜ?=スウィートティを飲んでましたからね!!!これも劇中での皮肉のひとつ。貴重品であった砂糖をふんだんに使ったアイスティーは、上流階級であり、白人社会の象徴のひとつです。)

日本の教科書では語られない 人種差別のおそろしい真実

たった60年前のこと。アメリカ人は凄惨な歴史の再来を恐れている。

そして、日本人もその対象でしたという記事を見つけました。

旅先ではご用心、人種差別がきつかったディープサウス (アトランタ) - 旅行のクチコミサイト フォートラベル

アトランタでのHolisunさんの旅行記です。


さらに本日ロケットニュースさんを閲覧中に、まさしく本作の根深い問題の本質を突いた記事も発見。

黒人男性が白人至上主義者をハグしながら「なんで僕を嫌いなのか?」と聞き続けたら衝撃的な回答が返ってきた

肌の色、生まれた場所、性別、外見、身分、職業......人間はさまざまなことで、正当な理由もなく他者を差別する。「◯◯だから、しょうがない」「これは差別ではない」などの舌先三寸な言い訳も聞かれるが、これからお伝えするような場面でも全く同じことが言えるのだろうか? ある 黒人男性が、白人至上主義者にハグをしながら「なんで僕のことが嫌いなのか?」と質問し続けた ...


あ!スウィートティについてのコラムもご紹介します。
(実はわたしコーヒーも紅茶も大好きです)

アイスティーの起源を追って|世界のお茶専門店 ルピシア 〜紅茶・緑茶・烏龍茶・ハーブ〜

アイスティーの歴史を遡ると、アメリカ南部の冷たく甘いお茶の文化にたどり着きました。



監督を務めた著名コメディアンのジョーダン・ピール氏。
今度はなんと本作の5倍ものバジェットで新たな映画製作をするそうです。

ブラックユーモアのかけ具合は、どことなく北野武監督にも似ていると感じました。

これは、ぜひ劇場に足を運んで頂きたい作品です。
極彩色で装飾されたフィクションに大いに笑い、その裏に隠された問題について考えてみるのも、ほんの少し世界のためになるかも知れません。

もう1作のイカれた映画
『a cure for wellness』
も公開されないか、切に願ってます。

これも本当におすすめです!

本作も十分キテレツですが、イカレ具合とぶっ飛び度はこちらに軍配。

・文月の過去の紹介記事

A cure for wellness 感想 ~つーか!おっさん!演技にかこつけて、どこ触ってんだ!羨ま・・・ぶ、ぶべら!!!~【映画レビュー】

ニューヨークの巨大金融系企業に勤める若手社員のロックハートは、アルプスにある療養施設ウェルネスセンターに行ったまま連絡の途絶えたCEOを呼び戻すために現地に派遣されることなった。 行き着いた先は人里離れた閉鎖的な山間の小さな町。 ウェルネスセンターも名前とは裏腹に、中世の古城を改築した土地に設けられていた。 デジタルとは程遠い世界に呆気にとられるロックハート。 ...


2017年映画鑑賞 175本目

◆overview◆


・原題:Get Out 2017年公開
・上映時間:104分

・監督:ジョーダン・ピール
代表作:『コウノトリ大作戦!』
・脚本:ジョーダン・ピール
     
・メイン・キャスト

ダニエル・カルーヤ
アリソン・ウィリアムズ
ブラッドリー・ウィットフォード
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
キャサリン・キーナー
スティーブン・ルート
ベッティ・ガブリエル
マーカス・ヘンダーソン
キース・スタンフィールド

2017/10/07

映画_アウトレイジ最終章 感想(評価/★:4)~群れを離れた狼の悲哀~【映画レビュー】

映画『アウトレイジ 最終章』本予告【HD】2017年10月7日公開

全員悪人 全員暴走 《関東【山王会】 vs関西【花菱会】》の巨大抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下にいた。そんな折、取引のため韓国滞在中の【花菱会】幹部・花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、《国際的フィクサー【張グループ】 vs巨大暴力団組織【花菱会】》一触即発の状態に。激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。時を同じくして、その【花菱会】では卑劣な内紛が勃発していた......。 『アウトレイジ 最終章』2017年10月7日(土)全国ロードショー 公式サイト:http://outrage-movie.jp/ ビートたけし 西田敏行 大森南朋 ピエール瀧 松重 豊 大杉 漣 塩見三省 白竜 名高達男 光石 研 原田泰造 池内博之 津田寛治 金田時男 中村育二 岸部一徳 監督・脚本・編集:北野 武 音楽:鈴木慶一 配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野 ©2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会

映画 アウトレイジ最終章 北野武

◆アウトレイジ最終章 鑑賞◆

評価/オススメ:★★★★

文月的採点(41/50点) 
この作品ジャンルは?:クライムサスペンス

オススメしたい人は?:全ての働くサラリーマン

印象を一言で?:今作は『ドラマ』・・・だとっ。


グロテスクですか?:今回は北野バイオレンスが極めて控えめです(注意:過去2作比)
それでもやることはやっています(笑)


過去の作品は観るべき?:
「アウトレイジ」、「アウトレイジ・ビヨンド」あっての、アウトレイジ最終章です。是非まだご覧になっていない方は地上波などで描写がカットされていない完全版を鑑賞してから足を運ばれると良いでしょう。


◆synopsis◆


山王会と花菱会の巨大抗争後、大友は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長の下にいた。

そんな折、取引のために韓国に来た花菱会幹部の花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。

これを発端として国際的フィクサー・張グループと巨大暴力団組織・花菱会が一触即発の状態となってしまう。

発端となった事件に激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。

時を同じくして、その花菱会では内紛が勃発していた・・・

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆



本日、2017/10/7より公開です。

文月はアウトレイジ、アウトレイジ・ビヨンドともに年に数回は観直すほどにこのシリーズが好きなのですが・・・・

・・・・うむむ!?

本作は『怒号の応酬』も『北野バイオレンス』もとても控えめ。

複雑に交錯したドロドロの人間関係の中で誰がいつ殺害されてしまうのか?
そういう方面でとてもハラハラしてしまう、シリアスな『ドラマ』になっていました。

また、伝説的な台詞と極端なまでの暴力描写で世間を騒がせたアウトレイジ。



「頭なら若いもんの責任とっててめえが指詰めろ」


「やぁってやっから、道具持って来いコノヤロ!」


「すぃらねえよん……だああああああああ!!!!!!!!」


「ウチの若いのよくも『取って』くれたなコノヤロー」


「わわわわ若い衆が勝手にやったことだからよ!?」


「指出せオラーーーーー!バズン!!!」


「舌出せ!出せって言ってんだろ!」


「おい『道具』出せ!」


「テメェらが会いたいから言うて、すぐ会えるほどウチの会長安ないで?」


「オイ、舟木。テメェも同じようにしてやるからよ、見とけコノヤロ!ぎゅいーーん!」


「見た!見た!思い出した!見たんだ待ってくれよ!見た!」


「おい、元の親分の所行こうぜ・・・。あ?『大友さん』だろコノヤロー!」ドゴッ!


「良かったなじゃねぇよ、おぉ!?てめぇどこ座ってんだよ!」


「You know you're dealing with the YAKUZA, right?」


「野球しよっか?」

これらの台詞で、シーンが連動されたア・ナ・タ。
フリークですねぇ。

アウトレイジ、アウトレイジ・ビヨンドは言ってみれば『バイオレンス』を娯楽にしてしまった北野監督独特のブラック・ユーモアたっぷりの作品でした。

わたしがこの作品をものすごく好きなのは、

「組織、社会、コミュニティ」

という、利害や力関係が発生する場所で生きなければいけない人の悲哀が凝縮されているからです。

つまり、アウトレイジという作品は『ヤクザ』というアイコンに収められた『社会風刺』なのです。

どこか自分とは関係ない場所の話ではないのですぞ。

キャッチコピーの「全員悪人」というのは実はすごく深くて、
「観ているあなたは果たして善人ですか?」と問いかけられているのです。

黙々と上からの、そして組織から受けている義理を通す人。

自分の出世や責任逃れのために、誰かを利用する人。

笑顔で接しておきながら、実は裏で別のやつと繋がっている人。

上の指示という言葉を大義名分にしてなんでもやる人。

虎視眈々と相手を蹴落とすことを狙っている人、狙われている人。

そして犬ころの様に誰かを慕い、信じてついてくる人。

このアウトレイジ3部作に登場する人物はもの凄くコミカルにデフォルメされた悪人達です。

そして、自分を、自分のまわりをよーーーーく、目を凝らして、冷静に見つめてください。

多かれ少なかれ、登場人物のキャラクターや、立ち振舞い、考え方、価値観が重なって見えませんか?

いやいや、そんなやつはいないよ。

そう言える人が果たして何人いることやら。

これは皮肉でもなんでもなく『生きていくって、そういうもの』なのだとわたしたちにノックしている北野武監督からのメッセージなのです。

彼らの放つ怒号、応酬、暴力が観ている側をどこかスッキリさせるのは、取りも直さず

普段自分が抑えてできないことを代わりにやってくれているからですわ。きっと。


――そんな訳で、最終章と銘を打たれた本作ではどれだけ「スッキリ」できるのか(オイオイ(汗))を期待してスクリーンに向かったのですが・・・・


本作は暴力ではなく
「群れを離れた一匹の狼(=大友)の悲哀」
がメインのお話になっていました。

あんまり痛くないので、門戸が広まったかも(笑)

北野監督が「バラバラに見えているけど、3つでひとつの作品」と公開前のインタビューで答えていました。

本作のメインテーマは「ケジメ」なのです。

起承転結の「結」

そして見えてきた「大友」という男は、過去の北野作品で描かれた「不器用だけど懸命に生きる男」達と共通している、かっこいい男だったのです。


まず、本作を楽しむためには登場人物達が置かれた状況と主要な人間模様を知ったほうが良いでしょう。


◆大友が属する「張グループ」

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図


◆そして今作で敵対するご存知「花菱会」

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図 2


※ちなみに、ピエール瀧さん。
本作でのコメディ部分というか笑える要素はほぼ彼に集約されています。
大島渚監督の『御法度』のトミーズ雅さん並にいい味出してます。


◆過去作からの因縁の関係はこちら

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図 3


◆大友という男が背負った『ケジメ』

そして、本作では過去の作品への配慮も忘れていません。
「ケジメ」とはアウトレイジ・サーガ全体へのケジメなのです・・・

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 相関図 ケジメ


◆大友を慕う若い衆

大友という男には不思議な魅力があって、作品全てに彼を強烈に慕う若い衆が登場します。
しかしながら、その若い衆達の末路も作品の熱度を上げる強いエッセンスになっていました。

(画像クリックで拡大されます)

映画 アウトレイジ最終章 大友 水野 木村 市川


これが作品のフレームになります。

・アウトレイジ最終章を楽しむポイント①


ますは「舎弟愛」というが本作品の見どころです。

大森南朋さん演じる本作の若い衆である「市川」。

文月としては、この市川は過去椎名桔平さん演じた「水野」、中野英雄さん演じた「木村」、ふたりの良いエッセンスを見事に受け継いだとても好感が持てる新キャラクターだったとえらく感激しましたわぁ。

激しすぎず、前に出すぎず、ひたすらに大友に従う姿がもう・・・・

それだけではありません。
悪人ながらも縦の主従関係がしっかりとしているのは、大友と市川だけではないので、
各シーンでどのラインが絡み合って動いているのかが解るととても楽しいです。

それでも、親子でも兄弟でもないのに、大友という男に惚れ込んだ市川の真っ直ぐさは萌え要素の重要な一つです。

大友と市川に共通するのは「息が詰まりそうな組織の枠より、自分の信念を通す」生き様でした。

自分がここまでできるのか?と自問自答してしまうほどの・・・


まぁ、語弊があるでしょうが、コジマプロダクションの小島秀夫監督が独立した時に集った人たちを観ているような気持ちになりました(小声)下記、リンクを貼ります。

わたしだって、ゴミ掃除係でもいいので馳せ参じたいのですが、無理だなぁ。

・アウトレイジ最終章を楽しむポイント②


『裏切り』の連鎖

冒頭でアウトレイジ最終章にハラハラさせられたと書きましたが、それは『一体誰を信じたら良いのか、大友の思惑すら解らない』ところにあります。

単純に「張グループ vs 花菱会」という構図ではないのです。

花菱会も一枚岩ではない、そして花菱会に後見されている山王会も、大友が属する張グループでさえも、しょーーーもないエゴが渦巻くドロドロの人間模様を展開します。

このあたりは北野監督お得意のコントを観ているようで、実際の鑑賞中もみなさん所々で笑い声が上がっていました。

解っちゃいるけど笑ってしまう、古典落語の境地ですな(笑)

しかし、ラストシーンを迎えるまで、誰がどの瞬間に「生命(タマ」取られてしまうのか全く油断できませんでした。

誰もが同じことを考えていて、状況をどれだけ自分の有利に持っていくか。

人間関係も、仕事も、極端な話ですとこれの繰り返しです。

その意味で、裏切りの連鎖とはフィクションの中でだけ展開するものではありませんぜ。


・アウトレイジ最終章を楽しむポイント③


それぞれの「ケジメ」

大友、張グループ、花菱会、山王会、警察と今回の事件を決着しなくてはならないのです。

互いに納得できる着地点、いわばそれぞれが落とし所をどこにするか、その腹の探り合いは内紛をコントロールしている誰もが考えて行動しています。

北野監督が描く美学とはあるひとつのベクトルに一貫して向けられていて、それが作品に漂う悲哀を一層深めているのですが、
本作品ではさらに、
それぞれが落ち着く所に落ち着いて
「一番悪い奴が天下を獲ったように見える」
収め方は、いずれまた悲劇は繰り返すのだろうとちょっぴり続編を期待してしまうような気分にさせますな。

でもアウトレイジ、アウトレイジ・ビヨンド、アウトレイジ最終章と3作品全てを観ている人はもちろんのこと、北野作品を愛している方ならば後半でピンと来る方も多いかもしれません。

アウトレイジというひとつの物語に「ケジメ」をつけるのであれば、
どうしようもなく決定的な終わりを迎える必要があるのでした。

群れを離れた狼の最後の咆哮を、是非ご自分の目でお楽しみください。

わたしはラストカットでどうしようもなく切なくなりました。


2017年映画鑑賞 165本目

◆overview◆


・原題:アウトレイジ最終章 2017年公開
・上映時間:104分
・監督:北野武
代表作:『brother』『ソナチネ』
・脚本:北野武
     

・メイン・キャスト
ビートたけし
西田敏行
大森南朋
ピエール瀧
松重豊
大杉漣
塩見三省
白竜
名高達男
光石研
原田泰造

 
  [映画感想]

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