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2017/11/23

映画_ギフテッド / Gifted 感想(評価/★:5!!)~こうして”おいたん”は”キャップ”になった ~【映画レビュー】

『gifted/ギフテッド』予告編

『(500)日のサマー』でセンセーショナルなデビューを飾ったマーク・ウェブ監督が贈るハートウォーミング・ファミリードラマの傑作『gifted/ギフテッド』が11月23日(木・祝)より日本公開! 主演は『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンスと、本作をきっかけに現代最高の子役スターの座に上り詰めた、大注目の新星マッケナ・グレイス。 ...

ギフテッド  / Gifted ポスター


◆ギフテッド  / Gifted 感想◆


評価/オススメ:★★★★★!!!!!!

文月的採点(44/50点) 
この作品ジャンルは?:ヒューマンドラマ

オススメしたい人は?:すべてのいわゆる『大人』の人

印象を一言で?:わたし、劇場でおいおいと泣いてしまいました。。。。
キュートな少女のピュアな心に瞬殺必至!

グロテスクですか?:グロテスクなのは、大人の事情です。


◆synopsis◆


フロリダに暮らすちょっと変わった2人と1匹の家族。

7歳の生意気ざかりのメアリーと、彼女の叔父でシングルのフランク、そして“歴史上一番すごい猫”のフレッドだ。

互いがいるだけで毎日が記念日のように楽しい時間はメアリーが学校へ行くことになり揺らぎ始める。

彼女には生まれながらにして数学の天才的な才能(ギフテッド)があった。

「普通に育てたい」

というメアリーの母である亡き姉の遺志に従って、フランクはメアリーの英才教育を頑なに拒む。

しかし、そこへ縁を切ったはずのフランクの母親が現れて彼からメアリーを奪おうとする。
歴史を変える才能の開花か、愛する者と生きる人生か

─果たして、メアリーにとってどちらが幸せなのか? 

悩めるフランクには、姉から託された“ある秘密”があった─。

※公式HPより


◆comment◆


2017.11.23 本日から公開です。

ビッグタイトルが並ぶ11月のラインナップの中に本作が埋もれてしまうかもしれない!
そんな危惧を抱きながら鑑賞しました。

埋もれさせるにはもったいない!!!

けっこうズシンと胸に響くシーンがあって、クライマックスの重要なシーンからわたし
劇場で人目も憚らずハラハラとずっと泣いてしまいました。
(ちなみにわたしはダンケルクでも涙しましたが、今回のとは別の意味の涙でした)

これは、、、、駄目。

あのシーンは嗚咽ものだわ・・・

マッケンナ・グレイスちゃんは反則。

あ、わたし最近妙に涙腺崩壊するボーダーラインが非常ーーーーーーに(笑)緩くなっているようでして、涙活には困らなくなってきています。

先日も「君に読む物語」(2005年)をようやく鑑賞して、泣きはらしたクチです。
はい。


さて、”おいたん”と女の子の物語な本作。

誰しも親類の方がいて、絶対に交流しているとは思いますが、おじさん、おばさんと

わたしの場合、世代的に”おいたん”と耳にすると、自動的に脳内検索結果で最上位に表示されるものはもちろんこちらです。

ご存知、ジェーシー”おいたん” from フルハウス
(もちろんCV:堀内賢雄さん)

フルハウス ジェシーフルハウス


本作を観なければ、文月的には永遠に”大好きなおいたん”はジェシーおいたんでした。

ギフテッドを鑑賞後にはクリス・エヴァンス演じるフランクが無条件でその座を奪う結果に!

すっかりキャプテン・アメリカとして認知されたクリス・エヴァンスですが、
本作では人類にとってではなく「ひとりの女の子」にとっての本当のヒーローになる
という
これまた多くの女性(だけでなく男性も)のハートを崩壊させる役を演じきっており、
アベンジャーズでは決して見せることがなかった「心の底から苦悩し、失敗し、怒り、考える」姿は本作の純度をものすごく高めてくれています。

マーク・ウェブ監督は『アメイジング・スパイダーマン』『(500)日のサマー』を手がけており、大振りだけど緻密な作風((500)日のサマーは傑作)が目立っていたので、
スクリーンの前でいつクリス・エヴァンスが赤い円盤を手にするのか(オイオイ)と始めはハラハラしていたのですが、意外なことに、純粋な「ドラマ」に終始したことが驚きでした。

妙な仕掛けも、複雑な伏線もなく、ただひたすらに「大人の事情」と「ひとり子供の幸せ」とは何か?を問いかける。

この作品はわれわれ大人の『大いなる善意』が持つ二重螺旋についてこれでもか!というほど再考させてくれるでしょう。

・・・・・

わたし、実はほとんど他人に(家族にも)言ったことがなかったのですが、
よくニュースなどで話題になる、幼少の頃からある才能を伸ばすために、あらゆる自由を制限して、その世界のいわゆるプロになっていく人を見ると単純にすごいなと感心することはもちろんでしたが「本当にそれがその人が心の底から望んだ生活、人生、幸せ」なのか?と首を傾げる類の人間です。

それに子供の頃に「これはあなたのためだから」という言葉のもとに、言ってみれば行動を制約されたのが、ものすごく苦痛でした。
自立できないのですから、仕方のないことですがね。
その反動で社会に出てから変に理不尽な上役などに後先考えず一撃(笑)してしまい、
後悔したこともしばしば。
そして、自立してからのほうが何百倍も大変だと気が付くのです。
自分で選び取った結果が現在。
満ち足りてはいないけど、これはこれでいい。
毎年増えていく税金や支払いに頭を悩ませながら、なんとか生きてます(笑)

もちろん、第一線で活躍している才能のある方とは、才能を開花させるために血の滲むような努力をしているということも知っています。
だからこそ、それに見合った”いろいろな対価”を得る権利も生まれるわけで。

その連鎖はそれを見るわたしたちに希望を与えてくれるのですが、
一方でその成功譚、エピソードが独り歩きして「あなたも、かくあれかし」と誰かを縛ってしまう鎖になってしまっていないでしょうか?

英語もホントに素敵な言葉だなと単純に感じたのは、日本語なら「先天性な才能」という堅苦しい言葉を『贈り物≒Gifted』と表現していること。

世界にはそういう気まぐれな奇跡が実は結構溢れているんだと思う。

では、その素敵な贈り物は一体誰のものなのか?

本作で考えるべきなのは、コレなのです。

才能があるなら、才能を活かして、成功を、偉業を成し遂げるべき。

これには誰もが頷くとは思いますが・・・・

コレっていわゆる「大人の事情」じゃないですか?

というか、「こうあるべき」と刷り込まれている考え方ではないですか?

類まれな才能を持っているのは自分ではないのだから。

本作はひとりの幼い女の子をいわゆる「大人の事情」が勝手に振り回していく様をストレートに描いていきます。

と、書くと、登場する大人は全員悪者のようにみえてしまいますね。

訂正すると登場する大人は実は「誰も間違っていない」のです。

誰もがヒロインであるメアリーの「ためを思っている」のです。

冒頭でわたしが書いた「大いなる善意」とはこの事になります。

だけど、その善意には「思われる側」の気持ちは考慮されていない。
グサリと胸の奥に刺さった何かは「これは全部あなたのためだから」という善意の仮面に隠れている現実の悪意でした。

孤軍奮闘するクリス・エヴァンスがヒロインの女の子を頑なに「普通に育てたい」と願うのにはきちんとした理由があって、決して勝手ではない。

だけど「世間一般」という最小公倍数の世界では、クリスこそが非常識ではないか?と映し出してしまう。

その皮肉、その不条理、その怒り。

「やっぱり自分が間違いなのか」と打ちのめされる姿。

キャプテン・アメリカが負ける姿。

そして、才能を持ってしまったが故に大いなる善意に振り回される小さく純粋な心。

だからこそ、”大好きなおいたん”が選択したあのクライマックスが「アクションを伴わないアクション」として観る側のハートを打ち砕くのでしょう。

そう、苦悩するキャプテン・アメリカがわれわれ大人に向かって投じたヴィブラニウムの盾はそんな常識を砕くのです。

だからあの子を救いに来たあの人の姿は、あんなにも切ないのでしょう・・・・

あぁ、駄目、書いているとまた涙が!?

わたしにはまだ思いを聞くべき「その子」には巡り合っていません。
だけどわたしはいつの日か「その子」が自分の意志をきちんと持ったら、
こう伝えると決めています。


何を選び、何をするのか。
たとえ家族が言ったとしても、決めるのは、選ぶのは君だ。
わたしたちは君よりも長く生きてしまった分、いろいろ嫌なことも知っている。
だから、口うるさく君に意見するだろう。
才能とは自分が気がつかない限り、他人が何万語を費やしても、伸びはしない。
だけど、自分ですべてを受け入れられる覚悟があるのなら、君が全部決めていい。
そして何が起きるのか、君が誰より自分で確かめるべきだ。
たとえ何が起きても、自分の意志で選んだのなら受け入れる。
それが”好きに生きる”ということだ。
その繰り返しが、生きていくということだ。


クリス・エヴァンス、これ吹き替えではCV:中村悠一さんがまたやられるのかな。。。
本作のクリス・エヴァンスこそ、中村悠一さんボイスで楽しんでみたい。
そして、あのシーンを観て、余計に泣くんだろうけど(汗)

そうそう、『ドリーム』でも好演したオクタビア・スペンサーも、メアリーのお友達としてものすごく素敵な役どころを演じていますヨ。

ともあれ、この映画を見て「自分以外の誰かにとっての幸せ」についてもう一度考えてみるのもいいでしょう。

本当にオススメな一本です。

2017年映画鑑賞 211本目

post from #pixelbook

◆overview◆


・原題:Gifted 2017年公開
・上映時間:101分

・監督:マーク・ウェブ
代表作:『アメイジング・スパイダーマン』『(500)日のサマー』
・脚本:トム・フリン
     

・メイン・キャスト
クリス・エヴァンス
マッケンナ・グレイス
ジェニー・スレイト
リンゼイ・ダンカン
オクタビア・スペンサー

2017/09/30

映画_ドリーム 感想(評価/★:4)~ゴージャス、デリシャス、デカルチャー~【映画レビュー】

映画『ドリーム』予告A

映画『ドリーム』公式アカウント。 2017年 第89回アカデミー賞3部門(作品賞、助演女優賞、脚色賞)ノミネート 宇宙開発史上の偉業を支え、新しい時代を切り開いた知られざる3人の女性がいた―― 【2017年9月29日(金)全国ロードショー】 ▼公式Facebookページ https://www.facebook.com/20thFOXjp/ ▼公式Twitter ...

映画 ドリーム Hidden Figures

◆ドリーム / Hidden Figures 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★

文月的採点(44/50点)
この作品ジャンルは?:ヒューマンドラマです。

オススメしたい人は?:すべての働く人達。目標に向かって進んでいる人。

印象を一言で?:本年度屈指の勇気の出る映画!

重い話ですか?:実は宇宙開発というのは作品のエッセンスのひとつで、見どころはいろいろな偏見と戦う女性たち、人間たちの物語。テーマは重いですが、天真爛漫なキャストたち明るさがそれを見事に中和しています。

◆synopsis◆


東西冷戦下、アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げている1961年。
ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所では、優秀な頭脳を持つ黒人女性たちが“西計算グループ”に集い、計算手として働いていた。

リーダー格のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)は管理職への昇進を希望しているが、上司ミッチェル(キルスティン・ダンスト)に「黒人グループには管理職を置かない」とすげなく却下されてしまう。

技術部への転属が決まったメアリー(ジャネール・モネイ)はエンジニアを志しているが、黒人である自分には叶わぬ夢だと半ば諦めている。

幼い頃から数学の天才少女と見なされてきたキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は、黒人女性として初めてハリソン(ケビン・コスナー)率いる宇宙特別研究本部に配属されるが、白人男性だらけである職場の雰囲気はとげとげしく、そのビルには有色人種用のトイレすらない。

それでも、それぞれ家庭を持つ3人は公私共に毎日をひたむきに生き、国家の威信をかけたNASAのマーキュリー計画に貢献しようと奮闘していた。

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月によりカット

◆comment◆


日本では2017/9/29より公開。文月は幸運にも公開初日に鑑賞できました。
監督はわたしのおすすめ作品のひとつである
『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ。

→文月の過去の紹介記事(この頃はまだ短いポスト)
『ヴィンセント~』で不覚にもおいおいと泣いてしまって以来のファンです。

よって、今回の作品は不安もなにもなく安心して劇場に足を運べました。

不安、といえば、この作品は邦題を巡って一悶着あったことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
わたしも以前の投稿で言及しました。

→文月の過去の紹介記事

本作はマーキュリー計画を題材とした作品。

つまり、『ライトスタッフ』達を支えた多くの人達、とりわけ理不尽なしがらみを乗り越えて業績を残した女性達の物語です。

光と陰。

言ってみれば、ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリーの様に、これまであまり語られなかった外伝として捉えることもできますが、実話であることが本作のミソです。

よって、わたしは本作を鑑賞した後に改めて『ライト・スタッフ』を観てみるつもりです。


映画 ライト・スタッフ


『ライト・スタッフ』予告編

The Right Stuff (1983) Official Trailer - Ed Harris, Dennis Quaid Movie HD

The Right Stuff (1983) Official Trailer - Ed Harris, Dennis Quaid Movie HD Subscribe to CLASSIC TRAILERS: http://bit.ly/1u43jDe Subscribe to TRAILERS: http://bit.ly/sxaw6h Subscribe to COMING SOON: http://bit.ly/H2vZUn Like us on FACEBOOK: http://bit.ly/1QyRMsE Follow us on TWITTER: http://bit.ly/1ghOWmt The story of the original Mercury 7 astronauts and their macho, seat-of-the-pants approach to the space program.


●ドリームとは?

さて、本作が描いているのは、マーキュリー計画の最大の難所であったアメリカ初の有人地球周回飛行が成功するまでの過程です。

しかしながら、意外と扱っているテーマは重いのです。

オープニングからいきなりそのものずばりの人種差別女性蔑視から始まり、
職場でのしがらみ嫌がらせ困難な課題への挑戦。

仕事を通して、そして私生活を通して、浮き上がっては頭を悩ませる現実という壁。

生きること≒働くこと というのは多くの人が共通して抱えているものですが、

この作品も『誰もおそらくが毎日感じていること』を映し出しています。

何かすごいことをした遠い国の本当にいた人のお話、という目だけで観られる人は少ないし、逆にもったいないですよ。

こう書かなくても、自分の生活とダブってしまう方は多いのではないのでしょうか(笑)


●主軸となる3人のレイディはこちら↓

(画像クリックで拡大されます)
映画 ドリーム Hidden Figures 主人公

3人とも、優れた才能を持ちながら『何かを耐えている』姿は印象的です。

彼女たちが身内だけに見せる素の姿と外での『ツン』とした態度。
どうしてそんな態度を取るのかはまさしく、
彼女たちが『耐えている』ものに起因しています。

●そんな彼女たちと関わることになる人達はこちら↓

(画像クリックで拡大されます)
映画 ドリーム Hidden Figures 相関図


面白いことに、彼らの姿勢、見識が『2対2』で別れているのも見どころです。


誰もが抱えているものと同じ、と書いたのには理由があって、

有色人種である3人の主人公だけでなく、彼女たちと関わる彼らも悩み、苦しみ、耐えているからなのです。

性別や人種など関係なく、自分の才能を活かせるところを掴み取れるということは、理屈なようで理屈でない、とんでもない事なのです。
多くの人が、何かを諦め、何かに苦しんで過ごしている。

わたしだって同じです。

ただ、今よりもはるかに不自由で理不尽なしがらみの中で、決して諦めなかった人たちがいた。

簡単に一括りにはできないし、映画として造られた以上、作中彼女たちが直面する差別という名の現実は、本当はもっと凄まじいものであったはず。

キング牧師のあの時代なのです。

それでもこの作品を明るくしているのは最高に明るくて、そして強く、デカルチャーでタフなレイディ達の姿に他なりませんな。

自分の居場所は、自分で勝ち取るもの。

そして居場所は自分でつくるもの。

つらい状況は誰にでも起こり得て、そしてその中で再起不能に陥ってしまうこともあるのだけど、

そんな時でも劇中のキャサリンのように背筋を伸ばし、

ドロシーのように図太く学び、

メアリーの様に不敵に挑む。

『ドリーム』という邦題を考えたライターさんなり、配給会社さんとしては、

彼女たちが魅せた不屈の姿に『古き良き健全なアメリカン・ドリーム』(頑張って金持ちになりましたというのではない)を見たのだろうなと考えました。

ま、『新感染』とかいう、座布団全部持っていかれそうなのボロクソタイトルと比べれば、まあアリですな。
(誤解のないように。『TRAIN TO BUSAN』はマ・ドンソクのタフガイぶりに最高に燃えた口です。はい。わたしがケチを付けているのはこの邦題。何が「新しい感染」なのか、
詳細なレポートを提出してもらいたいくらい個人的には憤ってます)


人類初の有人飛行を成し遂げた人。

アメリカ人初の地球周回軌道飛行を成し遂げた人

その陰に、アメリカの黒人女性初の偉業を成し遂げた女性がいた。

エンドロールが「良かったね!めでたし、めでたし」だけでなく
しっかりと彼女たちにフォーカスして終わります。

観る側としては、それをしっかりと心に刻むことで真のエンディングを迎えられることでしょう。


●ちなみに

IBMの特設サイトには、主人公の彼女達にフォーカスした動画もあって、改めてすごいことをした人達なんだなと脱帽しちゃいます。興味のある方は御覧ください。


しかし本作は『走る、走る』

観客席から立ち上がって応援したくなるくらい、走る。

象徴的なシーンなので必要な描写なのですが、

あたし、仕事中にあんなに走ったら、すぐに早退します。


2017年映画鑑賞 160本目


次回予告、『コノヤロー!バカヤロー!』なあの映画です(笑)

◆overview◆


・原題:Hidden Figures 2016年アメリカ公開
・上映時間:127分

・監督:セオドア・メルフィ
代表作:『ジーサンズ はじめての強盗』『ヴィンセントが教えてくれたこと』

・脚本:セオドア・メルフィ アリソン・シュローダー
     
・メイン・キャスト
タラジ・P・ヘンソン
オクタビア・スペンサー
ジャネール・モネイ
ケビン・コスナー

2017/09/23

映画_スイス・アーミー・マン 感想(評価/★:4)~さあ、歌おう!らーらー、ららららーらー~【 映画レビュー】

映画『スイス・アーミー・マン』予告編

無人島で助けを待つハンクのもとに流れ着いた一体の死体。 しかしそれは壮大な冒険のはじまりだった―! ダニエル・ラドクリフ×ポール・ダノ競演! 2016年のサンダンス映画祭で監督賞、シッチェス・カタロニア国際映画祭では最優秀長編映画賞と主演男優賞、 そしてヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭では観客賞を受賞!! 数々の映画祭で注目を浴び、話題をさらった『スイス・アーミー・マン』がいよいよ日本上陸! 監督・脚本:ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン(ダニエルズ) 出演:ダニエル・ラドクリフ、ポール・ダノ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド 提供:ポニーキャニオン/カルチュア・パブリッシャーズ 配給:ポニーキャニオン 9月22日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー http://sam-movie.jp/ ©2016 Ironworks Productions, LLC.


映画 スイス・アーミー・マン Swiss Army Man ダニエル・ラドクリフ

◆スイス・アーミー・マン 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★☆
(この映画に何を求めるかで★の数は無限に変化します)

文月的採点(37/50点) 


この作品ジャンルは?:コメディ、ヒューマンドラマ

オススメしたい人は?:『自分』を探しているすべての人

印象を一言で?:らーらー、ららららーらー

グロテスクですか?:お下品で、ちょっと汚らしい。そう思われる方が多いでしょう。


◆synopsis◆


無人島で助けを求める孤独な青年ハンク。

いくら待てども助けが来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたまさにその時、
波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着く。

ハンクは、その死体からガスが出ており浮力を持っていることに気付く。
その力は次第に強まり、死体が勢いよく沖へと動きだす。

ハンクは意を決し、その死体にまたがるとジェットスキーのように発進!
様々な便利機能を持つ死体の名前はメニー。

苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、
メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。

「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。
果たして2人は無事に、大切な人がいる故郷に帰ることができるのか──!?


※公式HPより

◆comment◆


ご機嫌いかがですか?文月陽介です。

さて、2017年は珠玉の作品が多い中で、とても異色な映画が公開されました。

この作品はおそらく『ゲット・アウト』(10/27公開)と双璧を成すであろうイカれた部類の作品です。

このイカれ具合がすごいところは、作品の解釈自体を極めて難しくしている点でもあります。

単なるバカの妄想か、ふざけているのか。

あのポッターくんに『こんなこと』をさせるなんて!とお怒りのレイディもいらっしゃるかもしれませんね。

(「おれれれれれれ」から「にょきにょきーーん」まで。)

ネット上の感想を拝見しても、がっかりした、笑えた/感動した、とまったく正反対な声があがっていて、もしもこれから劇場に足を運ぶつもりで事前情報を見られている方の中は、それらを見て躊躇されるかもしれないですね。

・・・・何を隠そう、文月もエンディングを迎えた後に少々呆気にとられて。

「なんじゃこりゃ?」

もしも頭の上にポップアップでメッセージが表示されるとしたら、
わたしには、「あの怒涛のオープニング」からエンディングまでずっと浮かんでいたことでしょう。

ぽわーんとしたお花畑をずっと眺めていたような。

しかし、しかし、ですよ。

公開初日の鑑賞からまる一日頭をクールダウンしながら本作について、アレヤコレヤと思いを巡らした結果。。。。

この映画は文月としては
「誰もが抱えている心の弱さをさらけ出し、浄化させていくロードムービー」
なのだと解釈しました。


無茶苦茶な例えを承知で書くと、

ものすごーーーーーーーーく明るいテイストの

『世界の中心でアイを叫んだけもの』

(庵野監督のあのアニメの最終回)ですわ。。。
あのアニメファンの方、すんません!


だって、あたくしラストシーンで思わず


「おめでとう」

エヴァンゲリオン 碇ゲンドウ



と、顔の前で両手を軽く組み合わせながら呟いてしまったんですもの。。。。

予告編でも、公式サイトでも、公開前のニュース記事でもさんざん取り上げられているので、ネタバレではないのですが、この物語は世に失望して生命を絶とうとした青年が、偶然にも死体を発見し、その死体のありえない能力によって危機を脱し、交流し、故郷を目指すの過程が描かれています。

ダニエル・ラドクリフ演じる死体は、万能サバイバルツールとしてだけではなく、ポール・ダノ演じる主人公と言葉を交わし、交流し、文字通り『生ける屍』として旅を共にする重要な役割を果たします。

すべては、この「メニー』と名乗る死体とは一体何であったのか?

ここを観る側がどう解釈するかが鍵となります。

「おめでとう」

そう呟いたわたしは、おそらく、好意的に作品を飲み込めたのだと思います。

わたしがキーボードの前で硬直してしまったのは、メニーどう受け止めればいいのかに戸惑ったからなのです。

別作品になるのですが、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2013)

映画 ライフ・オブ・パイ


に登場したトラのように、メニーとは何か別のものであると。

うーん、と唸っていたのですが、

結論はやはり、


苦境の中、死んだような人生を送ってきたハンクに対し、
メニーは自分の記憶を失くし、生きる喜びを知らない。
「生きること」に欠けた者同士、力を合わせることを約束する。

と公式サイトに書かれた言葉どおり、
主人公の「自分を見失っている姿」がラドクリフくんなのでしょう。

メニーは劇中のさまざまな場面で主人公を助けるサバイバルツールとして活躍(このあたり、ドラ○もん的に見えるのは日本人だからでしょう)するのですが、実はそれこそが、

「自分自身の隠れた可能性」

を暗喩しているのだと文月は想到して、ようやく腑に落ちました。

―自分にはまったく価値がない、何もできない。

物語はポール・ダノが無人島で首に縄をかけるところから始まります。
これを額面通り受け止めるのではなく、
主人公が観ている(思い込んでいる)心の風景だと捉えたらどうでしょう?

つまり

この作品の風景、出来事はすべてポール・ダノ演じるハンクの心の中で巻き起こっていて、ある若者の迷いと葛藤、そして再生と浄化を無駄に壮大な演出で(笑)描いている

と文月としては消化したのです。

心の風景とは、結局のところその人の現実を映し出すものですから、心が灰色だと見るものすべてが同じ色に見えてしまうものです。

流れ着いた死体であるメニーはそんな自分の姿の象徴であり、お下品で腹を抱えてしまうような驚きのギミックも、AIアシスタントとの会話のようなやりとりも、前者は若者らしいノリと勢い、後者は素直になれない不器用な自分の本心をストレートに表現している。

そうだとするならば、トンデモ展開にも妙に合点がいくのです。

無人島から森にたどり着き、その森のなかで迷い、それでも自分の意思で家に帰えろうとし(=自分を受け入れる)、通過儀礼として現実を知り(彼の場合は両親との関係と初恋)、最後に過去の自分と決別をする。

誰もが通る「あの道」をここまでストレートに描いた作品はなかなか魅力的です。

そういう訳で、

「いやー、なんだか意味わからんし、つまんないねー」

とバッサリしてしまうには、惜しいのではないかなぁ。

終着点を迎える過程がもどかしく、それでいて馬鹿げているのだけど、誰にも打ち明けることができない人の心の内側って、彼らが96分の旅路で見せてくれたものと、大差ないのではないのでしょうか?

ただしこの物語のように、

過去の自分も、もうひとりの自分も、

「自分の一部」であって、

捨て去るのではなく、

「還してあげる」

という非常に大切で忘れがちなことを、見つめ直してみるのも必要なのでしょう。

今の自分も過去の自分も、ともに完全ではありえない。

結局のところ生きることは、大小様々な過ちとどうにか折り合いをつけ続けることなのかも知れません。

「おめでとう」

2017年映画鑑賞 155本目

次回更新予告:『ドリーム』(予定)にわたしは夢を託すのです!!!

◆overview◆

・原題:Swiss Army Man 2016年アメリカ公開
・上映時間:96分

・監督・脚本:
ダニエル・シャイナート
ダニエル・クワン
代表作:『Interesting Ball』(2014)

     
・メイン・キャスト
ポール・ダノ
ダニエル・ラドクリフ
メアリー・エリザベス・ウィンステッド


2017/09/16

映画_エイリアン コヴェナント 感想(評価/★:5)~全ての生命に祝福を~【映画レビュー】

映画『エイリアン:コヴェナント』予告D

"映画『エイリアン:コヴェナント』公式アカウント。 巨匠リドリー・スコットが解き明かす"エイリアン誕生"の想像を絶する真実! 【2017年9月15日(金)全国ロードショー】 ...


映画 エイリアン コヴェナント Alien: Covenant

◆エイリアン コヴェナント / Alien: Covenant 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★★
(もっとあげても良い)

文月的採点(45/50点) 
この作品ジャンルは?:SFホラーです。

オススメしたい人は?:リドスコのエイリアンファンだけでなく、あえて、子供を持たれている方すべてにオススメしたいです。

印象を一言で?:エイリアンが怖いという映画ではないです。違うものが怖い。

グロテスクですか?:描写もさることながら、全体的にダークな印象。

前作は観たほうがいい?:『プロメテウス』を観ていないと、一番コアな部分が恐らく本作だけでは解らない物語です。是非前作を復習されてから鑑賞ください。

◆synopsis◆


宇宙移住計画を実行するために地球を旅立ったコヴェナント号は、
コールドスリープ中の男女2,000人を乗せて、
植民地と成り得る惑星を目指していた。

しかし、あるアクシデントが発生し航行に重大な支障がでてしまう。
コールドスリープから目覚めた主要クルーらによる修復作業のなか、
謎の電波を受信する。

本来であればあり得ないことではあるが、航路を変更して
電波発信元に向かうコヴェナント号とクルー達。

そこは本来の目的地よりもはるかに地球に酷似した環境の惑星だった。

調査に赴いたクルーたちは、そこで奇妙な形をした建造物の残骸を発見するが・・・・
開けてはならない箱を持つあるものが待ち受けていた。

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正


◆comment◆


2017/9/15 日本では昨日から公開です。

あぁ、始まった。すべての絶望がここから始まったのだ・・・

本作のキービジュアルに書かれています
『絶望の、産声』というコピーには、、、、、
お見事という言葉しか浮かびません。
この一言には、いろいろな意味が含まれていますよ。
ライターさん、本当にお見事。脱帽です。


映画 エイリアン コヴェナント Alien: Covenant


映画鑑賞後にもう一度見返しましたが、わたしは唸ってしまいました。


うむ。
映画やドラマを鑑賞していて不快な感覚になることは早々ないのですが、
久々に悪寒と「気持ち悪さ」を感じた文月です。

本作を紹介するにあたって、どこに力点を置くかで書かせてもらう文章が
まったく違う方向に行ってしまうのです。

あのバリバリの予告編から多くの方が想起されるのは、それこそリドスコが監督ではありませんが「エイリアン2」であったり、その次であったりなのではないか?と考えます。

もちろん、後述しますがそういう面で感じる視覚的な恐怖も本作の魅力のひとつです。
(わたしが感じた「気持ち悪さ」を猛烈に押し上げた要因でもあります)

しかし「プロメテウス」から本作、そして「始まり」へというリドリー・スコットが描いた3作品すべてをよくよく考えてみると、「生命」というものの美しさというものを人間がものすごく歪めてしまっているのではないか?ということを感じました。

この作品、結局何だかよく解らんけど、とりあえず気持ち悪かった。
と観られた方の感想が割れるとすれば、「グロいだけ」と言われかねないリスクもあるのですが、そこから何かを掬い上げて、この映画をより楽しんでもらうことができればと。

残酷描写だけを楽しむのはもったいない作品ですから。

映画って、結局はどんな風に楽しんでも良いものなのですけど、
わたしとしては映像の裏側にあるものを考えながら観るのも一興ですよと言うことが言いたいだけなのです♫


●エイリアン コヴェナントとは?

さて、エイリアン コヴェナントとはどういう物語かと言いますと、
いわゆる「どうしてそうなった?」を追いかけるストーリーです。

そしてこの作品の真の主人公は申し訳ありませんが、リプリーを彷彿とさせる
キャサリン・ウォーターストンだと思ったら大間違いになります。きっと。
もちろん彼女が成すのはこの話をリードしていく重要な役柄です。
そして素敵です。でも違うのです。
彼女すら、本作においては添え物のひとつになってしまっています。

さらに見逃してはいけないのは前作とも密接に関わってきますが「プロメテウス」というタイトルの意味だと考えます。
わたしは
「本当は誰がプロメテウスだった(あるいはプロメテウスになろうとした)のか?」
「プロメテウスはいったい何をしたのだろうか?」
「コヴェナント/covenant」とは何を意味するのか?
を自分なりに紐解くことで、リドスコが何を訴えたいのかが掴めたように考えます。

すべてを握っているのは、別の存在なのです。
(鑑賞される前の方のために、この核心的な部分のネタバレは致しません)

と、小難しく書いても「プロメテウス」をしっかりとご覧になった方はすぐにピンと来るのでご安心ください。

エイリアン:コヴェナントとは「もう始まっている物語だったのです」

人類の、そして、生命の起源が何処にあるのかが解明されていなくとも、
わたしたちは子孫を残すことができるし、なおかつ「新たな生命」を造りだすことすら可能になっているのです。

何の因果か、鑑賞後にわたしは「エクス・マキナ」を本作と共通している部分があるとリンクさせて考えてしまいました。
※エクス・マキナの過去の紹介記事

どういう経緯であれ、産声をあげたものに等しく宿るものが「生命」
その価値に差があるのか?優劣があるというのか?
造られた生命は誰のものなのか?

生物は少しでも長く生き残り、子孫を残していくために、あらゆることをするもの。
進化もそのために必要なプロセスなのです。

たとえ別の種を利用し、取り込み、もしくは滅ぼすことになったとしても、
結果として姿形が始まりと変わったとしても、
自分たちの「種の保存」を優先するもの。

それが叶わなくなった種は、淘汰されるのが運命。

それが「創造主」たる何者かが等しく定めた「生命の性」

リドリー・スコットはわたしたちに、そんな「生命の性」に触れることができるようになった人類に対して本作を通じていくつかの問題提起をしていると考えます。

・「ヒト」に創造主としての資格があるのか?

・「ヒト」の主観を、立場を変えて見てみると、どのように映るのか?

これは単純に力を誇示する強者の姿を示しているのかもしれません。

新たな生命が「完璧な生命」であるとは決して限らない。

恐らく「完璧な生命」とは、ヒトの美意識などでは計り知れない姿をしている。

もっと言えば「種の保存」のみを突き詰めた「完璧な生命」の姿≒今のヒトの所業とは本作で主人公達を襲うクリーチャーと同じではないだろうか。

他の生命から見た場合、ヒトであるわたしたちの姿も行為も、グロテスクであり、恐ろしいほどの脅威なのだろうな。

全知全能の神ゼウスですら、プロメテウスの所業を止めることはできなかった。
神であるプロメテウスですら、善意で成した行いで過ちを犯した。
神という種ですら、完璧ではない。ひとつの意志など持ち得ない。
それぞれに思考も価値観も優先するものも違う。
ましてやヒトは神ですらないというのに、生命の性に逆らい、新たな生命すら身勝手な理由で造り出す。忠実なる下僕として。

造られた側からしてみれば、生命の進化の鎖の外にヒトによって置かれてしまった理不尽さに気が付かない訳はありません。

そして、自らの血と肉を使い、種を残すことができないのであれば。。。

始めから「ヒト」の不完全さを理解しているのであれば、
その不完全さを埋めてしまえば「完璧な生命」ができあがる。

自分はそれができる。それができるようにすべてを定義され、どういう価値観であっても事象を理解できる存在なのであるから。

その手段も見つけた。なんと美しく、強い種であろう。

不完全な自分の創造主≒父は愚かで脆い。

その過ちを正すことで己が抱える不完全な哀しみを埋めようとした。

逆説的にそれが創造主の願いを叶えることになるし、己も創造主になることができる手段だったのです。

わたしは「あの存在」の狂気の所業の根幹にはこんなものがあったのではと感じたわけです。

名前って大切。わたしの中では、ひとつにつながりました。
(変な邦題付けられなくてよかった)

そういう訳で本作で上げられる「絶望への産声」の扉を開いたのは、実に皮肉な存在であり、元を正せば、○○だったのでした。
(ネタバレの為伏せ字)

本作のクリーチャーは、種の進化と保存を貪欲に行おうとしているだけなのです

ホント、考えてみれば本当に気持ち悪い化け物です。

寄生した宿主の遺伝情報を的確に取り込み、「その姿」すら変えていく。

ヒトに寄生すれば、ヒトの姿に。それ以外に寄生すれば、それ以外の姿に。

後に派生した「エイリアン」というコンテンツの設定もきちんと拾うリドスコ。
(リドスコが完璧なまでに繊細であることを、いまさら書く必要はありませんので省きます。リドスコは『世界』を作ってしまう方なのですから)

怖いよねぇ、グロいよねぇ、身体バラバラになっちゃうし、『あり得ない勢い』だし。
と冒頭にも書いたように、純粋なSFサバイバルホラーとしても、きちんとセオリーを踏んでいるのでドキドキハラハラは堪能できます。


それでもわたしは「どうしてこんな事が起こってしまったのか?」を探っていく過程で感じた恐怖が勝りました。


わたしにとっては、正当な理由に基づいた狂気が、己が心を通わせた精神的な『母』であり『恋人』に対して示した全身全霊の『愛』のカタチが相手も「完璧な生命」にしてあげることだったというのが、一番気持ち悪かったのですが、それも「ヒト」の主観なんだろうなぁ。

あれ真っ白なビジュアルも強烈だったし。ましてや『ものすごい可能性』を秘めた狂気のやり取りをしていたのが、ある意味斬新でした。
恍惚さすら感じた、あのシーン。あー、怖い(汗)
だけど、あれって・・・・あの人でしょ!?!?!?!


完全な狂気に支配された『方舟』が、今、『始まり』へと旅立ちます。

この恐怖。是非ともご堪能ください。

2017年映画鑑賞 153本目

◆overview◆

・原題: Alien: Covenant 2017年公開
・上映時間:122分
・監督:リドリー・スコット
代表作:『エイリアン』『ブレードランナー』
・脚本:ジョン・ローガン
ダンテ・ハーパー

・メイン・キャスト

マイケル・ファスベンダー 
キャサリン・ウォーターストン
ビリー・クラダップ
ダニー・マクブライド
デミアン・ビチル
カルメン・イジョゴ
ジャシー・スモレット
キャリー・ヘルナンデス
エイミー・サイメッツ
ナサニエル・ディーン
アレクサンダー・イングランド
ベンジャミン・リグビー
ウリ・ラトゥケフ
テス・ハウブリック

2017/07/23

映画_ウィッチ / The Witch 感想(評価/★:4)~壊れていく、その恐ろしさを~【映画レビュー】

映画『ウィッチ』 公式予告編

息詰まる"正しき世界"を離れ、幻想と悪夢の森を少女がさまよう―あなたはまだ、本当に恐ろしい魔女映画を知らない!愛する娘は魔女なのか?『スプリット』のアニヤ・テイラー=ジョイ主演 サンダンス映画祭 監督賞受賞 映画 『ウィッチ 』 公式サイト http://www.interfilm.co.jp/thewitch/ 2017年7月22日(土)より公開!


映画 ウィッチ The Witch アニヤ・テイラー=ジョイ


◆ウィッチ/The Witch 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★★

◆synopsis◆


1630年、ニューイングランド。
理不尽にも住む街を追い出された父ウィリアムと母キャサリンは、
5人の子供たちと共に森の近くの荒れ地にやって来た。
しかし、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明になってしまう。
連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か。
悲しみに沈む家族だったが、あろうことか美しく成長した愛娘トマシンが
魔女ではないかと疑いはじめる。
疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく・・・。

※公式HPより

※ネタバレ防止に付き、一部文月加筆訂正

◆comment◆


怖い。
こうも簡単に壊れていく、脆い人間達の絆・・・
すべての望みが絶たれていく中で、少女が選択した「救済」
そして交わされる妖しくも神聖なる「契約」

2017/7/22より公開、昨日鑑賞してきました。
文月が今年鑑賞する劇場公開されたホラー作品はどういう訳か、トーンが似ているのです。

本作も『ジェーン・ドゥの解剖』と方向性は同じトーンでありながら
もっと人の心を深く抉ってくる感じの映画です、はい。
空恐ろしさについては本作が勝ります
そして、なんとなんと、本作と『ジェーン・ドゥの解剖』は製作陣など全く関連なのですが、実は共通した事件/出来事をベースに扱っています。。。
2作観られた方にはお解りと思いますが、面白いですねぇ。

★文月の『ジェーン・ドゥの解剖』レビューはこちら↓↓↓↓
ジェーン・ドゥの解剖 感想~解剖ホラーってドヤ顔で名付けた奴、前に出なさい~【映画レビュー】

本作は一言で言うと、アメリカで「実際に起きたある事件」のその起源を当時の記録や資料などをもとに描いているのですが、ホラーとしての恐ろしさというよりも、
冒頭でも書いたように、

人間の絆というものが、たとえ家族であっても、あんなにも脆く崩れ去っていってしまう恐怖を描いているのです。

目に見える恐怖とは別の恐ろしさを感じます。
この映画の気持ち悪さを表現するのに他の作品の名前を出しますと語弊があるかと思いますが、『冷たい熱帯魚』(2010年) 



や『呪怨』(2000年)にも似た狂気を孕んでいます。


※予告動画のリンク貼ります。
※『呪怨』が最も狂気に満ちているのはオリジナルビデオ版だとワタクシは思いますので、こちらをあえて紹介しました。

単純に怖いと思わせることのできるグロいシーンばかりを並べることなく、かつ、効果的に使っている点はドラマを引き立たせてくれます。

最も得体の知れなくて、おどろおろどしい、人間の闇の話。

それがこの映画で観るべき主題です。

魔女、悪魔というものはどこか別の世界からやって来るものではない。
それはいつもわたしたちの側に知らぬ間に寄り添っていて、弱く脆い人間の心に入り込んでかき回す。誰もが持ち得る狂気こそが、それを生み出してしまう。。。。

もの凄く可憐な天使のようなアニヤ・テイラー=ジョイ演じる主人公ら家族が見舞われる事件は当時としても(あるいは現代も)起こり得るものですが、堰を切ったように続く救いのない出来事の連鎖は、観ている我々をも「狂気」を覚えさせるのに十分です。

敬虔なキリスト教徒であるがゆえに、「狂気」に歯止めをかけられなくなる家族。

映画 ウィッチ The Witch アニヤ・テイラー=ジョイ
※『スプリット』とは印象が全く変わりますね!!!まあ、どちらの作品でも幻想的な容姿をしていますが♫

そして、実はそれをずっと観ていた『ある存在』

それは直接手を下すことなく、純朴な家族をひとりひとりとまた苦しめ、狂わせる。
自らの娘を『魔女』だと決めつけていく。

全ては生娘(純粋な魂)を手に入れるために巡らされたという巧妙な罠だったのです。

家族を繋ぎ止めている『父親』の存在。
ソレにとっては最も邪魔な『父親』は最後まで立ち向かう勇気と信念を持っていました。
それが無残にも倒された時、家族は離散します。

この家族が壊れていく様って、社会のいろいろなものを暗喩している気がして仕方がないのです。

すべてが壊れた後に、耳元に聞こえてくる悪魔の囁き。
それが本作の最大の見所になるのですが、最後の最後まで正体を明かさないところが安っぽくなりかねない作品のリスクを見事に回避しています。

あぁ、そう言えばこいつは家族の側にいた。
オカルトに詳しい方ならピンとくる姿で、そして巧みに家族の側にソレは潜り込んでいたのです。
ずっと狙っていたのです。

そして始まる狂気の宴。

魔女とは、どこからかやって来るものではない。
生み出されるもの、望まれて現れるものだと。

つまりは人間の闇が生み出した存在なのです。

ソレは、耳元で甘い言葉を吐き、背中をそっと押しただけ。

この映画の鑑賞直後からワタクシは昔見た、ある一枚の絵画が頭に浮かんできてしまい、
それが離れません。

The Nymphaeum (1878)
ウィリアム・アドルフ・ブグロー作の絵です。
映画 ウィッチ The Witch アニヤ・テイラー=ジョイ ニンフ

ギリシャ神話に登場するニンフという精霊を描いた絵画です。
ニンフは時として、森のなかで旅人を魔力で惑わせたり、取り憑いて正気を失わせることもしていたようです。

いわゆる醜い魔女とは象徴として作られたアイコンであり、人を狂わせる(そして悪魔が喜ぶ)には「官能的な美しさ」が必要なのでしょう。

救いを求め、受け入れたもの。
結果を想像しようにも、YESとしか言えないようにあらゆる望みが絶たれる不条理さ。
たとえ相手がどのような存在であれ、弱い人間は「苦しみ、悲しみ」から逃れたい。
つまり現実というもの恐ろしさをわたしたちに突きつけているのでした。

ちなみに、本作の狂気と妖しさを見事に表現しているアニヤ・テイラー=ジョイさん。
本年公開の『スプリット』(M・ナイト・シャラマン監督)で一気に知名度が高くなりましたが、実は本作での演技が評価されて『スプリット』に抜擢されたのです
製作も公開も本作のほうが先。
日本公開が逆なため、誤解される方がいるかもしれないので、補足させてもらいます。


あ。。。いつの間にか、昨年の鑑賞本数到達まであと5本になってる・・・

2017年映画鑑賞 132本目

◆overview◆

・原題:The Witch
2015年公開(日本公開2017/07/22)
・上映時間:93分

・監督:ロバート・エガース  
・脚本:ロバート・エガース

・メイン・キャスト
アニヤ・テイラー=ジョイ
ラルフ・アイネソン
ケイト・ディッキー
ハーベイ・スクリムショウ
エリー・グレインジャー
ルーカス・ドーソン


2017/07/15

映画_パワーレンジャー 感想(評価/★:3) ~ワンチャンス、ありますよね?~【映画レビュー】

『パワーレンジャー』予告編1

日本生まれ・アメリカ育ち。 ヒーロー映画全盛期に新たに名乗りを上げた5人の戦士が、 ついにその姿を現す――。

映画 パワーレンジャー  Power Rangers 


◆パワーレンジャー 鑑賞◆


評価/オススメ:★★★
(いい話ではあるんです!!!!)

◆synopsis◆


遡ること時は紀元前。
古代の地球で世界の運命を決する、大きな闘いが終焉を迎えていた。
ある5人の戦士たちによって守られた地球。
そこにはやがて新しい命が芽生え、物語は現代に帰ってくる。

小さな町・エンジェル・グローブに、普通に暮らす若者たちがいた。
ジェイソン、キンバリー、ビリー、トリニー、ザック。ありふれた日々を過ごす彼ら5人は、
偶然にも同じ時間・同じ場所で不思議なコインを手にし、超人的なパワーを与えられる。

自分たちの力に困惑する彼らの前に現れたのは、
かつて世界を守っていた5人の戦士=“パワーレンジャー”の一人・ゾードンと、機械生命体・アルファ5。
古代の地球で封印された悪の戦士=リタ・レパルサが蘇り、
再び世界を滅ぼそうとしていること、そして彼ら5人はその脅威に立ち向かうべくコインに選ばれた、
新たな“パワーレンジャー”であることが明かされる。

しかし、自らの運命を受け入れられない彼らは、まだその秘めたる力を解放できずにいた。
地球に残された時間はあとわずか。果たして彼ら普通の高校生に、
この世界を救うことができるのか?
世界が、そして仲間たちが危機にさらされた時、ついに“その力”が目覚める。

※公式HPより

◆comment◆


ずいぶんと気前の良い第一話・・・・
またもや『始まりの物語』・・・・

吹き替えに杉田さんが参加している、ただそれだけの理由で字幕版の後で吹き替え版を観てしまった。(水樹さん、三上さん、沢城さんももちろん)

ご存じの方が大半だと思いますが、日本発のヒーロー戦隊をアメリカで
リメイクしているのが本作の下地となるMighty Morphin Power Rangersです。

ゴジラにしろ本作にしろ、ハリウッドリメイクというのはある種のギャンブル。
(ドラ○ンボールの事言うなよ!!ゼッタイだ!聖闘○星矢のことまだ触れるなよ!!)
俳優さんも、吹替え陣も豪華、宣伝も派手・・・・嫌な予感だ。
と個人的にはハラハラしていたのですが・・・・

もの凄くコテコテの爽やか青春ドラマでした。

とは言え、本作は個人的には非常に困りものです・・・
何が困るかというと、特に真新しい発想のストーリーでも、設定でもないのです。。。
あ、これLIFEの回でも書きましたね・・・

こういう一見派手だけど、実はスタンダードな作品を人にオススメするのって難しいかもと
何も難しく考えず、ストーリー単体とした場合には間違いなく「いい話ねぇ」と思われることは多いでしょうけど、好みが激しく別れそうな気がしないでもない。

本作にド派手なアクションを求めた方には、本当に終盤までオアズケをされるでしょうし、若者の爽やかなラブストーリーとも言えない。それっぽぉい、甘酸っぱさは感じますけど(笑)

まったくもって偶然に、ある日突然超人的な能力を手に入れてしまい、それに戸惑いながらもそういう運命と向き合う・・・ヒーローものそのまんまのお話です。
けっこう無理矢理使命を押し付けられた感を受けましたけどね(汗)

等身大の自分と向き合うという一番多感な時期を迎えている彼らが主人公だからこそ、爽やかさが絵面から失われない仕上がりになっています。

そういう意味で「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」とものの見事にトーンが対照的ですよ!!!

MARVELやDCヒーローとは一線を画しているところは取りも直さず「日本のヒーロー」が元になっているからで、そこが過度にアメリカナイズされていないところは、ワタシ達も安心して観ていられますし、それなりに熱い想いを抱いてしまうのです。

本作では「普通の少年少女たちがヒーローになるまで」のドラマが重厚すぎるくらい重厚に展開していきます。

ドラマパート8:戦闘2ぐらいの配分です。

不思議なことに飽きませんでした。
むしろ、ドラマパートだけ連続ドラマとして放送して欲しい。

あぁ、いいなぁ、、、なんて思ってしまったり(笑)

パワーレンジャーとして平和を守るための戦いは、本当にクライマックスでしか描かれない。
プロセスを大切にした丁寧な物語。

あぁ、なんとかお伝えできる表現を書けたのかも知れないです♫

それでも「あのテーマ曲」が流れた瞬間には興奮しましたよ!!!
オアズケをされていた事も相まっていたんでしょうけど。

オレたちの戦いは今始まったばかりだ!
君も後楽園遊園地で僕と握手(激しく古っ!!)

そんなぶん回し方でお話は纏められています。

これはゼッタイ、もうワンチャンス、ありますよね?
と言いたくなる。

というより、狙っているのでしょう。

王道は結局受け入れられやすいのですね。

結果、なんやかんやでワタクシも不思議な充実感を覚えたままで劇場を後にできました。

そういう訳で吹き替え版も完全に狙ってます!
細かいことを書くと良くないので控えますが、吹替版になった途端に「完全に日本のヒーロー戦隊」になっちゃう。いいですな。

個人的にはワタクシはイエローのベッキー・G嬢(CV:水樹さん)の爽やかなお色気にメッタメタにされてしまいました。
彼女の本業の方の曲買っちゃうんだから!!!!

そういう訳で、謎の高揚感を味わいたい方には是非ご覧いただきたいです。

そうそう。大人も子供も十分楽しめます♫

2017年映画鑑賞 122本目

◆overview◆


・原題:Power Rangers
・2017年公開
・上映時間:124分

・監督:ディーン・イズラライト
・脚本:ジョン・ゲイティンズ

・メイン・キャスト
デイカー・モンゴメリー
ナオミ・スコット
RJ・サイラー
ベッキー・G
ルディ・リン
エリザベス・バンクス
ブライアン・クランストン
ビル・ヘイダー
デビッド・デンマン



2017/06/09

映画_パトリオット・デイ 感想 (評価/★:4)~こうして、事実は物語になっていく~【映画レビュー】

映画『パトリオット・デイ』本予告(6/9全国公開)

6/9(金)公開『パトリオット・デイ』本予告。 2013年に起こったボストンマラソンの爆弾テロ事件の、容疑者特定から逮捕までの102時間を描く、奇跡の実話!
映画 パトリオット・デイ マーク・ウォールバーグ

◆パトリオット・デイ 感想◆


評価/オススメ:★★★★

文月的採点:(40/50点)


◆synopsis◆


2013年4月15日。
誰にとっても『ありふれた1日』になるはずだった・・・・

殺人課の刑事トミーは朝からボストンマラソンの警備に駆り出されていた。
オリンピックの次に歴史の古いこのマラソン大会は、毎年祝日である“愛国者の日”に開催され、117回目を迎えるこの日も50万人の観衆で賑わっていた。

次々と走者がゴールインする最中、トミーの背後で突如大爆発が起こる。歓声は悲鳴に変わり、逃げ惑う人々と折り重なって倒れる負傷者で現場はパニックとなった。

到着したFBIのリックは現場に散乱した金属片を見ると「これはテロだ」と断言。
テロ事件はFBIへと捜査管轄が移ってしまう。
犯人逮捕に燃えるトミー達ボストン警察の警官たちは歯ぎしりをするが、病院を回って負傷者たちへ地道な聞き込みを行う。

やがて監視カメラに映る不審な“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”が容疑者として浮上し、事件はアメリカ全土を揺るがす緊迫の事態へと発展していくのだった……。

※公式HPより
※一部文月加筆訂正

◆comment◆


この映画は決して踊る大捜査線ではありません。
もちろん事件と対峙するのは多くの警察の方です。
ただし題材は起承転結はありますがいわゆる「ドラマ」ではありません。
結果としてドラマチックに展開した事件を描いています。

非常にデリケートな事件を扱った本作。
アメリカという国はメモリアルをものすごく大切にする。

そのあたり日本とは違うのかなぁと感じます。
もちろん日本人だってそういうものを大切にするけども、違っているのは手法です。
日本では伝統的に事件や事故なんかをタブー視する傾向があり、
アメリカはその逆で明らかにしたり、キャッチコピーなんかをつけてシンボルにしてしまうことでイベントの温度を高めているように感じます。

監督はハンコック(2008年)とバトルシップ(2012年)は個人的には好きだよピーター・バーグ。
ローン・サバイバー(2013年)はSEALsがひたすら崖から落下して痛かったという印象が先行でしたが。

主演はバーニング・オーシャンにつづいて、わたしにとってはおそらくずっと”ボブ・リー・スワガー”マーク・ウォールバーグ。タフガイかと思いきやテッドでガラリとおちゃめキャラを演じたり、プロデューサーとしても幅広く活躍してます。
脇を固めるご存知ケビン・ベーコン、クローバーフィールド10のでっかいおっさんジョン・グッドマン。
おそらく本作いちばんのタフな男はJ・K・シモンズ。見ての通り、男、男、男。
そんな中、存在感たっぷりのカンディ・アレキサンダー(CSI:マイアミをご覧の方にはおなじみです)も結構イカしてました。

話を戻します・・・
実はワタクシの自宅の近所にものすごく紳士なアメリカの方が住んでいて、
ワタクシのものすごく適当な英語でも陽気に受け入れてくれる方なのですが、
ある日激しい夕立が鳴った夕方にその方に「Enjoy storm!」と声をかけられました。
また、飼っていらっしゃる子猫が不慮の事故で亡くなった際にも、お悔やみを言うと
「彼はいい人生だった」と片言の日本語で答えてくれました。

ワタクシはこのパトリオット・デイを鑑賞した際に(他にもノンフィクションの映画を観た際に)、凄惨なイベントであっても、何かを必ず見出そうとする彼らの「強さ」に素直に脱帽してしまうのです。

前述の方の言葉も同じでした。

もちろん全てが全て同じだとは言えないのだけど、そういうある種プラスに転じていく
「陽気さ」がアメリカという国を、そこに住む人を「ドラマチックに」してしまうのだろうと思います。

この作品はある記事で「踊る大捜査線」と日本人がイメージしやすいコピーで飾られていたのでお断りしますが、
派手で真っ赤に塗りたくったようなBGMも熱血青島刑事も可憐なすみれさんも出てきません。
極力淡々と何が起こったのか?を描いています。
この監督とマーク主演の「バーニング・オーシャン」と基本は同じテイストです。
ドキュメンタリー寄りのノンフィクションベースのフィクションという微妙な映画になるのかなぁ。
というのも、ノンフィクションとはいえ映画という枠に収めるためには事実の再構成も、情報の取捨選択も必須だからです。
つまりは「解釈」の問題になるわけです。
(「バーニング・オーシャン」については、google+でも感想を書かれています
[Satomi “さとちゃ” B]様 http://eiga.com/movie/84435/review/01551064/ の記事も紹介いたしますが、まったく同感です)

そういうわけで「描かれた事実が真実であるのか?」「どこまでを汲み取っているのか?」は考えないといけないところです。

結局のところこの事件の真相は映画では描かれません。というより、描けないだろうと。
この作品は社会に問題提起をしている訳でも、事件を考察している訳でも、悲劇を演出している訳でもないと思います。
ではこの映画ってなんで作ったの?
バーニング・オーシャン同様に(あれよりは偉そうでもないけど)、わたしたちの「何気ない普通の生活」って、実はものすごく危ない薄氷の上に立っていることを「淡々と示して」いるのだと考えます。
無言のメッセージとして。
そういう意味で突然会場が爆発する、例のシーンは「本当に怖い」ですな。

なにも悲観的に考えているわけではないのだけれど、普通の生活が壊れる時、いつだって犠牲になるのは「わたしたち一般人」であって、それを解決するのも「わたしたち一般人」なのです。
この事件で活躍するボストン警察の人たちも家族がいて、恋人がいて、笑い合える仲間がいる「一般人」なのです。
今までヒーローを演じてきたマーク・ウォールバーグも(複数の人のエピソードを繋げているけど)「普通の街の警官」なのです。
不幸にも犠牲になった方も、犯人側へと迫るきっかけを作ったのも、犯人側と戦ったのもヒーローではなく「わたしたちと同じ普通の人達」なのでした。

最初にもどりますが、そういう訳で、この映画は決して踊る大捜査線の様なエンタテインメントではありません。
明確な答えがない映画。だからちょっと難解かも。
だって、わたしたちの生活は「ドラマ」ではなく「現実」なのですから。


2017年映画鑑賞 93本目

◆overview◆


・原題:Patriots Day 2017年公開
・上映時間:133分
・監督:ピーター・バーグ   
代表作:『バーニング・オーシャン』(2017年)
・脚本:ピーター・バーグ
          マット・クック
          ジョシュ・ゼッツマー

<メイン・キャスト>
マーク・ウォールバーグ
ケビン・ベーコン
ジョン・グッドマン
J・K・シモンズ
ミシェル・モナハン
アレックス・ウルフ
セモ・メリキッゼ
ジェイク・ピッキング




2017/06/01

映画_LOGAN / ローガン 感想 (評価/★:5)~ああ、気になさらないでください。多少時間が たったパンでも湯気をあてると、けっこうおいしく食べれるものです。~【映画レビュー】

映画「LOGAN/ローガン」インターナショナル版予告(字幕版)

映画『LOGAN/ローガン』公式アカウント。 見届けよ、ヒュー・ジャックマンが全身全霊で演じる"最後"のウルヴァリン 孤高のヒーローの集大成として体現される誰も見たことのない"生身の人間"ローガンの魂の叫び! 【2017年6月1日(木)全国ロードショー】 ▼公式Facebookページ https://www.facebook.com/WolverineJP/ ▼公式Twitter ...

映画 ローガン LOGAN ヒュー・ジャックマン


◆LOGAN/ローガン 感想◆


評価/オススメ:★★★★★

文月的採点:(45/50点)

◆synopsis◆


ミュータントの大半が死滅した2029年。
長年の激闘で疲弊してしまい、生きる目的も失ったローガンはアメリカとメキシコの国境付近で雇われリムジン運転手としてひっそりと働いていた。
X-menであったことを隠し、自分とも向き合うことを拒むローガン。

しかし期せずして起こしてしまった事件により、ある組織に存在を知られてしまう。

そしてローガンの前にガブリエラと名乗る女性が現れる。
彼女はローラという謎めいた少女をノースダコタまで連れて行ってほしいと頼んできた。
組織に追われているローラを図らずも保護することになったローガンは、チャールズを伴い3人で逃避行を繰り広げることになるのだった・・・

◆summary◆

本日2017/6/1公開です。
さすがに注目されていただけあって、公開前だというのに
結構な情報量で作品についての言及があった本作。
(お幸せな試写会組の方などもいらっしゃいますから)

ワタクシとしては未鑑賞の映画については可能な限り公式サイトや特集記事やスタッフなどのインタビュー記事だけを見て作品に臨むのが好きなので、毎度いろいろな方のレビューを見たい衝動を必死に抑えています。

本作については劇場に運ぶ直前に見た出演者のインタビュー記事が『LOGAN/ローガン』を理解するのにドンピシャにハマったのと、ワタクシが個人的に刷り込まれている
ある宿命的な(笑)ものの見方(偏見、偏愛)が鑑賞直後から頭を巡っております。

これからようやくいろいろな方のレビューを見させてもらいます。
おそらく読ませていただくほどに、ワタクシの宿命的(笑)な理解の偏りを感じることだと思います(後述)

本作を理解するのにワタクシはこの作品を参考に致しました。

クリント・イーストウッド監督主演『許されざる者』(1992年)です。
映画 許されざる者 クリント・イーストウッド

ヒュー・ジャックマンの本作のビジュアルが恐ろしいくらい『許されざる者』のクリント・イーストウッドとダブりました。

解説にネタバレに繋がるものがありますが、もうウィキペディアにすらストーリーの核心が書かれている状況で・・・・(2017/6/1現在)

ですのでワタクシとしては、詳細には触れない形で作品を通して見えてきたものを書かせてもらおうと思います。

◆comment◆


え?X-MENがロードムービー?
と、簡単に思ったワタクシは
このお話をキチンと解っていなかったのです。

すごくいいんですよ!!
繰り返します!!
すごくいいんですよ!!!
素敵な映画なんです!!!!
でも・・・・
さぁて困ったぞ・・・・というのが、劇場から外へ出たときの印象でした。
うんうん悩んでしまったんですよ、実は。
ストーリの奥に一体何があるのか??と。

前述しましたが『許されざる者』からヒントを得て、ワタクシなりにこのお話を消化できたのではないかと考えます。

『許されざる者』については、こちらの記事に掲載されていたヒュー・ジャックマンのコメントのお陰でたどり着くことができました。


(↑↑ORIVERcinemaより:記事を書かれたTakatoshi Inagaki様、本当にありがとうございました。)
※映画に出てきたのは違う話やんけと既に本編をご覧になってからこちらに来て頂いた方、すみません。
そちらについてはあとで書きますから。

長いので珍しく区切ります。

本作のあらすじなどは公式サイトや他の方のレビューに譲ります。

①はじめに

まずひとつ、映画をまだご覧になっていない方にご案内です。
これまでの「X-MEN」のノリで観てしまうとガッカリされますよ、きっと。
それにスーパーヒーロー万歳の「アベンジャーズ」とも、個人的には最高の「デッドプール」なんかとも同じ感覚ではこの作品は観られません。
DC作品になりますが「ダークナイト」とも「バットマンVSスーパーマン」ですら、この際違うと言ってしまいます。

ダークという形容詞では本作は捉えられません。

LOGAN/ローガン』は『かつてヒーローだった』ひとりの男による血生臭く、無骨で、不器用な生き様を描いた作品です。
そしてヒーローですら所詮は虚構に過ぎないと『本作』のウルヴァリンの姿を通して痛烈に表現しています。
それでも、それでも、紡がれるもの、受け継がれていくものを護ろうとする
『ひとつの時代の生き残りたち』の葛藤と決別がテーマです。

②『LOGAN/ローガン』を堪能するために

ヒュー・ジャックマンがインタビューで答えた『許されざる者』への言及。
お陰でなるほどと腑に落ちました。

『許されざる者』MovieWalker様の記事。
ちなみに予告編(英語版です)


LOGAN/ローガン』の根源的な部分は、確かに『許されざる者』を通して紐解いていけそうです。

<『許されざる者』ストーリー>
 
 主人公のビルはかつて冷酷な無法者でした。しかし最後に人殺しをしたのは11年前であり、現在は幼い子どもと貧しい生活をしています。

 体力もないし、勘も衰えている、今では馬にも満足に乗れない(この辺は劇中何度も転ぶシーンが象徴しています)、そして全盛期には何の苦もなく扱えたであろう射撃の腕もかなり鈍くなっている(庭での射撃シーンはある意味胸が苦しくなります)

 「名を馳せた無法者」の力を借りようと、賞金首を追うためビルを誘いに来た若い甥っ子であるキッドから、過去について言及された際に感じる苦い思い。
 この辺、劇中にローガンが『ウルヴァリン』の過去について触れられたりコミックにされている自分の虚構を苦々しく感じているところと共通しています。

 それでもビルは「子供の将来のためお金が必要なため」モーガン・フリーマン演じるかつての相棒ネッド・ローガン(奇しくもローガン!!)とともに、娼婦をナイフで傷つけたふたりの賞金首を追うことにします。
 ビルとしてみれば、今の自分を知っているかつての相棒と組むことで、自分の弱点をカバーしたかったのでしょう。
 ただし相棒のネッド・ローガンも、今でも腕には自信があると言っていたものの、いざ賞金首を奇襲した際には抵抗を止めた人間にトドメをさすことを躊躇い、震えてしまいました。

 ビルもネッドも殺した相手に魘されるなど自分の無法者としての血、つまり過去によって深く傷ついているのでした。ただし後悔をしているというより、どうしようもないものだと受け入れて戦っているのです。
 その苦しむ様はものすごく哀しくし、愁しい。

 最初の賞金首を仕留めたのは粋がって殺しを自慢していた(5人殺したと言っていた)甥っ子ではなく、ビルでした。
 居た堪れなくなったネッドは途中でパーティを抜けることにします。
 しかし運悪く捕らわれてしまうネッド。
 彼はジーン・ハックマン演じる(ものすごく好演)保安官らによって激しい拷問を受けてしまいます。

 その間にビルと甥っ子は二人目の賞金首を殺害し、逃走することに成功します。
 じつは甥っ子にとってそれは『初めての殺人』でした。

 期せずしてネッドは同じ日に保安官達に撲殺され、遺体は無残にも酒場の入り口に晒されてしまいます。

 ビルが今の苦しみを内包したまま過去の血を取り戻し、単身保安官達と対峙するきっかけは「許されざる時」を共有した相棒の無残な死だったのです。
 
  保安官が手下とともに残りのふたりを追い詰めると息巻きながら酒を飲んでいるバーにたったひとりで現れたビル。
  静かだが屈強な男どもが凍りつく程の怒り。
 
 そこには時に抗うことを諦めてしまった老人の姿はありませんでした。
 恐れられた冷酷な無法者。容赦など持ち合わせていない「殺し合い」が当たり前に行われていた時代の自分。
 
 そのビルが臨む最後の、そして圧倒的な戦い。
 
 全てが終わった時、ビルの後ろ姿には『己は結局無法者であること』へのどうしようもない哀しみが溢れていたのです。

 保安官のいわば傍若無人な姿は「自分の過去」にも通じていたのでしょう。
 ビルが初めて彼らと出会った際一方的に殴られるのですが、それはビルが「自分の過去」によって傷を抉られていることを意味していることに他なりません。

『許されざる者』とは、かつての冷酷な自分たち(ビルとネッド)であり、粋がって「殺し」を背負ってしまった甥っ子であり、秩序を守ると言いながら街を支配する保安官であり、彼に従ってネッドを殺したり、無法をしていた手下、仲間であり、逆説的に賞金稼ぎに殺しを依頼した娼婦たちであり、黙って見ているしかない民衆であったり、つまりはその時代のモラルでした。(=制作当時のアメリカも暗喩しているのでしょう)


・・・さて、

③オールドマンローガンと『許されざる者』のビル

・ビルはかつては名を馳せた無法者だったが、妻のお陰で改心し今では子供のために生きようとしている(病気で亡くした妻の面影を追う)

・ローガンはミュータント最強の名で知られていたが、現在は老いの影響があり往時の能力が失われつつある。期せずして、自分の遺伝情報を持った”少女”と邂逅してしまう。

 ビルは必要に迫られて賞金首を追うことになりますが、ローガンは状況が飲み込めないままで、なし崩し的に脅威からの逃亡を図ります。
 ローガンが望んでいたのは戦いではなく「世間から離れて静かに安全に暮らせる場所」でしょう。
 ミュータントとしてではなく、X-MENとしてでもなく、ましてや『ウルヴァリン』でもなく、ひとりの「ローガン」として。
静かに普通の市民として暮らしたかったのは『許されざる者』のビルも同じでした。

 しかし、特異な存在であるからこそ世界はそうした者を放っておくことはしないものです。ローガンは『ウルヴァリン』としての自分と否が応でも向き合うことになります。
 それが”少女”である(ここではまだ”娘”ではない)ローズとの出会いであり、自身の過去の象徴として現れた『X-24』でした。(X-24が何であるかはここでは書きません)

 ある意味で親であり、敵であり、友人であったプロフェッサーXはローガンからしてみれば「自身によって」害されてしまったようなものです。

※このあたり、ローズを守ること、プロフェッサーXを守ること、『X-24』を含めて『ウルヴァリン』に追いすがる敵を倒すことはどこまでも「自分の宿命」とローガンを対峙させる構図になっていて、『許されざる者』のビルが過去の亡霊に苦しむ様と重なります。


④『許されざる者』が象徴するもの

『許されざる者』の舞台は1881年です。あの有名なOK牧場の決闘があった年。
ワイルドウェストと呼ばれた西部開拓時代の終焉にあたる年代です。

というのも1890年に入るとアメリカはフロンティアの消滅が唱えられ、またインディアン戦争は集結し、進歩主義時代の幕開けであり、ここから先は帝国主義~世界大戦の時代へと加速していきます。

アウトロー、カウボーイがもはや『記録上のもの』や『伝説』となってしまう寸前です。

本当に冷酷な無法者だったビルの重さと、ファッションとして無法者を演じていた甥のキッド。
『許されざる者』が描くもうひとつの重要な描写はこのふたりの対照的なスタンスです。

 甥っ子のキッドは、賞金を受け取った後で人殺しはもうたくさんだとカウボーイのアイデンティティであるリボルバー(武器)をためらいなくビルに向かって放るんです。
(ビルはこの後で保安官たちと対決するので、銃をよこせと迫ったんですが)
 
 武器を捨てるとは、取りも直さず無法者ではなくいわゆる「一般市民」になるということであり、次の時代にすんなり溶け込んでいくということです。
 誰かの生命を奪うという『殺し』の意味をある種中途半端に捉えていたが故に、実際に人を殺めておきながら目を背け、新たな時代に逃げ込んでしまう。
 彼らにとって武器は簡単に捨てられるものだったという悲しい事実
 というのも、彼ら若者が時を刻んでいく新時代はアメリカという国家がきちんと市民を護ってくれるように機能するからだ。

 自分で自分を護らなくても良くなるから、わざわざ腰からホルスターを下げる必要もないということ。

 皮肉なことに武器を手放した彼らの子供の世代が世界大戦を経験するのだけど。。。。

 一方で『許されざる者』の世代であるビルは、己の筋を通す手段として武器を捨てることはできなかったわけです。
 老いてもなお銃を手に戦うビルの姿が『西部開拓時代』に生きた漢そのものを象徴していたということですね。

 甥のキッドはビルの最後の戦いには同行しません。
 彼は賞金を受取ると、特に惜しむことなくビルと別れるのです。
 旧世代と新世代の呆気ないほどの決別。。。。
 これは監督であるクリント・イーストウッドからの痛烈なメッセージではないでしょうか?


⑤結局のところ『LOGAN/ローガン』とは?
 
ただ、『許されざる者』よりも壮絶なのは『LOGAN/ローガン』なのです。

 「ローガン」ではなく『ウルヴァリン』の遺伝子を受け継いでしまったのがローズ。
残念なことに彼女は『ウルヴァリン』のアイデンティティであるアダマンチウムの爪を捨てることはできないのです。
 それは取りも直さずミュータント最強である『ウルヴァリン』の遺伝子と強力な武器とともに『ミュータントとしての宿命』を背負ったまま新しい時代を生きていくことに他なりません。
 ここが『許されざる者』との最大の相違点ではないでしょうか? 
 
 ワタクシは本作の根源的な部分にはそういうものが流れていると考えました。

 ローガンもプロフェッサーXも『許されざる者』の最後の生き残りとして、辛い宿命を背負うことは目に見えている次世代の子供たちを敢えて護ろうとしたということになるのです。

 銃撃戦に最期までアダマンチウムの爪で立ち向かった『ウルヴァリン』
 どれほど不利だと解っていても、どれほど傷だらけになっても、どれほど無様であっても子供たちに迫る追跡者達の前に立ちはだかるローガンは、老いた『許されざる者』が全生命を賭して挑んだ過去と未来、双方への決別の姿です。
(まったく世界が違うのですが、長坂の戦いの張飛ですなΣ(´∀`;))
    悲しいことに、この時になりようやく「ローガン」は『ウルヴァリン』である自分を取り戻し、そして『父親』であることを受け入れたのです。

 次世代の子供たち、繰り返しますがとりわけローズについては生涯『ウルヴァリンの遺伝子情報を持つ生命体』としての呪縛は解けないことは確実なのに父は子を護ったのです。

 ミュータントの遺伝子、X-MENというイコン達のMEME、SENSEは受け継がれる。

どのようなものでも抗えないもの、老いと死
どのようなものでも抗えない関係、親と子(遺伝子)
どのような形であれ残っていくもの、GENE、MEME、SENSE

ここまで書いてしまうとバレますね。
冒頭で述べた宿命的な理解の偏りとはご存知『メタルギアソリッド』でしたΣ(´∀`;)

小島監督が打ち出した普遍的なテーマと、時代が移り変わるという寂しさと希望。
LOGAN/ローガン』にはそれがある。

『メタルギアソリッド』については小島秀夫監督好きのワタクシにはもはや刷り込まれているようなものですから(汗)これはこれで問題(笑)なんだけど。
『許されざる者』というヒントがなければ、メタルギアメインの記事になっていました。
メタルギアソリッド オールド・スネーク 小島秀夫
この場合にはMGS4を引き合いに出しましたね。

だって、黙っていたけどオールドマンローガンって名前がどうしたってオールドスネークに聞こえるんだもの!!!(もちろんこちらのビジュアルもね)


●番外:劇中で用いられた『シェーン』
 もう数多く方が紹介されていますが、劇中に『シェーン』(1953年)が印象的に用いられています。台詞も引用されています。
映画 シェーン

 有名過ぎるこの映画も、一度銃を手に取るともう逃れられないというメッセージが背景にあって、それは言わずもがな『血の宿命』を暗喩しているのでしょう。

 また『シェーン』が製作された時代を象徴しているのはアメリカの光と影(戦後景気による経済の活性化、ハリウッドの黄金時代と冷戦初期の重大局面である朝鮮戦争というアンバランスさ)だと見ました。
 あえて本作に『シェーン』を用いているのであれば、そういう背景もあるのでは?
 つまり現代のアメリカへの暗喩です。と、まぁ穿った見方をしちゃいました。


で、結局オススメするの?
もちろんYESです。


2017年映画鑑賞 93本目

◆overview◆


・原題:Logan 2017年公開
・上映時間:137分
・監督:ジェームズ・マンゴールド
代表作:「コップランド」(1998年)、近年だと『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)
・脚本:マイケル・グリーン『エイリアン・コヴェナント』『ブレードランナー2049』
    スコット・フランク『マイノリティ・リポート』(2002年)

<メイン・キャスト>
ヒュー・ジャックマン
パトリック・スチュワート
ダフネ・キーン
スティーブン・マーチャント
ボイド・ホルブルック
リチャード・E・グラント



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第7並行世界のユートピア

物語の海に溺れる中で、フレーズ、イメージを繋ぎ合わせて生まれた短いストーリー達を文月陽介が書き留めます。 特定のジャンル、モチーフにこだわらずに、ひとつひとつの物語を紡いでいます。 ※筆者の気まぐれにより不定期更新です。

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