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2017/03/11

【映画 感想】13時間 ベンガジの秘密の兵士  ―ランボーなんかいない。厄介者達が守りきった、2012年のアラモライン―

[映画感想]


13時間 ベンガジの秘密の兵士 鑑賞

原題: 13 Hours: The Secret Soldiers of Benghazi
2016年公開

オススメ:★★★★★

※サブタイトルがなんだかファンタジー調に見えますが、ゴリゴリのシリアスドラマです。

―経緯、原因、背後関係、過去の負の遺産。
何万語を費やしても、そして費やさなくとも、「シンボル」となってしまうものがある。

9.11。(そして日本なら3.11)

こんなにも短い数字が物語るのは僕達なんかが軽々しく書くこともできないものなんだと個人的には思う。
ネガティブでも、ポジティブにでも「シンボル」はどうしようもないくらい「シンボル」なのだ。
2012/9/11。その日にリビアで起こった事件を描いたこの映画は9.11という数字が、アメリカにとって、世界にとってどのようなものなのかということを再認識させるものだ。

いつだって本当は必要であるはずの人が、邪険に扱われることはある。
インテリジェンスの最高峰だと自負しているCIA(の神話は崩れてしまったけど)の情報局員たちは名門大学を出て、成功を約束された、あるいは世界を変えているのは自分たちとと信じてそれぞれの「準軍事作戦」やら「諜報工作」に従事してる。

彼らにも彼らの言い分はあることは認めるけど、「使う側」の人たちなのだ。
だから自分たちの仕事を邪魔する連中は厄介者だと感じてしまう。
彼らの任務は「危険地域」で行われているという事実と任務を全うするには「安全」であることが大前提だということを忘れて。

この物語の主要人物たちは元軍人でプロフェッショナルではあるけども、「使われる側」の民間軍事会社の職員だ。
使っているCIAからすれば「部外者」だし「金食い虫」だし「ごちゃごちゃ言わずに静かにしていろ」って存在。

あくまで外注さん。こう言えば、サラリーマンとしてはしっくり来るのかも。
一緒に仕事をするけど、身内ではない・・・そんな感覚。
それってちょっと切ないと個人的には思うのだけど。

しかし、そんな使う側の彼らも、結局はピラミットの頂点にはいない。
それが緊急事態の際に露見する。
自分たちこそ、他国に居座る部外者(=厄介者)だということが・・・
「誰も助けに来ない」という事実とともに。

圧倒的な怒り、暴力の前では、生まれも、育ちも、容姿も、性別も、学歴も、年収も、キャリアも、将来性も、全く無意味だ。

そうした時に顔色ひとつ使えずに、「自分たちが助けに行く」「自分たちが守る」と淡々と装備を手に取る男たち。それが「部外者」で「金食い虫」で「ごちゃごちゃ言わずに静かにしていろ」と言われていた厄介者たちだった。

漢。

本筋で言えば、民間軍事会社の職員である彼らは「元軍人」ではあるが、契約外(映画を見ればイレギュラーの付随業務として一時的に命じられる事情もあるのだけど)の異常事態に対してここまで危険を犯す必要はないように思える。

それでも仲間の、同国人の(対象がVIPであることも、この際脇において)、危機を見捨てない。10人にも満たないチームでも、「自分たちができるとこ」を遂行する。

上から目線で見下すようにしていた彼らの背中に、戦う姿に、「使う側」の人間たちが何を感じたのか。

そして、ランボーなんかいない現実の戦闘では、失われるものが多すぎる。。。。
同じ実話をベースにしたものでも、
ブラックホーク・ダウン(2001年)の様に、大勢の仲間がいるわけでもない。
※モガディシュの戦闘を参照
ローン・サバイバー(2013年)の様にQRF(即応部隊)がやって来る希望もない。
※レッド・ウィング作戦を参照

いつまで、どこまで戦えば良いのか?を胸に秘めながら目の前の事態に向き合う彼らの悲壮感が怒号と銃声、爆音のなかに浮かんでは消えていく。
勝者などいない、戦場で。

あぁ、マイケル・ベイ監督=トランスフォーマーと思ってしまいがちだけど、もちろんもちろん、それだけじゃない事がよく分かる。
ワタクシは「ザ・ロック」の頃から大好きです♫

2017年映画鑑賞 56本目

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